GA4が難しいと感じる理由と、マーケターが実践すべき対策 - 勝手にマーケティング分析
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GA4が難しいと感じる理由と、マーケターが実践すべき対策

GA4に苦戦する理由 基礎を学ぶ
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はじめに

Google アナリティクス(GA4)への移行が完了してから、多くのマーケターが「使いにくい」「データが見づらい」「設定が複雑」といった問題に直面しています。従来のユニバーサル アナリティクス(UA)とは大きく異なる設計になっているため、戸惑いを感じるのも当然です。本記事では、マーケターがGA4に苦戦する理由を分析し、それを解決するための具体的な対策を紹介します。

GA4に苦戦する主な理由

1. UIの大幅な変更

  • GA4のインターフェースは、UAとは大きく異なる
    • 以前のレポート画面と異なり、デフォルトのレポートが少ない
  • 解決策:事前に「探索レポート」を活用して、必要な指標をカスタマイズする

2. セッションとイベントの概念が異なる

  • GA4は「セッションベース」ではなく「イベントベース」
    • ページビュー、クリック、コンバージョンなど、すべてが「イベント」として扱われる
  • 解決策
    • 「イベント」の仕組みを理解し、GA4のデフォルトイベントを活用
    • カスタムイベントの設計を行い、UAの指標と照らし合わせる
graph TD; A[ユーザー訪問] -->|ページ閲覧| B[イベント: Page View] A -->|ボタンクリック| C[イベント: Click] A -->|スクロール| D[イベント: Scroll] A -->|購入| E[イベント: Purchase]

3. 直帰率がない(代わりにエンゲージメント率)

  • 直帰率が廃止され、エンゲージメント率が導入
    • 直帰率に慣れていたマーケターにとって、エンゲージメント率は理解しにくい
  • 解決策
    • エンゲージメント率 = 10秒以上滞在・複数ページビュー・コンバージョンのいずれかを満たすセッションの割合
pie title エンゲージメント率の構成要素 "10秒以上滞在" : 33 "複数ページビュー" : 33 "コンバージョン" : 33

4. イベントトラッキングの設定が難しい

  • UAでは「カテゴリ」「アクション」「ラベル」だったが、GA4では「イベント」としてすべてを定義
  • GTM(Google タグマネージャー)やカスタム定義などの機能を使わないとカスタムイベントの設定が面倒
  • 解決策
    • GTMを活用してイベントを設定(「クリック」「スクロール」「動画視聴」など)
    • Googleの「推奨イベント」を優先的に使用し、データの互換性を確保

5. 目標(コンバージョン)の設定が変わった

  • UAの「目標」→ GA4の「キーイベント」に変化
  • 以前はURLベースの目標設定が多かったが、GA4では「イベント」として設定
  • 解決策
    • 「イベントをキーイベントとして設定」すれば、UAの目標と同じように使用可能
    • URLベースのコンバージョンが必要なら、イベントの設定時に条件を追加

6. カスタムレポート作成の難易度

  • デフォルトのレポートが不足しているため、レポートを自分で作成する必要がある
  • 解決策
    • 「探索レポート」を活用(自由な指標を設定できる)
    • Looker Studio(旧Data Studio)と連携し、見やすいレポートを作成

7. サンプリングが発生しやすい

  • 無料版GA4は大量のデータを扱うとサンプリングが発生
  • UAよりもサンプリングの頻度が高い
  • 解決策
    • 事前に「データ探索」機能を活用し、必要なデータのみを抽出
    • BigQueryと連携し、サンプリングなしでデータを分析(要技術的な知識)
graph TD; GA4[GA4 データ] -->|連携| BigQuery[BigQuery] BigQuery -->|データ解析| Looker[Looker Studio] BigQuery -->|サンプリングなし| Dashboard[ダッシュボード表示]

マーケターがGA4を使いこなすための対策

1. 基本設定をしっかり行う

  • データ保持期間を14か月に設定
  • 内部トラフィック(自社IP)の除外
  • コンバージョンイベントの整理

2. レポートをカスタマイズ

  • デフォルトレポートをカスタマイズし、頻繁に使う指標を見やすく配置
  • Looker Studioを活用し、クライアントや社内向けのレポートを作成

3. GA4の「イベント」概念を理解

  • イベントトラッキングのルールを決め、GTMで統一的に管理
  • 主要な「推奨イベント」を活用(purchase、sign_up など)

4. 他のツールと連携

  • BigQuery(データを詳細に分析可能)
  • Looker Studio(レポートを簡単に作成)
  • Google広告と連携し、オーディエンスターゲティング

5. 使いやすいダッシュボードを作成

  • 主要KPIを簡単に把握できるようにLooker Studioでダッシュボード化
  • 探索レポートでカスタム指標を作成

まとめ

GA4はUAと大きく異なり、特に「イベントベース」「カスタムレポート」「新しい指標」に慣れる必要があります。しかし、基本的な設定を整え、イベントの概念を理解し、他のツールと連携することで、より高度なデータ分析が可能になります。最初は難しく感じるかもしれませんが、適切な設定と運用を行えば、GA4は強力なマーケティングツールとなるでしょう。

今すぐ実践できるポイント

探索レポートを活用して自分に合ったレポートを作成
コンバージョン設定を見直す(イベントベースに変更)
GTMを活用してイベントを整理
Looker Studioでレポートを可視化
GA4とGoogle広告を連携し、ターゲティング精度を向上

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

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