【実践ガイド】マーケ・営業が目標未達の時に考える6つの根本原因と対策を完全解説 - 勝手にマーケティング分析
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【実践ガイド】マーケ・営業が目標未達の時に考える6つの根本原因と対策を完全解説

マーケ・営業が 毎月未達になっている企業へ マーケの応用を学ぶ
この記事は約30分で読めます。

はじめに|施策を打っても数字が動かない本当の理由

「広告費を2倍にしたのに、問い合わせは1.2倍しか増えない」 「営業メンバーを増やしたのに、受注数が比例して増えない」 「新機能をリリースしても、解約率が下がらない」

あなたは今、こんな状況に直面していませんか?

マーケティングや営業の現場では、日々さまざまな施策を実行しています。SEO対策、Web広告、コンテンツマーケティング、展示会、テレアポ、インサイドセールス――やるべきことは山ほどあり、実際に実行もしている。それなのに、なぜか事業の目標達成が見えてこない。

実は、この状況に共通する本質的な問題があります。それは、「施策の量や質」以前の、もっと根本的なところに原因があるということです。

例えば、こんな企業を見たことはありませんか?

  • スタートアップA社:「まだ顧客が本当に価値を感じているか分からないけど、とりあえず広告出稿して認知を取ろう」
  • SaaS企業B社:「ターゲットは中小企業全般。1名〜1000名の企業ならどこでも使えるはず」
  • 製造業C社:「競合との違い? うちは品質が良いです。あと、価格もまあまあ安いです」
  • EC企業D社:「年間売上目標は1億円。えっと、だから...月間何件受注すればいいんだっけ?」

これらは全て、根本的な戦略が不明確なまま、施策だけを実行している状態です。そして、残念ながらこうした企業は決して珍しくありません。

本記事では、「施策を打っても目標達成が見えない」という状況を生み出す6つの根本原因を特定し、それぞれに対する具体的な診断方法と改善ステップを解説します。

根本原因典型的な症状ビジネスへの致命的影響
1. PMF未達での投資先行顧客の反応が薄いのに広告を増やす投資対効果が極端に悪化、資金が尽きる
2. Whoが曖昧・広すぎる「誰でも使える」がターゲットリソース分散、誰にも刺さらない
3. Whatの独自性が不明確「なぜうちを選ぶのか」が説明できない価格競争に巻き込まれる
4. KGIからKPIへの逆算不足目標売上に対して非現実的なKPIになっている、何をすべきか分からない的外れな施策に時間を浪費
5. ボトルネック特定の欠如どこを改善すべきか優先順位がない効果の薄い施策に投資してしまう
6. Howの量・質・PDCA不足施策が少ない、施策を適切に回すスキルがない、施策をやりっぱなし改善サイクルが回らない

この記事を読み終える頃には、あなたは自社がどの根本原因に該当するのかを診断でき、明日から何をすべきかが明確になっているはずです。

それでは、まず現状を正確に診断するところから始めましょう。


あなたのビジネスはどこでつまずいているのか|6つの根本原因診断

まず、あなたのビジネスが6つの根本原因のうち、どれに該当するのかを診断しましょう。以下のチェックリストに正直に答えてください。

診断チェックリスト

No診断質問はいいいえ該当する根本原因
1既存顧客の継続率が80%未満、もしくはNPS(推奨度)がマイナスであるPMF未達
2「なぜこの商品を使い続けるのか」を既存顧客に聞いても、明確な答えが返ってこないPMF未達
3広告やセールスで獲得したリードの平均商談化率が20%未満であるPMF未達 or Who曖昧
4ターゲットを「中小企業」「30-40代」など広いカテゴリーでしか定義していないWho曖昧
5ターゲットの具体的な「困りごと」「使用シーン」を5W1Hで説明できないWho曖昧
6競合と比較して「なぜうちを選ぶのか」の独自性を挙げられないWhat不明確
7価格以外の差別化要素がない、もしくは「高品質」などの抽象的な表現しか使えないWhat不明確
8年間目標売上に対して、月間のリード・商談・受注の目標が非現実的KPI逆算不足
9「認知率」「配荷率」「購入率」などの要素のうち、どこがボトルネックか分からないボトルネック不明
10月間の新規施策が3つ未満、もしくは施策の効果測定をしていないHow不足
11施策の実行記録やPDCAログが残っていないHow不足
12マーケと営業で週次のデータレビューミーティングがないHow不足

診断結果の見方:

