人はなぜSNSを使うのか?マーケターが学ぶべき本能的な心理を探る - 勝手にマーケティング分析
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人はなぜSNSを使うのか?マーケターが学ぶべき本能的な心理を探る

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はじめに

「なぜ人はSNSを使うのか?」という根本的な疑問に対し、しっかりとした理解を持っているでしょうか。

マーケティング担当者としてSNSを戦略的に活用したいのであれば、まず「人々がSNSを使う理由」をきちんと言語化し、その背景にある人間の本能や心理を把握する必要があります。SNS上での行動原理を理解することで、ユーザーに受け入れられる施策やコンテンツを考案しやすくなり、ビジネス全体の成果に直結させることが可能になります。

本記事では、「なぜ人はSNSを使うのか」という人間の根本的な欲求について解説します。そして、それをマーケターとしてどう活かすべきかを具体的に提案します。

SNSを活用する人の人口

2024年の世界のSNS利用者数は約50億4000万人を超え、2028年には60億5000万人に達すると予測されています

出典:statista

なぜ人はSNSを使うのか

人々がSNSを使う理由は多岐にわたりますが、根底には「グループ(社会)の中で重要な位置を占めたい」という自己保存の人間の本能的欲求があると考えられています。

これは進化心理学の視点から説明されることが多く、「集団の中で高い評価や有利なポジションを得る → 生存確率の向上」というメカニズムが背景にあると言われています。現代社会では物理的に生死を分けるような狩猟採集の時代ではありませんが、社会的に認められることが私たちにとって非常に重要な意味を持つ点は変わりありません。

SNSは、この「他者からの評価」を手軽に得られる最適な場であるため、多くの人が利用し続けるのです。

情報共有による集団内での役割強化

SNSの特徴のひとつに、「情報共有のしやすさ」が挙げられます。情報とは、ニュース、トレンド、ノウハウ、個人的な体験談など、多岐にわたります。

  • 有益な情報を発信すれば、「あの人は良い情報をいつもくれる」という評価を得られます。
  • 個人的な体験や成功体験をシェアすることで、「その分野に詳しい人」というブランディングができます。

これらの行為は、グループ内での自分の役割を強化することにつながり、結果的に“承認欲求”も満たしやすくなります。

承認欲求(仲間からの支持獲得)

人は誰しも、多かれ少なかれ承認欲求を持っています。SNS上で得られる「いいね」や「コメント」は、簡易的でわかりやすいポジティブなフィードバックといえます。

  • 「いいね」:あなたの投稿を認めています
  • 「コメント」:あなたの発信に興味を持ち、対話したいと思っています

こうした反応は、「あなたは大事な存在だよ」というメッセージを可視化してくれるため、人はより多くの「いいね」や「コメント」を得ようと行動します。これを積み重ねることで、自己肯定感が高まり、、本能的に生存確率が上がり、SNS利用が習慣化していきます。

影響力の強化(生存戦略)

フォロワー数が多い、いわゆる「インフルエンサー」と呼ばれる人々は、SNS上での影響力が大きいことが明確化されています。大きなフォロワー基盤を持っているということは、それだけ自分が情報の中心に立てることを意味します。ビジネスの機会や人脈の拡大につながり、社会的にも有利に働きやすいのです。

影響力を高めることは、一種の「生存戦略」とも言えます。リアルな社会では当然ながら、組織内や業界内での評価が高ければ、出世や収入増、名誉といったリターンを得やすくなります。SNSによってオンライン上の影響力を獲得していれば、現実世界でも何らかのかたちで“優位性”を築ける可能性があります。

flowchart LR A[情報共有] --> B(SNS利用) C[承認欲求] --> B(SNS利用) D[影響力の強化] --> B(SNS利用) B(SNS利用) --> E[自己肯定感の向上] B(SNS利用) --> F[オンラインでの地位向上]

SNSは井戸端会議と同じ

よく、SNSは“現代の井戸端会議”とも称されます。昔、近所の主婦が井戸端で集まって情報交換をしていたように、SNSも大勢が同時多発的に情報をやり取りする場所になっているからです。

井戸端会議がもつ「おしゃべりする楽しさ」や「お互いの状況を知る安心感」は、現代ではSNS上で再現されているといえます。異なるのは「物理的な距離の制約がない」ことと「やり取りのスピードが圧倒的に早い」ことです。

通勤電車の中や深夜でも、自分と同じ趣味や悩みを持つ人と気軽につながれるのがSNSの強みです。こうした環境は、「人間が本来持っている集団への帰属意識や承認欲求を効率よく満たせる」という特徴をさらに加速させています。

この本能を活かしてマーケターはどう動くべきか

SNS利用の背景には、「情報共有」「承認欲求」「影響力の追求」といった人間の本能的な要素があることを理解しました。では、マーケターとしてはどのように動けばよいのでしょうか。

本能・欲求具体例マーケターの施策アイデア
情報共有ユーザーが自分の知識や経験を発信したがる・誰かに教えたくなるような有益な情報を提供する
・「共有するとメリットがある」仕組みづくり
承認欲求いいねやコメントを通じて認められたい・ユーザー投稿へのフィードバック(コメント返信、シェアなど)を重視
・UGC(User Generated Content)を生み出しやすい企画の設計
影響力の強化フォロワー数や拡散力を高め、優位性を得たい・インフルエンサーとのコラボ企画
・フォロワーが増えるキャンペーンの設計
井戸端会議の場オンラインで常に雑談できる環境を求めている・コミュニティ運営(ブランドコミュニティ、ファンコミュニティ)
・SNS上でのライブ配信などリアルタイムイベント

コンテンツの作り方とコミュニケーションのコツ

  • 誰かに話したくなるエピソードを提供する
    商品やサービスの背景ストーリー、開発秘話、利用者のリアルな声など、ユーザーが「へぇ、そうなんだ」と思わず共有したくなるような要素を盛り込むと拡散されやすくなります。
  • コミュニティ機能を活かす
    FacebookやInstagram、Twitter(X)にはグループ機能、ハッシュタグ機能など、共通の興味関心を持つユーザー同士がつながりやすい仕組みがあります。これを活用することで、オンラインの井戸端会議を自主的に作り出すことが可能です。
  • フィードバックを欠かさない
    コメントへの返信や「いいね」などのアクションを素早く行うことで、ユーザーの承認欲求を満たしながら、ブランドへのロイヤルティを高めることができます。

まとめ

ここまで解説してきたように、人々がSNSを使う理由は「人間の自己保存という本能や心理欲求を満たす場として優れている」からです。以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 多くの人がSNSを使う理由
    集団内での重要性や承認欲求、影響力を高めることで自己生存や保存の確率が高まる。
  • SNSは井戸端会議と同じ
    人々は気軽に情報交換し、つながりを感じたいという欲求がある。
  • マーケターが活かすべき本能
    ユーザーの「情報共有」「承認欲求」「影響力の強化」を満たす仕掛けが重要。

SNSを利用する人々の本質的な理由を理解することで、その人たちの本能に沿ったビジネスやアプローチができるようになります。ぜひ日々の活動に活かしていきましょう。

人間の本能についてはこちらの記事でも紹介しています。ぜひご覧ください。

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

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