指名検索の貢献チャネルを特定する方法|どの施策がブランド想起を生んでいるか見極める実践ガイド - 勝手にマーケティング分析
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指名検索の貢献チャネルを特定する方法|どの施策がブランド想起を生んでいるか見極める実践ガイド

指名検索の貢献チャネルを特定する方法 マーケの応用を学ぶ
この記事は約20分で読めます。

はじめに

「広告予算を増やしているのに、指名検索数がなかなか増えない」「どのチャネルが指名検索に貢献しているのか、正直よく分からない」という悩みを抱えていませんか。

指名検索(ブランド名での検索)は、広告を止めても安定した流入を生み出し、コンバージョン率が一般検索の3〜5倍にもなる「最強の集客資産」です。しかし、テレビCM、YouTube広告、SNS、コンテンツマーケティングなど複数の施策を実施している場合、「どの施策が指名検索の増加に貢献しているのか」を特定するのは簡単ではありません。

本記事では、指名検索への貢献チャネルを特定するための具体的な計測手法と分析フレームワークを解説します。Google Search ConsoleやGoogle アナリティクスといった無料ツールから、サーチリフト計測やアトリビューション分析まで、明日から実践できる方法を網羅的にお伝えします。


指名検索と貢献チャネルの関係|なぜ特定が難しいのか

指名検索が発生するまでの心理プロセス

指名検索は、顧客が「〇〇といえばこのブランド」と認識し、ニーズが発生したときに真っ先にそのブランド名を検索する行動です。この行動が発生するまでには、以下の5段階の心理変容があります。

段階心理状態
認知前課題を明確に認識していない「なんとなく不便だな」
初期認知ブランドと初めて接触「こんなサービスがあるんだ」
興味関心能動的に情報収集「〇〇 口コミ」で検索
信頼形成ブランドへの好意が確立「このカテゴリーなら〇〇」
想起と指名検索第一想起でブランド名を検索「〇〇」で直接検索

この心理変容のどこかで顧客と接触した施策が「貢献チャネル」となりますが、問題は複数のタッチポイントが絡み合っていることです。

貢献チャネル特定が難しい3つの理由

理由1: タイムラグの存在

テレビCMを見てから実際に指名検索するまで、数日から数週間のタイムラグが発生することがあります。この間に別の施策(SNSや記事広告など)にも接触している可能性があり、「どの施策が決定打だったのか」を特定しにくくなります。

理由2: 複数タッチポイントの影響

現代の消費者は、1つの商品やサービスを購入するまでに平均7〜8回の接触を経ると言われています。YouTube広告で認知し、SNSで口コミを見て、比較サイトで検討し、最終的に指名検索する、というように複数チャネルが関与します。

理由3: オフラインとオンラインの断絶

テレビCM、交通広告、イベントなどオフライン施策の効果をオンラインの指名検索と紐づけるのは、追加の計測環境がなければ困難です。

上図のように、複数のチャネルが指名検索に至るまでのジャーニーに関与しています。本記事では、この複雑な関係性を解きほぐし、各チャネルの貢献度を可視化する方法を解説します。


指名検索の貢献チャネルを特定する5つの方法

方法1: Google Search Consoleで指名検索の推移を把握する

最も基本的かつ重要なのは、指名検索数の現状把握です。Google Search Console(GSC)を使えば、自社ブランド名を含むキーワードでの検索パフォーマンスを無料で確認できます。

設定手順

ステップ操作内容確認ポイント
Step 1GSCにログインし「検索パフォーマンス」を開く過去16ヶ月分のデータが確認可能
Step 2「クエリ」タブでブランド名を含むキーワードをフィルタ「〇〇」「〇〇 口コミ」「〇〇 料金」など
Step 3表示回数・クリック数・CTR・掲載順位を確認週次・月次での推移をチェック
Step 4期間比較で増減を分析施策実施時期と照らし合わせる

分析のポイント

GSCで確認すべきは「表示回数」です。クリック数ではなく表示回数を見る理由は、表示回数が「ユーザーがそのキーワードで検索した回数」を示すためです。指名検索数の純粋な増減を把握するには、表示回数の推移を追跡しましょう。

また、特定の施策(テレビCM放映、プレスリリース配信など)の実施日をカレンダーに記録しておき、その前後で表示回数に変化があったかを確認することで、施策と指名検索の相関を分析できます。


