楽天・Amazonに頼らない!自社ECで売上を倍増させるためにやるべきこと【2025年版】 - 勝手にマーケティング分析
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楽天・Amazonに頼らない!自社ECで売上を倍増させるためにやるべきこと【2025年版】

自社EC マーケの応用を学ぶ
この記事は約21分で読めます。

はじめに

「楽天やAmazonで売上は立つけど、手数料が高くて利益が残らない…」
「自社ECサイトを立ち上げたのに、全然人が来ない…」
「広告費ばかりかかって、リピーターが増えない…」

こんな悩みを抱えているEC担当者の方、多いのではないでしょうか?

楽天市場の販売手数料は2〜7%、Amazonは8〜15%。さらにモール内広告費を考えると、売上の20〜30%がコストとして消えていくケースも珍しくありません。確かにモールは集客力がありますが、利益率の低さとブランド構築の難しさが大きな課題です。

一方、自社ECサイトは手数料がかからず、顧客データを100%自社で管理でき、ブランディングも自由自在。でも「集客が難しい」という壁に直面している方が大半です。

この記事では、モールに頼らず自社ECで売上を増やすために必要な施策を、集客・購入率向上・リピーター獲得の3つの視点から網羅的に解説します。明日から実践できる具体的な手法と、中長期で資産になる戦略の両方をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。


自社ECの売上を理解する:3つの要素と方程式

売上の方程式を押さえよう

自社ECの売上改善に取り組む前に、まず「売上がどう構成されているか」の基本を理解することが重要です。ECサイトの売上は、以下のシンプルな方程式で表現できます。

売上 = 訪問者数(アクセス数) × 購入率(CVR) × 客単価

この3つの要素それぞれを改善することで、売上は飛躍的に向上します。例えば、各要素を20%ずつ改善できれば、売上は約1.7倍になる計算です(1.2 × 1.2 × 1.2 = 1.728)。

要素定義主な改善施策難易度
訪問者数サイトに訪れるユーザーの総数SEO、Web広告、SNS、コンテンツマーケティング
購入率(CVR)訪問者のうち実際に購入する人の割合UI/UX改善、商品ページ最適化、決済プロセス改善
客単価1回の購入あたりの平均金額アップセル、クロスセル、まとめ買い施策

モールと自社ECの違いを理解する

また、自社ECとモール型ECの違いを明確に理解しておくことで、自社ECならではの戦略が見えてきます。

比較項目モール型EC(楽天・Amazon)自社EC
集客力◎ モール自体に大量の訪問者△ ゼロから集客が必要
手数料× 2〜15%+広告費◎ 決済手数料のみ(3〜5%)
顧客データ× モールが管理、活用制限あり◎ 100%自社で管理・活用可能
ブランディング△ 制約が多い◎ 完全に自由
価格競争× 激しい比較購買◯ 独自性を出しやすい
利益率△ 手数料で圧迫◎ 高い利益率を確保可能

ここからわかることは、自社ECの最大のメリットは「顧客との直接的な関係構築」と「高い利益率」ということです。これを最大限活かす戦略を立てることが成功の鍵となります。

この大前提を理解した上で、各変数を向上するための具体的な策を見ていきましょう。


【集客編】訪問者数を増やす7つの施策

自社ECで最初に突き当たる壁が「集客」です。モールと違い、自社ECは待っているだけでは誰も来ません。ここでは短期・中長期の両面から、効果的な集客施策を解説します。

集客施策の全体像

短期施策と中長期施策に分けられますが、まずは短期施策だけをやれば良いというわけではありません。なぜならば短期施策だけでは集客数の限界に当たることが多いことや、常にコストがかかるためです。一方中長期施策はコツコツ構築していけば資産となり、その後の大きなコストをかけずとも集客装置となる可能性があります。

