はじめに
多くのマーケターやビジネスパーソンが直面する課題の一つに、自社製品やサービスが市場で選ばれる理由を明確に理解し、その成功を再現することがあります。本記事では、日本のドラッグストア業界のリーダーであるマツモトキヨシを例に、ブランドが顧客に選ばれる理由を分析し、そこから得られるマーケティングの洞察を提供します。
この記事を読むことで、以下のメリットが得られます:
- 成功企業の戦略分析手法を学ぶ
- 市場での差別化要因を特定する方法を理解する
- 顧客ロイヤルティを構築するための重要な要素を把握する
マツモトキヨシとは

マツモトキヨシは、1932年に創業された日本を代表するドラッグストアチェーンです。医薬品、化粧品、日用品などを幅広く取り扱い、全国に多数の店舗を展開しています。2021年に競合のココカラファインと経営統合し、ドラックストア業界でリーダーポジションでいる企業です。
- 企業名:株式会社マツキヨココカラ&カンパニー
- 本社所在地:千葉県松戸市
- 創業:1932年
- 上場:東京証券取引所プライム市場
- 公式サイト:https://www.matsukiyococokara-online.com/store/
最新の通期売上の分析
株式会社マツキヨココカラ&カンパニーの2024年3月期の決算概要と主な業績は以下の通りです:
決算概要
- 売上高:1兆225億円(前年同期比7.5%増)
- 営業利益:757億円(前年同期比21.6%増)
- 経常利益:804億円(前年同期比20.7%増)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:523億円(前年同期比29.1%増)
業績のポイント
- 売上高は前年比7.5%増の1兆225億円となり、初めて1兆円を突破しました。
- 営業利益率は7.4%と、前年同期の6.5%から0.9ポイント改善しました。
- マツモトキヨシグループ事業の営業利益率は8.2%(前年同期比0.9ポイント増)、ココカラファイングループ事業は5.6%(前年同期比0.5ポイント増)と、両事業とも増益となりました。

また内訳を見るとマツキヨとしての売り上げは約6000億円でした。管理サポート事業とはグループ内の発注であり、売り上げとしては6000億ありますが、実際は調整され相殺させています。
また店舗数はこちらの通りで単体では約1900店舗、グループでは約3500店舗でした。

出典:株式会社マツキヨココカラ&カンパニー 2024年3月期 決算説明資料
成長要因
- インバウンド需要の回復:新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、都市部の人流やインバウンド需要が徐々に回復し、化粧品や医薬品を中心に好調に推移しました。
- 経営統合シナジー:継続的に取り組んでいるプライベートブランド商品の拡販や経費コントロールの徹底、適正売価や販促施策の見直しなどの各種施策が両グループで奏功しました。
- デジタル戦略の強化:デジタル会員数が2,350万人に達し、顧客接点数は1億4,800万接点まで増加しました。
- プライベートブランド商品の拡大:PB商品の売上構成比は13.0%となり、前期比0.3ポイント増加しました。
今後の展望
- 2025年3月期の連結業績予想では、売上高1兆500億円(前期比2.7%増)、営業利益775億円(前期比2.4%増)を見込んでいます。
- 中長期的には、グループ売上高1.5兆円、営業利益率7.0%を目指しています。
- デジタル戦略の更なる強化や調剤事業の拡大、プライベートブランド商品の開発強化、海外事業の拡大などを通じて、さらなる成長を目指しています。
この決算結果は、経営統合後のシナジー効果や戦略的な施策の成果が表れており、マツキヨココカラ&カンパニーの持続的な成長を示しています。
これらの数字から、マツモトキヨシは業界内で重要なプレイヤーの一つであることがわかります。
次にマツモトキヨシ単体の売り上げ6000億円を分解してみましょう。
売上を分解
マツモトキヨシ単体の売上約6000億円を分解して推定し、その理由を考察してみましょう。
売上 = 人口 × 認知率 × 配荷率 × 該当カテゴリーの過去購入率 × エボークトセットに入る率 × 年間購入率 × 1回あたりの購入個数 × 年間購入頻度 × 購入単価
推定値:
- 人口: 1億2600万人
- 認知率: 95%
- 配荷率: 15%(全国約1900店舗)
- 該当カテゴリーの過去購入率: 80%
- エボークトセットに入る率: 50%
- 年間購入率: 90%
- 1回あたりの購入個数: 2個
- 年間購入頻度: 10回
- 購入単価: 2,000円
計算結果:
1.26億×0.95×0.15×0.8×0.5×0.9×2×10×2000=5,896.8億円
この推定値は約5,897億円となり、目標の6,000億円に近い数値となっています。
- 人口: 日本の総人口を使用しています。マツモトキヨシは全国展開しているため、潜在的な顧客ベースとして全人口を考慮しています。
- 認知率: 95%と高く設定しています。マツモトキヨシは日本の大手ドラッグストアチェーンであり、多くの日本人に知られているためです。テレビCMや駅前立地など、ブランド認知度が高いことが強みと言えるでしょう。
- 配荷率: 15%と設定しました。全国に約1900店舗あるという情報から、人口に対する店舗のカバー率を推定しています。
- 該当カテゴリーの過去購入率: 80%と高めに設定しています。ドラッグストアで扱う商品(医薬品、化粧品、日用品など)は日常的に必要とされるものが多いためです。
- エボークトセットに入る率: 50%と設定しました。マツモトキヨシのブランド力や都市部や繁華街に多く出店しており、立地の良さから、消費者の選択肢に入りやすいと考えられます。
- 年間購入率: 90%と高く設定しています。日用品や医薬品などの必需品を扱っているため、一度利用した顧客が再度利用する可能性が高いためです。
- 1回あたりの購入個数: 2個と控えめに設定しました。ドラッグストアでは必要な物を必要な分だけ購入する傾向があるためです。クロスセリングやバンドル販売の強化、顧客のニーズに合わせた商品提案を行うことで、1回の購入における商品数を増やす余地があります。
- 年間購入頻度: 10回(およそ月に1回弱)と設定しました。日用品や化粧品の補充、季節の変わり目での医薬品購入などを考慮しています。デジタル戦略の強化やオムニチャネル化を進めることで、顧客の購入機会を増やし、リピート率を向上させることができるでしょう
- 購入単価: 2,000円と設定しました。医薬品や化粧品など、比較的単価の高い商品も扱っていることと、プライベートブランド商品の開発にも注力しているため、一般的なコンビニエンスストアなどよりも高めの単価を想定しています。
各パラメーターは非常に優秀であり、だからこその業界No1の売上であると言えますが、まだ改善できるポイントも残っていることも伺えます。特に、デジタル戦略の強化や顧客データの活用、プライベートブランド商品の拡充などに注力することで、さらに競争力を高めることができるでしょう。
マツモトキヨシが戦う市場のPOP/POD/POF分析
続いて、マツモトキヨシが戦うドラッグストア市場におけるPOP/POD/POF分析をしていきます。
POP (Points of Parity)
POPは業界標準や顧客の最低期待を満たす要素です。マツモトキヨシを含むドラッグストア業界のPOPは以下の通りです:
- 幅広い商品ラインナップ
- 医薬品、化粧品、日用品など多様な商品カテゴリーを取り扱う
- 顧客の日常生活に必要な商品を一箇所で購入できる利便性を提供
- 競争力のある価格設定
- 大量仕入れによる低価格商品の提供
- 定期的な割引やセールの実施
- 便利な立地
- 駅前や繁華街など、アクセスしやすい場所への出店
- 長時間営業による利便性の確保
- 基本的な接客サービス
- 商品の場所案内や基本的な商品説明ができるスタッフの配置
- ポイントカードシステム
- 顧客の購買意欲を高めるロイヤリティプログラムの提供
- 清潔で整理された店内環境
- 商品を探しやすく、快適に買い物ができる店舗設計
POD (Points of Difference)
PODは競合と差別化できる独自の強みです。マツモトキヨシの主なPODは以下の通りです:
- 強力なプライベートブランド(PB)戦略
- 「matsukiyo」ブランドの展開と高い認知度
- PB商品の売上構成比が12.9%と業界トップクラス
- 化粧品・美容商品の強化
- 化粧品売上比率が競合他社と比べて高い
- 美容に特化した「BeautyU」などの専門店舗の展開