方法2: Google アナリティクス 4(GA4)で指名検索ユーザーの過去の接触チャネルを分析する

GA4のOrganic Search(自然検索)には、指名検索(ブランド名での検索)と非指名検索(一般キーワードでの検索)が混在しています。指名検索に貢献したチャネルを特定するには、まず指名検索流入を分離する必要があります。

ここでは、Google Search Console(GSC)とGA4を組み合わせて、「指名検索でサイトに来たユーザーが、過去にどのチャネルで最初に接触していたか」を分析する方法を解説します。


Step 1: GSCで「指名検索のランディングページ」を特定する

まず、指名検索でユーザーがどのページに着地しているかをGSCで確認します。

確認手順

  1. GSCにログインし「検索パフォーマンス」を開く
  2. 「クエリ」タブで自社ブランド名を含むキーワードをフィルタ(例:「〇〇」「〇〇 口コミ」「〇〇 料金」など)
  3. フィルタを適用した状態で「ページ」タブに切り替える
  4. 指名検索クエリでの流入が多いページを確認する

確認結果の例

ページクリック数表示回数指名検索での流入割合
/ (トップページ)8,50045,00085%
/service/1,2006,00072%
/price/8004,50080%
/company/4002,00090%

多くの場合、トップページや価格ページに指名検索流入が集中します。上記の例では、トップページ、価格、会社概要ページが指名検索の主要なランディングページであることがわかります。これらのページへのOrganic流入を「指名検索流入」の近似値として扱います。


Step 2: GA4で「指名検索ランディングページ」へのOrganic流入セグメントを作成する

GSCで特定したページへのOrganic流入をGA4でセグメント化し、そのユーザーの行動を分析します。

セグメント作成手順

  1. GA4の左メニューから「探索」を開き、新しい探索レポートを作成
  2. 「セグメント」の「+」ボタンをクリックし「新しいセグメントを作成」を選択
  3. 以下の条件を設定する
条件設定内容
条件1ランディングページ = /(該当ページのパス)
条件2セッションのデフォルトチャネルグループ = Organic Search
条件の組み合わせAND(両方を満たす)
  1. セグメント名を「指名検索流入(該当ページOrganic)」などわかりやすい名前にして保存

このセグメントにより、該当ページにOrganic Searchで流入したセッション=指名検索流入(近似)を抽出できます。


Step 3: 指名検索ユーザーの「初回接触チャネル」を分析する

作成したセグメントを使って、指名検索で流入したユーザーが最初にサイトに来たときのチャネルを確認します。これにより、「どのチャネルが指名検索のきっかけを作ったか」がわかります。

探索レポートの設定

設定項目設定内容
手法自由形式
セグメントStep 2で作成した「指名検索流入」セグメント
ユーザーの最初のデフォルトチャネルグループ
総ユーザー数

分析結果の例

初回接触チャネルユーザー数構成比解釈
Organic Social2,40032%SNSで最初に認知し、後日指名検索で再訪
Display1,80024%ディスプレイ広告で認知し、後日指名検索で再訪
Paid Search1,50020%リスティング広告で認知し、後日指名検索で再訪
Organic Search1,20016%最初から自然検索で流入(一般KW→指名KWの可能性)
Direct6008%初回からURL直接入力(認知経路不明)

この結果から読み取れること

上記の例では、指名検索で流入したユーザーの32%がSNSを最初の接点としていることがわかります。つまり、SNSが「指名検索を生み出す認知チャネル」として最も貢献していると判断できます。

次いでDisplay広告が24%を占めており、認知施策としてのディスプレイ広告が指名検索につながっていることが確認できます。


Step 4: 時系列で「指名検索を増やしたチャネル」を特定する

さらに深掘りするには、指名検索流入数の増減と各チャネルの施策タイミングを照合します。

探索レポートの設定

設定項目設定内容
手法自由形式
セグメント「指名検索流入」セグメント
週 または 月
ユーザーの最初のデフォルトチャネルグループ
ユーザー数

分析結果の例

Organic SocialDisplayPaid Search指名検索流入合計
10月1,8001,2001,4005,200
11月2,4001,3001,5006,100
12月3,1002,8001,6008,800