よって、最初から短期、中長期の両方をバランスよく実施していくことが筆者は重要と考えています。

施策1:SEO対策 - 検索エンジンからの持続的な流入

SEO(検索エンジン最適化)は、GoogleやYahoo!などの検索結果で上位表示を目指す施策です。一度上位表示されれば、広告費をかけずに購買意欲の高いユーザーを継続的に獲得できます。

SEOの具体的な実施内容

対策種類具体的施策期待効果
サイト構造最適化階層構造の整理、パンくずリスト設置、内部リンク最適化クロール効率向上、ユーザビリティ改善
ページ速度改善画像圧縮、CDN活用、コード最適化離脱率低下、検索順位向上
商品ページSEOタイトルタグ・メタディスクリプション最適化、構造化データマークアップ商品名検索での上位表示
コンテンツSEO商品活用法、選び方ガイド、比較記事の作成検討段階のユーザー獲得
外部対策プレスリリース配信、業界メディアへの寄稿ドメインオーソリティ向上

重要ポイント: SEOは効果が出るまで3〜6ヶ月かかりますが、一度構築すれば長期的な資産になります。広告に予算を割く前に、まずSEOの基盤を作ることをおすすめします。

E-E-A-Tを意識したSEO戦略

Googleが重視する評価基準「E-E-A-T」を自社ECに適用することで、検索順位を大きく改善できます。

E-E-A-T要素ECサイトでの実装方法効果
Experience(経験)実際に商品を使用した体験レビュー、Before/After写真信頼性向上、CVR改善
Expertise(専門性)スタッフの専門資格表示、業界経験の明示ブランド信頼度向上
Authoritativeness(権威性)メディア掲載実績、業界団体への参加検索順位向上
Trustworthiness(信頼性)SSL化、個人情報保護方針、返品ポリシー明示カート落ち率低下

施策2:コンテンツマーケティング - 顧客に価値を提供して集客

コンテンツマーケティングとは、顧客にとって役立つ情報を発信することで、潜在顧客を引き寄せる手法です。単なる商品紹介ではなく、「顧客の課題解決」にフォーカスすることが重要です。

効果的なコンテンツの種類

コンテンツタイプ具体例ターゲット層SEO効果
ハウツー記事「〇〇の選び方完全ガイド」「△△の正しい使い方」検討初期層
比較記事「A製品 vs B製品:違いを徹底比較」比較検討層
体験レポート「実際に3ヶ月使ってわかったこと」購入直前層
FAQ記事「よくある質問トップ10」全層
開発ストーリー「この商品が生まれるまで」ブランドファン層低(ブランディング効果高)

コンテンツマーケティングの実施手順

  1. キーワードリサーチ: 顧客が検索するキーワードを洗い出す(無料ツール:Googleキーワードプランナー、ラッコキーワード)
  2. コンテンツ設計: 検索意図に合った記事構成を作成
  3. 高品質な記事作成: 実体験・データに基づいた情報を提供
  4. 定期的な更新: 情報の鮮度を保つため、年1回は見直し

施策3:SNS活用 - プラットフォームごとの戦略

日本国内のSNS利用者は約8,000万人以上。各SNSの特性を理解し、商材に合ったプラットフォームで情報発信することで、効率的に集客できます。

主要SNSの特徴と活用法

SNSユーザー層相性の良い商材投稿頻度目安主な活用法
Instagram20〜40代女性中心アパレル、コスメ、インテリア、食品1日1〜2回ビジュアル重視、ストーリーズ活用、ショッピング機能
X(Twitter)20〜40代男女トレンド商品、ガジェット、エンタメ1日3〜5回リアルタイム情報、キャンペーン、顧客対応
TikTok10〜30代トレンド商品、ライフスタイル商品週3〜5回ショート動画、チャレンジ企画、ハウツー
YouTube全年齢層高単価商品、説明が必要な商品週1〜2回商品レビュー、使い方解説、ブランドストーリー
LINE全年齢層(国内利用率90%)全商材月2〜4回既存顧客へのクーポン配信、新商品案内

Instagram活用の具体例

アパレルブランドの場合:

  • フィード投稿:新作アイテムのスタイリング例(1日1回)
  • ストーリーズ:入荷情報、スタッフの日常(1日3〜5回)
  • リール:30秒のコーディネート動画(週3回)
  • ライブ配信:新作発表会、Q&Aセッション(月1回)

SNS運用成功のポイント

ポイント詳細NG例
商品紹介は2割8割は役立つ情報やエンタメ全投稿が宣伝
ユーザーとの対話コメント・DMに24時間以内に返信一方的な発信のみ
UGC(ユーザー投稿)活用顧客の投稿をリポスト公式発信のみ
統一感のあるビジュアルブランドカラー・トーンを統一バラバラな世界観

施策4:Web広告 - 短期で成果を出す

Web広告は費用がかかりますが、即効性があり、ターゲットを絞った効率的な集客が可能です。初期段階では広告で売上の土台を作り、その利益をSEOやコンテンツ作成に再投資することも多いでしょう。

主要Web広告の種類と特徴

広告種類仕組み適したタイミング平均CPC/CPMおすすめ予算
リスティング広告(Google・Yahoo!)検索キーワード連動購入意欲が顕在化50〜300円月10万円〜
ショッピング広告商品画像付き検索広告商品名検索30〜200円月5万円〜
ディスプレイ広告サイト・アプリ上にバナー表示認知拡大CPM 100〜500円月5万円〜
SNS広告(Instagram・Facebook)SNSフィード内に表示潜在層へのアプローチ50〜200円月5万円〜
リターゲティング広告サイト訪問者を追跡カゴ落ち対策30〜150円月3万円〜

広告運用の基本ステップ

  1. 目的設定: 認知拡大 or コンバージョン獲得
  2. ターゲット設定: 年齢、性別、地域、興味関心
  3. 予算配分: テスト期間(月3〜5万円) → 効果検証 → 拡大
  4. クリエイティブ作成: 複数パターンをA/Bテスト
  5. 効果測定: CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用対効果)を毎週チェック
  6. 改善: 効果の低い広告を停止、良い広告に予算を集中

重要指標の目安

指標計算式目安(業界平均)
CTR(クリック率)クリック数 ÷ 表示回数 × 1001〜3%
CVR(コンバージョン率)購入数 ÷ クリック数 × 1001〜5%
CPA(顧客獲得単価)広告費 ÷ 購入数客単価の30%以下が理想
ROAS(広告費用対効果)売上 ÷ 広告費 × 100300〜500%

施策5:アフィリエイト - 成果報酬型で集客

アフィリエイトは、第三者のブログやメディアに商品を紹介してもらい、成果(購入)が発生したときのみ報酬を支払う仕組みです。初期費用を抑えつつ、リスクを最小限に集客できます。

アフィリエイトのメリット・デメリット

メリットデメリット
成果報酬型なので無駄な費用がかからない報酬率設定が低いとアフィリエイターが動かない
第三者からの紹介なので信頼性が高いブランドイメージをコントロールしにくい
多数のメディアで同時に露出できる競合との報酬率競争になりやすい

報酬率の設定目安: 売上の5〜15%(業界・商材による)

施策6:プレスリリース・メディア掲載

メディアに取り上げられることで、一気に認知度が高まり、被リンク獲得によるSEO効果も期待できます。

プレスリリース配信のポイント

項目内容
配信タイミング新商品発売、リニューアル、受賞、調査結果発表
配信サービスPR TIMES、@Press、ValuePress(無料〜3万円/本)
タイトルのコツ数字を入れる、ベネフィットを明確に、記者目線で興味を引く
添付資料高解像度の商品画像、ロゴデータ、代表者写真

施策7:既存顧客からの紹介・口コミ

既存顧客からの紹介は、獲得コストが最も低く、購入率も高い理想的な集客方法です。

紹介施策の具体例

施策内容成功のポイント
紹介特典プログラム紹介者・被紹介者の両方に特典特典は次回使える割引クーポンが効果的
レビュー投稿特典レビュー投稿でポイント付与レビュー率5%→20%への改善事例も
SNSシェアキャンペーン#ハッシュタグ投稿で抽選プレゼントビジュアル映えする商品で効果大