- 都市型店舗戦略
- 都市部や繁華街に多く出店し、利便性の高い立地を確保
- デジタル戦略の推進
- 顧客データを活用したパーソナライズされたマーケティング
- アプリを通じたクーポン配信や会員サービスの強化
- ユニークな商品開発
- 「EXSTRONGエナジードリンク」など、話題性のある商品の開発
- ブランドイメージの強化
- 「Find Your"!" (wow)」というグループスローガンに基づく驚きや喜びを提供する商品開発
POF (Points of Failure)
POFは顧客満足を損なう可能性のある弱点です。マツモトキヨシを含むドラッグストア業界のPOFには以下が挙げられます:
- 調剤併設率の低さ
- 競合他社と比較して調剤薬局の併設率が低い
- 人材不足と接客品質の不安定さ
- アルバイトスタッフの対応に関する顧客からの不満
- 専門知識を持つスタッフの確保が困難
- 店舗の混雑と狭さ
- 特に都市部の店舗における通路の狭さや混雑による不便さ
- オンライン販売の遅れ
- ECサイトの躍進に対する対応の遅れ
- 食品カテゴリーの弱さ
- 競合他社と比較して食品の品揃えが限定的
- 地方や郊外エリアでの展開の弱さ
- 都市型店舗戦略による地方でのカバレッジの低さ
この分析から、マツモトキヨシは都市型店舗戦略とPB商品の強化、化粧品カテゴリーでの優位性を活かしつつ、調剤併設率の向上や食品カテゴリーの強化、オンライン販売の拡大などの課題に取り組むことで、さらなる競争力の向上が期待できます。
マツモトキヨシが戦う市場のPESTEL分析
続いて、ドラッグストア市場を取り巻く環境要因を分析します。
要因 | 機会 | 脅威 |
---|---|---|
政治的(Political) | - 健康日本21の推進による健康意識の向上 - 医薬品販売規制の緩和によるビジネス機会の拡大 | - 薬事法の厳格化による販売制限 - 市販薬濫用に関する規制強化 |
経済的(Economic) | - インバウンド需要の回復 - 健康関連支出の増加 | - 物価上昇による消費者の購買力低下 - 景気後退による消費減退 |
社会的(Social) | - 高齢化社会の進展による医薬品需要の増加 - 健康志向の高まりによる健康食品市場の拡大 | - 少子化による市場縮小 - ライフスタイルの変化による購買行動の変化 |
技術的(Technological) | - AIやIoTの活用によるパーソナライズドサービスの提供 - デジタル技術を活用した顧客データ分析 | - Eコマースの台頭による実店舗の競争力低下 - 新技術導入に伴う投資コストの増加 |
環境的(Environmental) | - 環境配慮型商品への需要増加 - エコフレンドリーな店舗運営による企業イメージ向上 | - 環境規制の強化によるコスト増 - プラスチック削減の取り組みによる包装コストの上昇 |
法的(Legal) | - オンライン診療の拡大による医薬品販売機会の増加 - 健康保険制度の改革による新たなビジネスモデルの可能性 | - 個人情報保護法の強化によるデータ活用の制限 - 労働法制の変更による人件費の上昇 |
この分析から、マツモトキヨシは高齢化社会や健康志向の高まりといった社会的要因を機会として捉え、デジタル技術を活用したパーソナライズドサービスの提供や環境配慮型商品の拡充などで差別化を図ることが重要だと考えられます。一方で、Eコマースの台頭や規制強化などの脅威に対しては、実店舗の強みを活かしたオムニチャネル戦略の推進や、コンプライアンス体制の強化が求められるでしょう。
マツモトキヨシのSWOT分析と戦略
マツモトキヨシの強み、弱み、機会、脅威を分析し、それに基づく戦略を考察します。
マツモトキヨシのSWOT分析と戦略について、より詳細にまとめました。
SWOT分析
強み (Strengths)
- 都市部を中心とした優良な立地
- 強力なプライベートブランド(PB)商品ラインナップ
- PB商品の売上構成比が12.9%と業界トップクラス
- 高い認知度とブランドイメージ
- 豊富な品揃えと専門知識を持つスタッフ
- 効率的なサプライチェーン管理システム
- インバウンド需要への対応力
- 先進的なデジタルマーケティング戦略
- 化粧品・美容商品の強化
- 化粧品売上比率が競合他社と比べて高い
弱み (Weaknesses)