施策カレンダーとの照合

実施した施策
11月Instagram広告を新規開始
12月YouTube動画広告を開始、Display配信量を2倍に増加

この照合から、11月のInstagram広告開始後にOrganic Social経由の指名検索ユーザーが増加し、12月のDisplay強化後にDisplay経由の指名検索ユーザーが急増したことがわかります。これにより、各施策と指名検索増加の因果関係を推定できます。


GA4分析のまとめ: 指名検索貢献チャネルを特定する流れ

ステップ作業内容得られる情報
Step 1GSCで指名検索のランディングページを特定指名検索流入の着地点(多くはトップページや価格ページ)
Step 2GA4で該当ページへのOrganic流入をセグメント化指名検索流入ユーザーの抽出
Step 3初回接触チャネルを分析指名検索の「きっかけ」となったチャネル
Step 4時系列×チャネルでクロス分析施策と指名検索増加の因果関係

この分析により、「どのチャネルが指名検索を生み出しているのか」を定量的に把握できます。


方法3: サーチリフト計測で広告の指名検索貢献度を測定する

サーチリフト(Search Lift)とは、広告接触者と非接触者の指名検索行動の差を測定する手法です。主要な広告プラットフォームには、この機能が組み込まれています。

各プラットフォームのサーチリフト計測

プラットフォーム機能名計測内容利用条件
Google広告(動画キャンペーン、デマンドジェネキャンペーン)ブランドリフト調査広告接触による指名検索増加率一定以上の広告出稿量が必要
Meta広告ブランドリフト調査Facebook/Instagram広告の効果専用の調査設計が必要
Yahoo!広告サーチリフト計測Yahoo! JAPANでの検索行動変化一定以上の予算が必要

YouTube広告の疑似指名コンバージョン計測

YouTube広告の効果を簡易的に測定する方法として、疑似指名コンバージョン計測があります。これは、YouTube広告を視聴したユーザーがその後に指名検索経由でサイトに流入した数を追跡する手法です。

実装の考え方は以下の通りです。

  1. YouTube広告用のアカウントと指名検索広告用のアカウントを分離
  2. 指名検索広告のインプレッションシェアを90%以上に維持
  3. YouTube広告配信後の指名検索流入数の増減を計測
  4. 増加分を「YouTube広告の疑似指名CV」としてカウント

この手法を使えば、YouTube広告が指名検索にどの程度貢献しているかを定量的に把握できます。

方法4: テレビCM効果測定で放映と指名検索の相関を分析する

テレビCMは依然として強力な認知獲得手段ですが、デジタル施策と比べて効果測定が難しいという課題があります。最新のツールを活用すれば、CMと指名検索の関係を可視化できます。

テレビCM効果測定の手法

手法内容精度コスト
放映前後の検索数比較CM放映前後数分間の指名検索数を比較
Googleトレンド活用放映期間中の検索トレンドを確認無料
専用ツール利用ノバセルなどで詳細分析
アンケート調査認知経路を直接ヒアリング

指名検索スコアの算出方法

ノバセル社が提唱しているテレビCMの効率を評価する指標として「指名検索スコア」があります。

指名検索スコア = CM放映前後数分間の指名検索増加数 ÷ CM放映量(GRP)

この指標を使えば、異なるクリエイティブや放映枠の効果を比較できます。たとえば、ゴールデンタイムとお昼の時間帯でどちらが効率的に指名検索を獲得できているかを分析できます。

方法5: 顧客アンケートで認知経路を直接把握する

デジタル計測ツールだけでは把握しきれない「認知のきっかけ」は、顧客への直接ヒアリングで補完します。

アンケート設計のポイント

質問タイプ質問例得られる情報
認知経路「当社を知ったきっかけは何ですか?」チャネル別の認知貢献度
検索動機「なぜ当社名で検索しましたか?」指名検索の発生理由
影響要因「購入検討の決め手は何でしたか?」購買意思決定への影響度
接触回数「当社の情報を何回くらい見ましたか?」必要な接触頻度

実施タイミング

タイミング方法メリット
購入完了時サンクスページにアンケート記憶が新鮮、回答率高い
会員登録時登録フォームに質問追加自然な流れで取得可能
定期的なNPS調査メール/SNSで配信詳細なフィードバック取得