【転換率改善編】訪問者を購入者に変える施策

ここまでさまざまな集客の方法をご紹介しましたが、せっかく集客しても、購入に至らなければ意味がありません。ここでは購入率(CVR)を改善する具体的な施策を解説します。

CVR改善の全体像

ECサイトのCVR平均は1〜5%。つまり、100人訪問して1〜5人しか買わない計算です。当たり前ですが、CVRを2%から4%に倍増させるだけで、売上も倍になります。

各段階での離脱を防ぐ施策

離脱ポイント原因改善施策
商品ページで離脱情報不足、魅力が伝わらない商品写真充実化、レビュー掲載、使用イメージ動画
カート追加後に離脱送料が高い、配送に時間がかかる送料無料ライン明示、お急ぎ便オプション
購入情報入力で離脱入力項目が多い、決済方法がないEFO(入力フォーム最適化)、決済方法の多様化

施策1:商品ページの最適化

商品ページはECサイトの心臓部です。ここで購入意欲を高められるかどうかが勝負の分かれ目。

売れる商品ページの7要素

要素具体的な内容効果
ファーストビューメイン画像、価格、商品名、購入ボタン3秒で離脱を防ぐ
商品画像最低5枚以上、360度ビュー、使用イメージ不安解消、CVR 1.5〜2倍
商品説明ベネフィット重視、スペック明記、よくある質問検討時間短縮
レビュー・評価★評価、写真付きレビュー、件数表示信頼性向上、CVR 20〜30%改善
動画使い方動画、開封動画、比較動画滞在時間延長、CVR 80%改善の事例も
在庫・配送情報在庫数、配送日数、送料購入決定の後押し
関連商品よく一緒に購入される商品客単価アップ

商品説明の書き方:スペックよりベネフィット

機能や性能ばかりの訴求より、それらがあることで消費者にとってどんな良い影響があるのかを明確に記載するようにしましょう。

❌NG例(スペック羅列):
「高品質なステンレス製、容量500ml、保温効果6時間」

⭕OK例(ベネフィット訴求):
「朝入れたコーヒーが、お昼休みでもアツアツ。会議中でもデスクで本格的な一杯を楽しめます」

施策2:UI/UX改善 - ユーザーにストレスを与えない設計

ユーザーが「使いにくい」と感じた瞬間、離脱します。直感的に操作できるサイト設計を目指しましょう。

改善すべきUI/UXチェックリスト

チェック項目改善前 → 改善後効果の例
ページ表示速度5秒 → 2秒以内離脱率40%削減
スマホ最適化PC版を縮小表示 → レスポンシブ対応スマホCVR 2倍
検索機能なし → キーワード検索+絞り込み目的商品への到達時間50%短縮
カートページ遷移 → スライド表示カート追加率15%向上
ナビゲーション3階層以上 → 2階層まで商品発見率30%向上

施策3:決済プロセスの最適化

株式会社イー・エージェンシーの調査によると、ECサイトの平均カゴ落ち率は63.3%。決済プロセスの改善は、CVR向上の最重要ポイントです。

カゴ落ちを防ぐ8つの施策

施策詳細効果の例
決済方法の多様化クレカ、代引き、コンビニ、後払い、PayPay、楽天ペイカゴ落ち率20%削減
ゲスト購入の許可会員登録なしで購入可能に新規CVR 30%向上
入力項目の削減必須項目を半分にフォーム完了率50%向上
入力支援機能住所自動入力、エラー即座表示ストレス軽減
送料・手数料の事前明示最初から総額表示直前離脱30%削減
セキュリティ表示SSL証明、個人情報保護方針不安解消
プログレスバーあと何ステップか表示完了率向上
カゴ落ちメール24時間後にリマインド回復率10〜15%