該当パターン緊急度取り組むべき順序
Q1-3で2つ以上「はい」★★★緊急まずPMF確認。達成までマーケ投資は最小限に
Q4-5で1つ以上「はい」★★高Who再定義→Whatの磨き込み
Q6-7で1つ以上「はい」★★高What再定義→独自性の明確化
Q8-9で1つ以上「はい」★中KPI逆算とボトルネック特定
Q10-12で1つ以上「はい」★中How改善とPDCA体制構築
全て「いいえ」現状の精度を上げる微調整

ここから先は、あなたの診断結果に応じて、該当するセクションから読み進めてください。ただし、PMF未達の可能性がある場合は、必ず次のセクションから読んでください。


根本原因1:PMF未達なのに集客・営業投資を先行している|最も致命的な間違い

PMF(プロダクトマーケットフィット)とは何か

PMFとは、「正しい顧客に、正しい価値を、正しい方法で届けている状態」のことです。もっと端的に言えば、「顧客が本当に価値を感じて、お金を払い続け、他人に勧めたくなる状態」です。

多くの企業が犯す最大の過ちは、PMFを達成する前に、大規模な集客や営業投資を始めてしまうことです。これは、穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるようなものです。

PMF達成度の診断方法

以下の指標で、あなたのビジネスのPMF達成度を診断してください。

指標PMF達成の基準あなたのビジネス判定
リテンション率
(継続率)
BtoB SaaSなら月次90%以上
BtoCサブスクなら80%以上
%/月☐達成
☐未達
NPS
(推奨者スコア)
+30以上
(推奨者%-批判者%)
☐達成
☐未達
オーガニック成長率新規の20%以上が紹介・口コミ経由%☐達成
☐未達
顧客の言語化能力「なぜ使うのか」を顧客が明確に説明できる☐できる ☐できない☐達成
☐未達
解約理由「機能不足」ではなく「予算」「使わなくなった」が主主な理由:☐達成
☐未達

判定:

  • 5つ中4つ以上達成:PMF達成済み。次のステップへ
  • 5つ中2-3つ達成:PMF途上。改善しながら慎重に投資
  • 5つ中0-1つ達成:PMF未達。投資を止めて、PMF確立に集中

PMF未達なのに投資している企業の典型パターン

パターン1:「まず認知を取らないと」という罠

状況間違った判断正しいアプローチ
既存顧客50社の継続率60%、NPS-10「顧客が少ないから価値が見えないだけ。広告で1000社に増やそう」「まず50社が本当に価値を感じる状態を作る。継続率90%を目指す」

パターン2:「営業を増やせば売れるはず」という誤解

状況間違った判断正しいアプローチ
商談化率15%、成約率10%「営業メンバーを5名→10名に増やして、商談数を2倍にする」「なぜ85%が商談化しないのか原因を特定。PMFを磨いてから拡大」

パターン3:「機能を増やせば解約が減る」という勘違い

状況間違った判断正しいアプローチ
解約理由「使いこなせない」「効果が見えない」「機能が足りないのだ。開発チームを増やしてロードマップを加速」「既存機能で顧客が成功する体験を設計。オンボーディング改善」

PMF確立のための4ステップ

ステップ1:既存顧客の深掘りインタビュー(1-2週間)

質問項目目的良い回答の例危険な回答の例
導入前、どんな課題がありましたか?JOBの特定「営業データがバラバラで、受注予測が全く立たなかった」「特に困ってなかったけど、安かったので」
代替手段は何を検討しましたか?競合理解「Salesforce、HubSpot、Excelの3つ」「特に何も」
なぜ弊社を選びましたか?独自性の発見「中小企業でも使いこなせるUI。導入支援が手厚い」「たまたま営業が来たから」
使い続ける理由は何ですか?提供価値の確認「受注予測の精度が上がり、在庫ロスが30%減った」「特にないけど、まあ使ってます」
他の人に勧めますか?なぜ?NPS深掘り「絶対勧める。同じ課題を持つ人が多いから」「うーん、人による」

実施方法:

  • 対象:既存顧客の中で、最も長く使っている上位10社
  • 方法:1社あたり30-60分のZoomインタビュー
  • 実施者:経営層またはプロダクト責任者が直接行う

ステップ2:理想的な顧客像(ICP)の特定(3-5日)

インタビュー結果から、「最も価値を感じている顧客」の共通点を抽出します。

分析項目抽出方法アウトプット例
属性の共通点継続率90%以上の顧客の属性を並べる「従業員30-100名、営業部門5-15名、SFA未導入または不満あり」
課題の共通点インタビューの「導入前の課題」を整理「Excelでの営業管理に限界。受注予測が経験と勘。情報共有できない」
成功パターンの共通点「なぜ使い続けるか」の回答を分類「導入3ヶ月で受注予測の精度向上を実感。商談データの蓄積で営業ノウハウが共有できた」