- 地方エリアでの店舗網の相対的な弱さ
- 食品カテゴリーの品揃えが競合と比べて少ない
- 高コスト構造(都市部中心の出店戦略による)
- オンライン販売の比率が相対的に低い
- 若年層への訴求力が相対的に弱い
- 調剤薬局併設店舗の数が競合と比べて少ない
- 海外展開の遅れ
機会 (Opportunities)
- 健康志向の高まりによる健康食品市場の拡大
- 高齢化社会の進展による医薬品需要の増加
- デジタル技術を活用したパーソナライズドサービスの提供
- 環境配慮型商品への需要増加
- オンライン診療の拡大による医薬品販売機会の増加
- インバウンド需要の回復
脅威 (Threats)
- ドラッグストア業界の競争激化
- Eコマースの台頭による実店舗の競争力低下
- 少子化による市場縮小
- 薬事法の厳格化による販売制限
- 景気後退による消費減退
- 人件費や地代家賃の上昇
- 環境規制の強化によるコスト増
戦略
- PB商品の強化と拡大
- 「EXstrong」シリーズなど、消費者の目を引く商品開発
- 高品質・高付加価値の美容・健康関連商品の開発
- 都市型店舗戦略の継続
- 女性客やインバウンド需要の取り込み強化
- 「BeautyU」など専門店舗の展開
- デジタル戦略の推進
- アプリを通じたパーソナライズされたマーケティング
- オムニチャネル戦略の強化
- 健康・美容サービスの拡充
- 「matsukiyo LAB」などのカウンセリングサービス強化
- 専門知識を持つスタッフの育成
- 調剤事業の拡大
- 調剤併設店舗の増加
- オンライン診療との連携
- 環境配慮型商品の開発・販売強化
- エコフレンドリーな商品ラインナップの拡充
- 環境に配慮した店舗運営
- 海外展開の検討
- アジア市場を中心とした出店戦略の策定
- コスト管理の徹底
- KPIを活用した経営管理の継続
- 不採算店舗の見直し
これらの戦略を実行することで、マツモトキヨシは強みを活かし、弱みを克服しつつ、市場機会を捉え、脅威に対応することができると考えられます。特に、デジタル戦略とPB商品の強化、健康・美容サービスの拡充に注力することで、競合他社との差別化を図り、持続的な成長を実現することが期待できます。
マツモトキヨシの購入者の合理(オルタネイトモデル)
マツモトキヨシの顧客行動を複数のパターンで分析します。
パターン1:日用品の定期購入
- 行動:週末にマツモトキヨシで日用品を購入
- きっかけ:家庭用品の在庫切れ
- 欲求:便利で安価な買い物体験
- 抑圧:時間的制約、予算の制限
- 報酬:ポイント還元、割引特典
パターン2:美容商品のこだわり購入
- 行動:新商品や話題の美容アイテムを購入
- きっかけ:SNSやメディアでの商品紹介
- 欲求:自己表現、美への投資
- 抑圧:高価格、効果への不安
- 報酬:美容効果、周囲からの評価
パターン3:健康管理のための医薬品購入
- 行動:風邪薬や栄養補助食品の購入
- きっかけ:体調不良、予防意識
- 欲求:健康維持、快適な生活
- 抑圧:副作用への不安、医療費の負担
- 報酬:症状の改善、安心感
マツモトキヨシのWho/What/How分析
最後に、マツモトキヨシの顧客像、提供価値、提供方法を複数のパターンで分析します。
パターン1:都市部の働く女性向け
「美と健康を追求する都会のキャリア女性」
項目 | 内容 |
---|---|
Who(誰) | 25-45歳の都市部で働く女性 |
Who(JOB) | 美容と健康の両立、時間効率の良い買い物、自己投資としての美容ケア |
What(便益) | 高品質な美容製品と健康サポート商品の提供、時間を節約できるワンストップショッピング |
What(独自性) | 豊富な品揃えと専門的なアドバイス、都市部の利便性の高い立地 |
How(プロダクト) | 高級化粧品ブランド、マツキヨPB商品(matsukiyo LABなど)、健康食品、サプリメント |
How(コミュニケーション) | SNSマーケティング、美容セミナーやイベントの開催、アプリを通じたパーソナライズされた情報提供 |
How(場所) | 駅近、オフィス街の店舗、オンラインストア、アプリ内のバーチャル試着サービス |
How(価格) | 中~高価格帯の商品ラインナップ、ポイント還元システム、定期的なセールやキャンペーン |
パターン2:健康志向のシニア層向け