施策4:送料戦略の最適化

送料は購入決定に大きく影響します。「送料無料」は強力な購買動機になりますが、利益を圧迫しないバランスが重要です。

送料戦略パターン

戦略内容メリットデメリット
完全無料すべての注文で送料無料CVR最大化利益圧迫大
条件付き無料〇〇円以上で送料無料客単価アップ条件未達で離脱
定額送料全国一律500円などシンプルでわかりやすい遠方は不利
実費負担地域・商品サイズで変動適正コスト計算がわかりにくい

最適な送料無料ラインの設定方法

  1. 現在の平均客単価を確認(例:3,500円)
  2. 目標客単価を設定(例:5,000円)
  3. 送料無料ラインを目標より少し上に設定(例:5,500円)
  4. 「あと〇〇円で送料無料」を明示して追加購入を促す

【リピーター獲得編】LTVを最大化する施策

新規顧客の獲得コストは、既存顧客の5倍かかると言われています。リピーター を増やし、LTV(顧客生涯価値)を高めることが、自社EC成功の最大のポイントです。

LTV(Life Time Value)とは?

LTVとは、1人の顧客が生涯にわたってもたらす利益の総額です。

LTV = 平均購入単価 × 平均購入頻度 × 平均継続期間

具体例:

  • 平均購入単価:5,000円
  • 平均購入頻度:年4回
  • 平均継続期間:3年

→ LTV = 5,000円 × 4回 × 3年 = 60,000円

この顧客1人を獲得するための許容コストは、LTVの30%程度(18,000円)が目安です。

施策1:メールマーケティング - セグメント配信で効果最大化

メールマーケティングは、低コストで既存顧客に継続的にアプローチできる強力な手法です。

効果的なメール配信パターン

メール種類配信タイミング内容開封率目安CVR目安
ウェルカムメール会員登録直後お礼+初回特典クーポン50〜70%10〜15%
サンキューメール購入直後お礼+使い方ガイド40〜60%-
休眠顧客掘り起こし最終購入から3ヶ月後限定クーポン+新商品案内15〜25%5〜8%
カゴ落ちフォローカート放置24時間後リマインド+期間限定特典20〜30%10〜15%
誕生日メール誕生月特別クーポン30〜40%8〜12%
定期配信月2〜4回新商品、キャンペーン情報15〜25%3〜5%

セグメント配信で効果を高める

全員に同じ内容を送るのではなく、顧客を分類して最適な情報を届けましょう。

セグメント配信内容効果
新規顧客(購入1回)リピート促進、使い方ガイドリピート率20→40%
リピーター(購入2回以上)新商品、関連商品案内客単価20%向上
休眠顧客(3ヶ月未購入)復活クーポン復活率15%
VIP顧客(累計5万円以上)先行販売、特別イベントロイヤルティ向上

施策2:MA(マーケティングオートメーション)の活用

MAツールを使えば、顧客の行動に応じて自動でメール配信やクーポン発行ができます。

MAで自動化できる施策

トリガーアクション効果
カート追加後24時間購入なしリマインドメール+5%オフクーポンカート回収率10%
商品閲覧3回以上、購入なしその商品の詳細情報メールCVR 5%向上
購入後30日経過関連商品のレコメンドクロスセル率15%
誕生日の1週間前バースデークーポン配信開封率40%、CVR 12%

主要MAツール比較

ツール月額料金特徴おすすめ規模
カスタマーリングス10万円〜EC特化、高機能中〜大規模
MOTENASU3万円〜コスパ良好、使いやすい小〜中規模
Benchmark Email1,800円〜低価格、基本機能小規模・スタートアップ