ステップ3:プロダクトの価値を再定義(1週間)

再定義項目現状(悪い例)改善後(良い例)
Who「中小企業の営業部門」「従業員30-100名で、Excelでの営業管理に限界を感じている営業マネージャー」
JOB「営業管理の効率化」「属人化した営業ノウハウを組織の資産にして、受注予測精度を上げたい」
提供価値「使いやすいSFA」「3ヶ月で受注予測精度30%向上。営業の暗黙知を可視化・共有できる」
独自性「中小企業向け」「中小企業でも使いこなせるシンプルなUI。専属の導入支援担当が伴走」

ステップ4:PMF検証と改善(継続的)

検証指標測定頻度目標値達成したら次のアクション
リテンション率月次90%以上既存顧客の成功事例を言語化
NPS四半期+30以上推奨者に紹介プログラムを提案
オンボーディング完了率週次80%以上オンボーディングプロセスを標準化
Time to Value月次初回価値実感まで30日以内価値実感までの期間を短縮する施策

PMF達成前と達成後のマーケ・営業戦略の違い

項目PMF達成前PMF達成後
集客投資最小限(月10-30万円程度)積極的(ROI見ながら拡大)
ターゲットICP(理想的顧客)のみICPから周辺セグメントへ拡大
KPI継続率、NPS、顧客の成功指標新規獲得数、MRR成長率
営業体制創業者・PMが直接対応営業チーム拡大
セールス手法コンサルティング型、丁寧にフィット確認標準化されたセールスプロセス
優先順位既存顧客の成功>新規獲得新規獲得=既存顧客の成功

重要な原則:

PMF達成前に大規模投資をすると、「間違った顧客」に「間違った価値」を売り込むことになり、資金と時間を浪費します。まず10-50社に深く刺さる状態を作り、そこから拡大しましょう。


根本原因2:Who(ターゲット)が曖昧・広すぎる|「誰でも」は「誰にも」刺さらない

PMFの確認が終わったら(もしくはPMFが達成できている場合)、次に見るべきはWho、つまりターゲット定義です。

「ターゲットが広い」ことの3つの致命的デメリット

デメリット具体的な影響ビジネスへの損失
リソースの分散あらゆるセグメントに対応しようとして、全てが中途半端になるマーケ予算の60%以上が無駄に。誰の心にも響かない
メッセージの希薄化万人向けのメッセージは、特定の誰かの課題に刺さらない広告のCTR、CVRが業界平均の1/3以下
競合との差別化不全「誰にでも」は競合も同じ。価格競争に巻き込まれる利益率が年々低下。値引き前提の商談に

Whoが曖昧な企業の典型的パターン

パターン曖昧な定義の例なぜ問題なのか正しい定義の例
デモグラ頼み「30-40代の会社員」同じ年代でも課題は全く違う。響くメッセージも違う「35-42歳、営業マネージャー、5-10名のチームを管理、Excelでの進捗管理に限界を感じている」
業界だけ指定「製造業向け」製造業の中でも規模・課題・予算が千差万別「従業員100-500名の部品メーカー、多品種少量生産、在庫最適化が課題」
売上規模だけ「年商10-50億円の企業」売上規模が同じでも、組織構造や意思決定プロセスは全く違う「年商20-40億円、社長が営業出身、DX推進室が立ち上がったばかり、予算権限は社長」

Whoを明確にする3ステップ

ステップ1:既存顧客のセグメント分析(2-3日)

既存顧客を継続率・LTV・NPS別に分類し、「最も価値を感じている顧客」の共通点を見つけます。

顧客セグメント継続率LTVNPS特徴・共通点このセグメントへの注力度
セグメントA95%150万円+50★★★最優先
セグメントB80%80万円+20★★次点
セグメントC60%40万円-10★避けるべき

分析のポイント:

  • 継続率90%以上、LTVが高い、NPSが+30以上のセグメントを「ICP(Ideal Customer Profile)」として定義
  • 逆に、継続率が低い、LTVが小さい、NPSが低いセグメントは「避けるべき顧客」として認識

ステップ2:ICPの詳細ペルソナ作成(3-5日)

セグメントAの顧客5-10社にインタビューし、以下を明確にします。

項目質問例記入欄
基本属性会社規模・業種・売上・従業員数・役職・部署・決裁権
現状の課題(きっかけ)どんな状況で、どんな課題を感じましたか?
本質的な欲求その課題を解決して、どうなりたいですか?
課題解決の障壁(抑圧)その欲求を実現する上で、何が障害になっていましたか?
理想の状態(報酬)課題が解決されたら、どんな良いことがありますか?
情報収集行動どこで情報を集めますか?(メディア、イベント、人)
意思決定プロセス誰が、どんな基準で、どれくらいの期間で決めますか?