「アクティブシニアの健康生活をサポート」
項目 | 内容 |
---|---|
Who(誰) | 60歳以上の健康意識の高いシニア層 |
Who(JOB) | 健康維持と疾病予防、生活の質の向上、活動的なライフスタイルの維持 |
What(便益) | 健康食品、医薬品、介護用品の提供、健康管理に関する情報とアドバイス |
What(独自性) | 専門知識を持つスタッフによる丁寧なアドバイス、幅広い健康関連商品の品揃え |
How(プロダクト) | サプリメント、健康食品、処方箋対応の医薬品、介護用品、生活サポート商品 |
How(コミュニケーション) | 健康セミナーや相談会の開催、地域イベントへの参加、わかりやすい商品説明とPOP |
How(場所) | 住宅地近くの大型店舗、バリアフリー設計の店内、宅配サービス |
How(価格) | 適正価格の設定、シニア向け割引やポイント還元、長期使用を考慮した価格戦略 |
パターン3:訪日外国人向け
「日本の美と健康を世界に」
項目 | 内容 |
---|---|
Who(誰) | 日本を訪れる外国人観光客(20-50代の幅広い年齢層) |
Who(JOB) | 日本製品の購入、お土産探し、日本の美容・健康文化の体験 |
What(便益) | 日本製の高品質商品の提供、免税サービス、日本独自の美容・健康商品の体験 |
What(独自性) | インバウンド対応の充実(多言語対応など)、日本限定商品の取り扱い |
How(プロダクト) | 日本製化粧品、医薬品(目薬、パップ剤など)、日本独自の健康食品 |
How(コミュニケーション) | 多言語対応アプリ、SNS広告(WeChat、Instagramなど)、空港や観光地での広告 |
How(場所) | 観光地近くの大型店舗、空港内の店舗、多言語対応のオンラインストア |
How(価格) | 免税対応、海外決済対応(UnionPay、Alipayなど)、観光客向けの特別セット商品 |
パターン4:日用品の買い物客向け
「便利で安心な毎日の買い物パートナー」
項目 | 内容 |
---|---|
Who(誰) | 20-60代の幅広い年齢層の一般消費者、特に主婦層や単身世帯 |
Who(JOB) | 日用品の効率的な購入、家計の管理、生活の質の維持 |
What(便益) | 幅広い日用品の品揃え、適正価格での提供、便利な立地での買い物 |
What(独自性) | プライベートブランド商品の充実、ポイント還元システム、季節に応じた品揃え |
How(プロダクト) | 日用雑貨、トイレタリー用品、OTC医薬品、食品、家庭用品 |
How(コミュニケーション) | チラシ広告、テレビCM、アプリでのクーポン配信、店頭POP |
How(場所) | 住宅地近くの店舗、駅前立地、コンビニエンスストア併設型店舗 |
How(価格) | 競争力のある価格設定、定期的なセール、まとめ買い割引 |
マツモトキヨシは都市部の働く女性、健康志向のシニア層、訪日外国人、日常使いなど、各セグメントに対して的確なWho/What/Howを設定し、オルタネイトモデルを用いて顧客の行動を深く理解することで、効果的なマーケティング戦略を実現しています。
結論:マツモトキヨシは誰になぜ選ばれるのか
マツモトキヨシは、以下の理由から幅広い顧客層に選ばれています:
- 利便性:都市部を中心とした好立地と長時間営業
- 品揃え:日用品から美容品、医薬品まで幅広い商品ラインナップ
- 専門性:美容部員や薬剤師による専門的なアドバイス
- 価格競争力:プライベートブランド商品の展開や割引セール
- ロイヤルティプログラム:ポイントカードによる還元
これらの要素が組み合わさることで、顧客のニーズに応え、リピート購入を促進しています。
まとめ
- 顧客セグメントを明確に定義し、各セグメントのニーズに合わせた商品・サービスを提供する
- 立地戦略と品揃えの最適化により、顧客の利便性を高める
- 専門知識を持つスタッフの配置で、付加価値の高いサービスを提供する
- プライベートブランド商品の開発で、価格競争力と差別化を図る
- ポイントプログラムなどで顧客ロイヤルティを構築する
- オンラインとオフラインの統合により、シームレスな顧客体験を創出する
これらの戦略を自社のビジネスに適用することで、顧客に選ばれる理由を明確にし、持続的な成長を実現することができるでしょう。