施策3:ポイント・クーポン戦略

ポイントやクーポンは、リピート促進の定番施策です。ただし、乱用すると利益を圧迫するため、戦略的に使いましょう。

効果的なポイント・クーポン設計

施策内容効果注意点
購入ポイント購入金額の1〜5%付与リピート率10%向上還元率は利益率を考慮
レビューポイントレビュー投稿で200ptレビュー投稿率20%向上承認制で質を担保
誕生日クーポン誕生月に500円オフ開封率40%、利用率30%有効期限は1ヶ月
初回限定クーポン初回購入10%オフ新規CVR 30%向上利益率を守れる範囲で
ステップアップクーポン次回購入から使える500円オフリピート率25%向上有効期限を短めに

施策4:サブスクリプション・定期購入

消耗品や定期的に必要な商品は、定期購入モデルを導入することでLTVを劇的に高められます。

定期購入のメリット

視点メリット具体例
顧客買い忘れ防止、都度注文の手間削減、割引特典コーヒー豆、サプリ、化粧品
事業者売上予測が立つ、顧客維持率向上、LTV最大化月次売上の50%が定期購入から

定期購入の設計ポイント

項目内容
割引率都度購入より5〜15%オフ
配送サイクル月1回/2週間に1回など、商品に応じて選択可能に
解約のしやすさマイページから簡単に解約できる(解約率は上がるが信頼獲得)
スキップ機能一時停止・スキップ可能(柔軟性で継続率向上)

施策5:コミュニティ・ファン作り

商品を買ってもらうだけでなく、ブランドのファンになってもらうことで、長期的な関係を築けます。

ファンコミュニティ施策

施策内容効果
オンラインサロン会員限定コンテンツ、先行販売ロイヤルティ向上
ユーザーイベント商品体験会、工場見学ブランド愛着度アップ
UGCキャンペーン#ハッシュタグで投稿募集口コミ拡散
アンバサダープログラム熱心なファンに特別待遇自然な推奨

【運営・分析編】PDCAを回して改善し続ける

自社ECは「作って終わり」ではありません。データを分析し、仮説を立て、施策を実行し、結果を検証するPDCAサイクルを回し続けることが成長の鍵です。

必ず測定すべきKPI一覧

KPI計算式目標値(目安)確認頻度
訪問者数サイト訪問数前月比+10%毎日
CVR(購入率)購入数 ÷ 訪問者数 × 1002〜5%毎日
客単価売上 ÷ 購入数商材による毎日
新規顧客率新規購入数 ÷ 総購入数 × 10060〜80%毎週
リピート率リピート購入数 ÷ 総顧客数 × 10020〜40%毎月
LTV平均購入単価 × 購入頻度 × 継続年数新規獲得コストの3倍以上毎月
カゴ落ち率カート追加後未購入 ÷ カート追加数 × 10050〜70%毎週

Googleアナリティクス4(GA4)で見るべきポイント

Googleアナリティクスを使えば、ECサイトへどこからどれくらいの訪問者がきて、サイト内でどう動いて、どれくらい購入されたかを全て数字で計測することができます。

レポート確認項目アクション
集客レポート流入元(自然検索、広告、SNS等)別の訪問数・CVR効果の高いチャネルに予算集中
エンゲージメント人気ページ、平均セッション時間、離脱率離脱率の高いページを改善
コンバージョンCVRの高い流入元、商品カテゴリ好調な商品を強化
ユーザー属性年齢、性別、地域ペルソナの見直し、広告ターゲティング最適化

Googleアナリティクスについて詳しい使い方を理解した方はぜひこちらの記事も読んでみてください。

A/Bテストで改善を加速

「なんとなく」ではなく、データに基づいて改善するためにA/Bテストを実施しましょう。

A/Bテストの例

テスト対象パターンAパターンB結果
商品画像白背景使用シーン使用シーンでCVR 1.5倍
ボタンの色緑色オレンジ色オレンジ色でCTR 20%向上
商品説明スペック中心ベネフィット中心ベネフィットでCVR 30%向上
送料無料ライン3,000円以上5,000円以上5,000円で客単価15%アップ

実践ロードマップ:何から始めるべきか?