実例:HubSpotのICPペルソナ

項目内容
基本属性従業員50-200名、BtoB SaaS、マーケティング責任者、予算権限あり
課題マーケと営業のデータがバラバラ。リード獲得しても営業が追えていない
欲求マーケから営業までのデータを一元化して、ROIを可視化したい
障壁Salesforceは高額で複雑。Excel管理は限界。社内にITリソースがない
報酬マーケROIが見えて投資判断できる。営業が適切にフォローして成約率UP
情報収集Google検索、業界カンファレンス、LinkedInのコンテンツ
意思決定マーケ責任者が提案→社長承認。2-3ヶ月で決定

ステップ3:ターゲットの優先順位付け(1-2日)

複数のセグメントがある場合、優先順位を明確にします。

評価軸セグメントAセグメントBセグメントC
市場規模(TAM)5,000社20,000社50,000社
到達可能性高(業界メディアで接触可)
購買力・予算年間100-200万円50-80万円20-30万円
競合の強さ中(1-2社が強い)高(5社以上)
自社の独自性フィット高(明確な差別化)
LTV150万円80万円40万円
獲得コスト(CAC)30万円25万円15万円
LTV/CAC比率5.03.22.7
総合評価★★★★★

優先順位の決定ルール:

  1. LTV/CAC比率が3.0以上
  2. 市場規模が十分にある(最低1,000社以上)
  3. 自社の独自性がフィットする
  4. この3つを満たすセグメントから優先的に攻める

Who明確化のビフォー・アフター

Before(曖昧)After(明確)
「中小企業全般」「従業員30-100名、営業部門5-15名、SFA未導入または不満、受注予測の精度に課題」
「健康意識の高い30-40代女性」「35-45歳、フルタイム勤務、2人の子育て中、朝の時間がなく栄養バランスが心配」

ポイントは、ターゲットのJOBです。属性情報だけではなく、抱えているJOBが何かを特定することで、それが訴求メッセージになります。

重要な原則:

Whoを絞ると、短期的には市場が小さく見えます。しかし、「狭く深く」刺さることで、継続率・NPS・紹介率が上がり、結果的に成長速度が上がります。「狭めて売るのではなく、広げて各セグメントの優先順位をつけて売る」ことが重要です。


根本原因3:What(提供価値・独自性)が定義されていない|特に独自性が致命的

Whoが明確になったら、次はWhat、つまり「何を提供するのか」を定義します。特に重要なのが独自性(POD: Point of Difference)です。

なぜ独自性がないと致命的なのか

独自性がない状態起こることビジネスへの影響
競合と同じ機能を並べるだけ顧客は「どれも同じ」と感じる価格でしか比較されない→値引き競争
「高品質」「使いやすい」などの抽象表現具体的な差がわからない「とりあえず有名な方」が選ばれる
顧客が独自性を説明できない「なぜうちを選んだ?」→「たまたま」紹介が起きない、リテンションが低い

独自性がない企業の典型的パターン

パターン具体例なぜダメなのか改善の方向性
機能の羅列「在庫管理・発注管理・売上分析ができます」競合も同じことが言える「誰の、どんな課題を、どう独自に解決するか」を語る
抽象的な形容詞「高品質」「使いやすい」「安心」具体性がなく、検証もできない数値化・具体化「導入3ヶ月で在庫ロス30%削減」
全部盛り「あらゆる業種、あらゆる規模に対応」誰にも刺さらない特定の誰かに深く刺さる価値を定義
価格のみ「業界最安値」価格競争に巻き込まれる。利益が出ない価格以外の価値を明確にする

Whatを明確にする3ステップ

ステップ1:顧客が感じている価値を言語化(1週間)

