【マーケター必見】今治タオル、かねふく、とらやに学ぶ!カテゴリーで「一番」に輝くブランド戦略 - 勝手にマーケティング分析
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【マーケター必見】今治タオル、かねふく、とらやに学ぶ!カテゴリーで「一番」に輝くブランド戦略

「今治タオル」「かねふく」「とらや」に学ぶ! カテゴリーで一番に輝くブランド戦略 応用を学ぶ
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はじめに

「タオルと言えば今治タオル」「明太子と言えばかねふく」「羊羹と言えばとらや」——。これらのブランドは、特定のカテゴリーにおいて圧倒的な存在感を放ち、消費者の心に深く刻まれています。

「うちの会社の商品も、〇〇と言えばうち!って言われるようにしたい!」

この記事は、そんな熱い想いを持つマーケターのあなたに向けて、カテゴリーで「一番」に想起されるブランドになるための戦略を、3つのブランドの成功事例から徹底的に解説します。これらのブランドがどのようにして現在の地位を築き上げたのか、その道のりを紐解きながら、あなたのブランドをNo.1にするためのヒントを探っていきましょう!

カテゴリーで「一番」に想起されるブランドになることの重要性

まずはブランドが第一想起になることでどういう恩恵を受けれるのでしょうか。

  1. 確実な検討機会の獲得
    • 第一想起ブランドは、消費者が商品を検討する際に必ず候補に入ります。これにより、ブランド指名検索や直接的な購入検討の機会が増加します。
  2. 直感的・習慣的な購買の促進
    • 特に最寄り品の場合、消費者が深く考えずに直感的または習慣的に購入する確率が高くなります。
  3. 競合との比較優位性
    • 第一想起ブランドは、他のブランドと比較される際に有利な立場から評価されます。
  4. 高い購買確率
    • 買い回り品や専門品の場合でも、検討後に購入される確率が最も高くなります。
  5. 顧客ロイヤリティの向上
    • リピート購入の場合、継続して選ばれる確率が最も高くなります。
  6. オンライン購入での優位性
    • 指名検索率や検討後の購入率が最も高くなり、eコマースでの売上増加につながります。
  7. 価格プレミアムの獲得
    • ブランドエクイティが高まることで、消費者が価格を気にせず購入する傾向が強まり、利益率の向上につながります。
  8. マーケティングコスト削減
    • 新規顧客獲得にかかるコスト(CPA)が低下し、マーケティング効率が向上します。
  9. 競合参入障壁の形成
    • 強力なブランドポジションを確立することで、競合他社の新規参入を困難にし、市場シェアを守ることができます。

これらの利益は、ブランドの認知度向上、顧客ロイヤリティの構築、競合との差別化につながり、最終的には売上増加と持続的な事業成長をもたらします。

では次に実際の3つの成功ブランドの戦略や実施していることを見ていきましょう。

1. 奇跡の復活を遂げたブランド戦略:今治タオル

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公式サイト:https://www.imabaritowel.jp/

今治タオルの現状

今治タオルは、その高品質と安全性で知られ、日本を代表するタオルブランドとしての地位を確立しています。年間生産量は14,000トンを超え、日本タオル市場で約11%のシェアを誇ります。