以上、指名検索の貢献チャネルを特定するための5つの方法を解説しました。

チャネル別|指名検索への貢献度と測定方法

各チャネルの特性と、指名検索への貢献度を測定する具体的な方法を解説します。

テレビCM・動画広告

貢献の仕組み

テレビCMや動画広告は「認知前→初期認知」の段階で最も効果を発揮します。視覚と聴覚を同時に刺激するため、ブランド名と価値提案を強く印象づけることができます。

測定指標と方法

指標計算式目安値
指名検索リフト率(広告後検索数 - 広告前検索数) ÷ 広告前検索数10〜30%増が目安
検索CPM広告費用 ÷ 指名検索増加数 × 1,000業界により異なる
指名検索スコア指名検索増加数 ÷ GRP高いほど効率的

SNS(Instagram / X / TikTok / Facebook)

貢献の仕組み

SNSは「初期認知→興味関心」の段階で効果を発揮します。特にUGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミは、第三者の評価として信頼性が高く、指名検索のきっかけになりやすい特徴があります。

測定指標と方法

指標計算式測定方法
ブランドメンション数SNS上でのUGC以外のブランド名投稿数ソーシャルリスニングツールで計測
SNS経由の指名検索数SNS接触後の指名検索流入数前述のGA4による可視化方法
UGC投稿数ハッシュタグやブランド名での投稿数各SNSの分析機能

コンテンツマーケティング(ブログ・オウンドメディア)

貢献の仕組み

オウンドメディアは「興味関心→信頼形成」の段階で効果を発揮します。専門的な情報を提供することで、ブランドの専門性と権威性を示し、「このカテゴリーならこのブランド」というプレファレンスを形成します。

測定指標と方法

指標内容測定方法
記事経由のリピート訪問数記事閲覧後に指名検索で再訪した数GA4のユーザーセグメント分析
コンテンツ→指名検索の転換率記事閲覧者のうち指名検索した割合GA4のファネル分析
記事の被リンク・引用数他サイトからの言及数SEOツールで計測

リスティング広告(検索広告)

貢献の仕組み

リスティング広告は「興味関心→想起」の段階で効果を発揮します。一般キーワードでの広告出稿により、ブランドと特定のニーズを結びつける役割を果たします。

測定指標と方法

指標内容測定方法
一般キーワード→指名検索の転換率一般KW流入後に指名検索した割合GA4のセッション分析
指名/非指名の検索比率全検索流入における指名検索の割合GSC + GA4
指名検索広告のインプレッションシェア自社ブランドKWでの広告表示率Google広告レポート

プレスリリース・PR

貢献の仕組み

プレスリリースは「認知前→初期認知」の段階で効果を発揮します。第三者メディアに掲載されることで、客観的な信頼性を獲得し、「このブランドは注目されている」という印象を与えます。

測定指標と方法

指標内容測定方法
配信後の検索数増加PR配信前後の指名検索数比較GSC
メディア掲載数PRが取り上げられたメディア数PRツールのレポート
記事からの流入数メディア記事経由のサイト訪問数GA4のリファラル分析

指名検索貢献度を高めるチャネル戦略

では、実際に指名検索を増加させるためのチャネル戦略はどうしたらいいのでしょうか。

チャネルの役割を明確化する

各チャネルには「認知」「興味関心」「信頼形成」など、得意とするフェーズがあります。チャネルごとの役割を明確化し、顧客ジャーニーの各段階に最適なチャネルを配置することで、効率的に指名検索を増やせます。

ビジネスモデル別の重点チャネル

企業のビジネスモデルによって、効果的なチャネルは異なります。

ビジネスモデル重点チャネル理由
BtoC(高単価)テレビCM、インフルエンサー、SNS感情的価値の訴求が重要
BtoC(低単価)SNS、コンテンツ、リターゲティング接触頻度と利便性が重要
BtoB(SMB向け)コンテンツ、SNS、リスティング教育的コンテンツで専門性を訴求
BtoB(エンタープライズ向け)ウェビナー、ホワイトペーパー、PR長期の信頼構築が必要
D2CSNS、UGC、インフルエンサーコミュニティ形成が重要