ここまで多くの施策を紹介しましたが、「全部を一度にやる」のは現実的ではありません。自社の状況に応じて、優先順位をつけて段階的に実行しましょう。

フェーズ別実践プラン

【立ち上げ期】売上月50万円未満

優先度施策理由予算目安
最優先リスティング広告即効性、購入意欲の高いユーザー獲得月5〜10万円
商品ページ最適化CVR向上の基本0円(自社対応)
SNSアカウント開設・運用開始中長期の資産作り0円(自社対応)
SEO基礎対策サイト構造、商品ページのタイトル最適化0円(自社対応)

【成長期】売上月50〜300万円

優先度施策理由予算目安
最優先コンテンツマーケティング開始SEO強化、オーガニック流入増加月3〜5万円(外注の場合)
メールマーケティングリピーター獲得、LTV向上月1〜3万円(ツール費用)
Web広告の種類拡大SNS広告、リターゲティング追加月20〜50万円
UIX改善CVRのボトルネック解消月5〜10万円

【拡大期】売上月300万円以上

優先度施策理由予算目安
最優先MA導入業務効率化、LTV最大化月10〜30万円
定期購入・サブスク導入安定収益、LTV向上開発費50〜200万円
インフルエンサーマーケティング認知拡大、新規顧客獲得案件ごと10〜100万円
オリジナルコンテンツ強化ブランディング、SEO強化月10〜30万円

最初の3ヶ月でやるべき10のこと

  1. Googleアナリティクス・Googleサーチコンソール設定(無料)
  2. 商品ページの写真を最低5枚以上に増やす
  3. 商品説明をベネフィット重視に書き換える
  4. レビュー機能を設置し、初回購入者に投稿依頼
  5. Instagram・X(Twitter)アカウントを開設し、週3回投稿
  6. リスティング広告を月5万円でスタート
  7. カート落ちメールの仕組みを導入
  8. 送料無料ラインを設定し、目立つ場所に表示
  9. お客様の声・レビューをトップページに掲載
  10. メルマガ配信を月2回開始

まとめ

Key Takeaways

重要ポイント詳細
売上の方程式を理解する訪問者数 × CVR × 客単価の3要素を改善
短期と中長期をバランスよく広告で即効性、SEO・SNSで資産構築
集客よりCVR改善が先訪問者を増やす前に、買いやすいサイトにする
リピーター施策が最重要新規獲得コストは既存の5倍、LTVを高める
データを見て改善し続けるPDCAサイクル、A/Bテストの習慣化

Next Action:明日からやるべきこと

今すぐできること(無料)

  • Googleアナリティクスで現状のアクセス数・CVRを確認
  • 商品ページの写真を5枚以上に増やす
  • SNSアカウントを開設して初投稿

今週中にやること

  • 商品説明をベネフィット重視に書き換え
  • 送料無料ラインを設定し、サイトに明示
  • 競合サイトを3つ以上チェックして良い点を真似る

今月中にやること

  • リスティング広告を月5万円で開始
  • メールマーケティングツールを導入
  • KPIダッシュボードを作成し、毎週確認する仕組みを作る

自社ECで成功するには、一発逆転の魔法はありません。地道に集客し、買いやすいサイトを作り、リピーターを増やす。この基本を愚直に積み重ねることが、モールに頼らない強いEC事業を作る唯一の道です。

ぜひ今日から、できることから一歩ずつ実行してみてください。3ヶ月後、6ヶ月後には、必ず成果が見えてくるはずです!


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この記事を書いた人
tomihey

■運営者について
本ブログの運営者のtomiheyです。
マーケティング領域で14年間約200ブランド以上に関わってきました。

■本ブログの内容
主に、Who/What/Howフレームもとに実際のブランドを分析し、ブランドの成長、失敗に関する悩みや解決策を解説しています。

現在、企業向けにマーケティング戦略(Who/What)/戦術(How)の支援サービスをしています。1時間無料で壁打ちも可能ですので、ご興味がありましたら下記からご連絡ください。

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