成功要因の深掘り

  • 徹底的な品質基準と品質管理
    • 12項目にも及ぶ厳格な品質基準を設定し、これをクリアした製品のみを「今治タオル」として認定。
    • 5秒以内に水を吸収できるかを基準とするなど、消費者が求める品質を明確化。
  • 地域性と伝統の活用
    • 120年以上の歴史を持つ今治のタオル産業の伝統と、温暖な気候、清らかな水といった地域資源を最大限に活用。
    • 地域の特性を活かした製品作りで、他にはない柔らかさと吸水性を実現。
  • リブランディング戦略(2006年)
    • クリエイティブディレクター佐藤可士和氏によるブランド再構築プロジェクト。
    • ブランドロゴの刷新、直営店の開設、タオルソムリエ制度の導入など、多角的なアプローチでブランドイメージを向上。
    • 「日本を代表する高級タオルブランド」としての地位を確立。
  • チャネル戦略
    • 直営店(東京など主要都市)やオンラインストアを通じて、消費者へ直接販売。
    • タオルソムリエによる専門的なアドバイスや情報提供で、顧客満足度を向上。
    • 卸売業者との連携による販売チャネルの多様化。
    • ブランド認定制度による品質保証と信頼性の向上。
    • ポップアップストアや展示会など、消費者との接点を増やすイベント開催。
  • 7P分析から見るマーケティング戦略
    • Product(製品): 高品質な素材と製造技術にこだわり、柔らかさや吸水性に優れたタオルを提供
    • Price(価格): 品質に見合った価格設定で、長期的な顧客関係を重視した割引や特典を提供
    • Place(流通): オンラインショップや直営店、全国の百貨店や専門店で販売
    • Promotion(プロモーション): 広告やSNSを活用し、ブランドストーリーを強調
    • People(人): タオルソムリエなどの専門知識を持つスタッフが、製品の特性や使用方法を説明
    • Process(プロセス): 製造過程において厳しい基準を設け、顧客からのフィードバックを受けて製品改善やサービス向上
    • Physical Evidence(フィジカルエビデンス): 高級感のあるパッケージや店舗の内装、製品の品質を示す認定マークなど

今治タオルから学べること

  • 品質至上主義を徹底する: 厳しい品質基準を設定し、それを維持することで、消費者の信頼を得ることが重要。
  • 地域資源と伝統をブランドの核とする: 地域の特性や歴史を活かすことで、他には真似できない独自の価値を生み出すことができる。
  • リブランディングでブランドイメージを刷新する: 時代に合わせたブランドイメージの再構築は、ブランドの活性化に不可欠。
  • 多角的なチャネル戦略で顧客との接点を増やす: 消費者の購買行動に合わせた販売チャネルの構築と、顧客体験の向上が重要。
  • ストーリーテリングでブランドの魅力を伝える: 製品の背景にある物語を語ることで、消費者の感情に訴えかけ、ブランドへの共感を深める。
  • ブランドのコンセプトをもとにHowに軸を持たせて最適化する: 製品、価格、流通、プロモーション、人、プロセス、物的証拠の7つの要素を総合的に考慮し、ブランドの強みを最大限に引き出す。

出典:https://www.imabaritowel.jp/

2. 明太子市場のパイオニア:かねふく

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公式サイト:https://www.kanefuku.co.jp/

かねふくの現状

かねふくは、辛子明太子の製造・販売において国内トップクラスのシェアを誇る企業です。品質へのこだわり、伝統と革新の融合、高級感と贈答品需要、そして観光資源としての活用という4つの要素が、そのブランドポジショニングを特徴づけています。

成功要因の深掘り

  • 品質へのこだわり
    • スケトウダラの卵の調達から塩漬け、加工までを一貫して自社で管理。
    • 明太子の「粒立ち」や「はじける食感」といった独自の品質を実現。
  • 伝統と革新の融合
    • 伝統的な辛子明太子の味を守りつつ、辛さ控えめの製品やチューブタイプの明太子など、現代の消費者ニーズに応える商品展開。
    • 常に新しい味や食感、食べ方を提案し、顧客を飽きさせない工夫。
  • 高級感と贈答品需要
    • 贈答用としても人気が高く、お中元やお歳暮などのギフトシーズンに需要が集中。
    • 高級感のあるパッケージや品質の高さが、贈り物としての価値を高める。
  • 観光資源としての活用
    • 明太子のテーマパーク「めんたいパーク」を運営し、観光客にブランド体験を提供。
    • 工場見学や試食コーナー、限定グッズ販売などを通じて、消費者との接点を増やし、ブランド認知度を向上。
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かねふくから学べること

  • 品質管理を徹底し、独自の品質を追求する: 他社には真似できない独自の品質を確立することで、競争優位性を築くことができる。
  • 伝統を守りながらも、時代のニーズに合わせて変化する: 伝統的な製法や味を守りつつ、現代の消費者の嗜好やライフスタイルに合わせた商品開発が重要。
  • 顧客体験を重視したマーケティング戦略を展開する: テーマパークの運営など、ユニークなマーケティング戦略によって顧客とのエンゲージメントを深め、ブランドロイヤリティを高める。
  • 高級感とストーリー性を付加価値として提供する: 贈答品としての需要を見込み、高級感のあるパッケージやブランドストーリーを伝えることで、商品の価値を高めることができる。