売上の方程式で考える指名検索

売上方程式を指名検索に応用すると、どのチャネルに注力すべきかが明確になります。

売上方程式

売上 = 人口 × 認知率 × 配荷率 × エボークトセット率 × 年間購入率 × 購入個数 × 購入頻度 × 購入単価

この方程式の「エボークトセット率」が指名検索に直結します。エボークトセットとは、顧客が何かを購入しようと思ったときに「頭の中で思い浮かべる候補ブランドのリスト」のことです。

指名検索が発生するのは、自社ブランドがこのエボークトセットに入っているからに他なりません。つまり、指名検索を増やすには、エボークトセットに入るための施策に注力する必要があります。

要素貢献するチャネル施策例
認知率の向上テレビCM、YouTube広告、PR大規模リーチで存在を知らせる
エボークトセット入りコンテンツ、口コミ、事例「〇〇といえば」の連想を構築
プレファレンス向上製品体験、カスタマーサクセス期待を超える体験を提供

貢献チャネル分析のKPI設計

中間KPIと最終KPIの設定

指名検索を増やすためのKPIは、「中間KPI」と「最終KPI」の2層で設計しましょう。

最終KPI(成果指標)

KPI計算式目標設定の考え方
指名検索数GSCの表示回数前年同期比または前月比で設定
指名検索シェア指名検索数 ÷ (指名検索数 + 一般検索数)競合とのシェア比較
指名検索経由CVR指名検索経由CV数 ÷ 指名検索流入数一般検索CVRとの比較

中間KPI(プロセス指標)

KPI内容対応チャネル
ブランド認知率アンケートで測定テレビCM、YouTube広告
ブランドメンション数SNSでの言及数SNS、インフルエンサー
コンテンツ閲覧数オウンドメディアのPVコンテンツマーケティング
メディア掲載数PRの掲載実績プレスリリース
口コミ投稿数レビューサイトの投稿数カスタマーサクセス

チャネル別ROIの算出方法

各チャネルの投資対効果を測定するため、以下の計算式を活用します。

指名検索獲得単価(CPA)の算出

指名検索CPA = チャネルへの投資額 ÷ 当該チャネル貢献による指名検索増加数

指名検索経由のLTV換算

指名検索LTV = 指名検索経由CVR × 平均成約率 × 平均顧客単価 × 平均継続期間

指名検索流入の上限CPA

上限CPA = 指名検索LTV × 目標利益率

この上限CPAを基準に、各チャネルへの投資判断を行います。上限CPAよりも実際のCPAが低いチャネルは「投資効率が良い」と判断でき、予算増額の候補となります。


実践ステップ|指名検索の貢献チャネル分析を始める

Step 1: 現状の指名検索数を把握する(1日目)

まずはGoogle Search Consoleで、自社ブランド名を含むキーワードの検索パフォーマンスを確認します。

確認項目見るべきポイント
表示回数過去12ヶ月の推移を確認
クリック数表示回数との乖離がないか
平均CTR60%以上が理想(指名検索の場合)
掲載順位1位を維持できているか

Step 2: 計測環境を整備する(1週間目)

GA4のコンバージョン設定とチャネル分析の準備を行います。

設定項目目的
コンバージョンイベント設定指名検索経由CVを計測
UTMパラメータ設計チャネル別流入を正確に把握
参照元/メディア設定自然検索とペイド検索を分離
オーディエンスセグメント作成指名検索ユーザーをセグメント化

Step 3: 施策カレンダーを作成する(2週間目)

過去と今後の施策をカレンダーに記録し、指名検索数の変動と照合できるようにします。

記録項目内容
施策名テレビCM、プレスリリースなど
実施日・期間開始日と終了日
投資額チャネルごとの予算
想定リーチ接触想定人数
備考クリエイティブ変更などの補足情報

Step 4: 3ヶ月間のデータを収集する(3ヶ月目)

十分なデータを蓄積するため、最低3ヶ月間は継続的に計測を行います。

計測項目頻度ツール
指名検索数週次GSC
チャネル別流入週次GA4
コンバージョン週次GA4
施策実績都度施策カレンダー

Step 5: 貢献度を分析し、予算を再配分する(4ヶ月目以降)

蓄積したデータをもとに、チャネル別の貢献度を分析します。

分析内容方法
施策と指名検索数の相関施策実施前後の検索数比較
チャネル別の貢献度GA4のチャネル分析
投資効率の評価チャネル別CPAの算出
予算再配分の検討貢献度の高いチャネルへ投資増