出典:https://www.kanefuku.co.jp/

3. 五百年近い歴史と革新:とらや

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公式サイト:https://www.toraya-group.co.jp/

とらやの現状

とらやは、室町時代後期に京都で創業し、五百年近い歴史を持つ老舗和菓子店です。羊羹を代表とする伝統的な和菓子は、長年にわたり多くの人々に愛され続けています。

成功要因の深掘り

  • 伝統と格式
    • 五百年近い歴史の中で培われた伝統と格式は、他にはないブランドの強み。
    • 長年にわたる信頼と実績が、ブランドの価値を高める。
  • 品質へのこだわり
    • 厳選された素材と伝統的な製法を守り、常に最高品質の和菓子を提供し続けている。
    • 素材の選定から製造プロセスまで、一切の妥協を許さない姿勢が、顧客の信頼を得る。
  • 革新への挑戦
    • 伝統を守りながらも、時代に合わせた新しい商品開発や店舗デザインなど、常に革新に挑戦し続けている。
    • 季節限定のフレーバーや、現代的なデザインを取り入れたパッケージなど、常に新しい試みで顧客を魅了。
  • 顧客との信頼関係
    • 長年にわたり顧客との信頼関係を築き、顧客のニーズに応える商品を提供し続けている。
    • 顧客の声に耳を傾け、商品の改善や新商品の開発に活かす姿勢が、顧客満足度を高める。

とらやから学べること

  • 伝統と革新のバランスを保つ: 長い歴史を持つブランドは、伝統を守りながらも、時代の変化に合わせて革新を続けることが重要。
  • 品質へのこだわりを貫く: 常に最高品質の製品を提供することで、顧客の信頼を得ることができる。
  • 顧客との長期的な関係を築く: 顧客のニーズに応え、顧客とのコミュニケーションを大切にすることで、ブランドロイヤリティを高めることができる。

出典:https://www.toraya-group.co.jp/

第一想起を獲得するための具体的な施策

以上3つのブランドから見えてきた成功のヒントから具体的にどのような施策が第一想起の獲得につながるのかをまとめてみました。

プレファレンス(消費者のブランドへの好意度)の向上

  • プレファレンスを上げるには価格、ブランドエクイティ、製品パフォーマンスのバランスを最適化が重要
  • ブランドエクイティはWho/What/Howの構築が重要

ブランドの独自性の確立

  • 競合他社との差別化を図り、消費者に独自の価値を提供
  • ターゲット層を明確にし、そのニーズに合わせたブランディングを行う

カテゴリーエントリーポイントの増加

  • 消費者が商品やサービスを必要とする場面を増やし、想起される機会を創出

継続した接点と長期的視点のブランド構築

  • テレビ、新聞、看板、交通広告、WEB広告、メール、SNSなどを通じてターゲットに対しての接点を継続的に構築
  • 長期的な視点でブランド構築を行い、消費者の心に残るブランドを目指す
  • 定期的な市場調査やアンケートを実施し、ブランドの浸透度を測定

    これらの施策を組み合わせ、継続的に実施することで、第一想起の獲得につながるでしょう。

    まとめ

    今治タオル、かねふく、とらやの成功事例から、カテゴリーで「一番」に想起されるブランドを構築するための重要な要素が見えてきました。

    • 品質への徹底的なこだわり
    • 地域資源や伝統を活かしたブランドストーリー
    • リブランディングによるイメージ刷新
    • 顧客とのエンゲージメントを深めるユニークな戦略
    • 伝統を守りながらも時代のニーズに合わせて変化する柔軟性
    • 顧客との信頼関係を築き、ニーズに応え続ける姿勢

    これらの要素を参考に、あなたのブランドならではの強みを見つけ、No.1ブランドを目指しましょう!

    この記事を書いた人
    tomihey

    14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

    https://user-in.co.jp/
    https://x.com/tomiheyhey

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