よくある失敗と対策

失敗1: 指名検索広告を停止してしまう

「指名検索はどうせ自然検索で来るから、広告は不要」と考えて指名検索広告を停止すると、競合に流入を奪われるリスクがあります。

対策

指名検索広告は「守りの施策」として継続しましょう。競合が自社ブランド名で広告を出稿している場合、自社も出稿しておかなければ、本来自社に来るはずだった顧客が競合に流れてしまいます。指名検索広告のクリック単価は一般キーワードの1/10以下と安価なため、費用対効果は非常に高いです。

失敗2: 短期間で効果を判断してしまう

テレビCMを1クール放映して「指名検索が増えなかった」と判断するのは早計です。ブランド認知の形成には時間がかかり、効果が現れるまで数ヶ月かかることもあります。

対策

最低でも3〜6ヶ月のスパンで効果を評価しましょう。また、単発の施策ではなく、継続的な露出によって単純接触効果を高めることが重要です。

失敗3: 単一チャネルに依存してしまう

「YouTubeだけ」「コンテンツだけ」のように、単一チャネルに依存すると、そのチャネルの変化(アルゴリズム変更、競合増加など)に脆弱になります。

対策

複数チャネルを組み合わせ、顧客ジャーニーの各段階をカバーする「チャネルミックス」を設計しましょう。特に、認知フェーズと信頼形成フェーズでは、異なる特性を持つチャネルを配置することが効果的です。

失敗4: オフライン施策の効果を無視してしまう

デジタルで計測しやすい施策だけに注目し、テレビCMや交通広告などオフライン施策の効果を過小評価してしまうケースがあります。

対策

オフライン施策の効果は、放映・掲載タイミングと指名検索数の相関分析や、顧客アンケートで補完しましょう。完璧な計測はできなくても、「傾向」を把握することは可能です。


セルフチェックリスト|指名検索の貢献チャネル分析

自社でトライする際には、以下のチェックリストで、自社の分析体制を確認しましょう。

チェック項目状況優先度
Google Search Consoleで指名検索数を定期的に確認している□ できている / □ できていない最優先
GA4でチャネル別のアトリビューションを分析している□ できている / □ できていない
施策カレンダーを作成し、指名検索数と照合している□ できている / □ できていない
顧客アンケートで認知経路を把握している□ できている / □ できていない
チャネル別のROIを算出している□ できている / □ できていない
指名検索広告を継続的に出稿している□ できている / □ できていない
複数チャネルを組み合わせたチャネルミックスを設計している□ できている / □ できていない

まとめ|指名検索の貢献チャネルを特定し、投資効率を最大化する

本記事では、指名検索の貢献チャネルを特定するための5つの方法と、チャネル別の測定手法、KPI設計の考え方を解説しました。

Key Takeaways

ポイント内容実践アクション
指名検索は複数チャネルの累積効果単一施策ではなく、複数タッチポイントの組み合わせで発生するチャネル別にGAで分析を実施
計測は「表示回数」を基準にクリック数ではなく、GSCの表示回数で純粋な検索数を把握GSCで週次の指名検索数推移を追跡
サーチリフト計測を活用Google・Meta・Yahoo!の広告効果を可視化できる主要広告プラットフォームでリフト計測を設定
オフライン効果も見逃さないテレビCM・交通広告は認知獲得に大きく貢献する放映タイミングと検索数の相関を分析
3ヶ月以上のスパンで評価ブランド認知形成には時間がかかる短期的な判断を避け、中長期で効果を評価

Next Action

  1. 今日から: Google Search Consoleで過去12ヶ月の指名検索数推移を確認する
  2. 今週中に: GA4のチャネル分析を設定し、チャネル別の貢献度を把握する
  3. 今月中に: 施策カレンダーを作成し、過去の施策と指名検索数の変動を照合する

指名検索への貢献チャネルを特定できれば、「効果のある施策に予算を集中させる」という戦略的な意思決定が可能になります。まずは現状把握から始め、データドリブンなチャネル戦略を構築していきましょう。


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本記事で触れた概念やフレームワークについて、より詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

指名検索の顧客ジャーニーを理解する

マーケティングフレームワークを学ぶ


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この記事を書いた人
tomihey

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マーケティング領域で14年間約200ブランド以上に関わってきました。

■本ブログの内容
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