既存顧客に「なぜ使い続けるのか」「何が良いのか」をインタビューし、顧客の言葉で価値を抽出します。

質問顧客の回答例そこから抽出される価値
なぜ使い続けていますか?「営業メンバーの行動が見える化されて、マネジメントが楽になった」営業活動の可視化→マネジメント工数削減
導入前と比べて何が変わりましたか?「受注予測の精度が上がって、在庫の過不足がなくなった」受注予測精度向上→在庫最適化
競合と比較してどうですか?「Salesforceは複雑すぎて使いこなせなかった。これは3日で立ち上がった」短期導入(3日)、使いこなしやすさ
他の人に勧めるなら、何と言いますか?「中小企業でITリソースがなくても、すぐ使えるSFA」中小企業向け、ITリソース不要

ステップ2:POP/POD/POFで価値を整理(2-3日)

POP・POD・POFのフレームワークを使って整理します。

要素意味あなたのビジネス
POP
(Point of Parity)
競合と同等に満たすべき基本要件。これがないと土俵に上がれない
POD
(Point of Difference)
競合との差別化要素。顧客が「だからこれを選ぶ」と言える独自性
POF
(Point of Frame)
競合の枠組みを変える。そもそもの比較軸をずらす

実例:マツモトキヨシのPOP/POD/POF

要素内容
POP豊富な品揃え、適正価格、清潔な店舗、便利な立地
POD・都市部駅近の高密度出店
・美容専門スタッフ「ビューティーアドバイザー」の配置
・PB商品「matsukiyo」の高品質・低価格
・インバウンド対応(多言語・免税)
POF「ドラッグストア=郊外」の常識を覆し、「都市型ドラッグストア=便利×美容」という新カテゴリを創出

ステップ3:独自性の検証と磨き込み(1-2週間)

定義した独自性が本当に差別化になっているかを検証します。

検証方法手順合格基準
競合比較競合3社のWebサイト・資料を見て、同じことを言っているか確認競合が言っていないことが2つ以上ある
顧客確認既存顧客5社に「競合と比較してどこが違う?」と聞く3社以上が同じ独自性を挙げる
トレードオフ確認その独自性を実現するために、何かを犠牲にしているか明確なトレードオフがある

独自性の良い例・悪い例

悪い例(差別化にならない)なぜダメか良い例(真の差別化)なぜ良いか
「高品質な素材を使用」抽象的、検証不可、競合も言える「有機JAS認証農家と直接契約。農薬使用量を記録し、QRコードで確認可能」具体的、検証可能、競合が真似しにくい
「お客様第一主義」精神論、全社が言える「24時間以内の問い合わせ対応保証。返信が遅れたら次月利用料50%オフ」具体的コミット、リスクを取っている
「最新のAI技術を活用」手段の説明、顧客にメリット不明「AI分析により、発注業務を週10時間→30分に短縮。過剰在庫を平均35%削減」顧客のメリットが明確、数値で検証可能

Whatの3要素を統合する

要素内容
便益(Benefit)顧客が得られる具体的な価値・プラスの状態
独自性(POD)競合や代替手段にない、唯一無二の要素
根拠(RTB: Reason To Believe)便益と独自性が実現できる理由・証拠

統合例:Duolingoの場合

要素内容
便益「隙間時間を有効活用して、効率的に外国語を学習できる」
独自性「1レッスン10分、ゲーム感覚で続けられる。AIによるパーソナライズ学習」
RTB「科学的な学習メソッド、3億人のユーザー実績、AIチューター機能」

これを一文で表現すると:

「科学的メソッドに基づき、1レッスン10分のゲーム感覚で、忙しいあなたでも外国語を効率的に習得できる」

重要な原則:

独自性は「競合が言っていないこと」ではなく、「競合が真似できない/真似したくないこと」です。そのためには、何かを犠牲にする(トレードオフを取る)必要があります。例:スターバックスは「安さ」を犠牲にして「サードプレイス体験」を独自性にしました。


根本原因4:事業KGIからマーケ・セールスKPIへの逆算ができていない

Who/Whatが明確になったら、それを「数字」に落とし込みます。多くの企業は、「年間売上1億円」という目標はあっても、「そのために月間何をすべきか」「現実的なKPIの設定」が明確ではありません。

KPI逆算ができていない企業の症状

症状具体例なぜ問題なのか
目標が曖昧「頑張って売上を増やそう」何をどれくらいやればいいか分からない
KPIが現実的でない「月間リード1000件必要」→実際は50件しか取れない達成不可能な目標でモチベーション低下
KGIとKPIが断絶売上目標1億円あるのに、マーケKPIはリード数のみ売上につながるか分からない指標を追っている

KGI→KPI逆算の3ステップ

ステップ1:売上目標を分解する(1日)

年間売上目標から、必要な受注件数を逆算します。

項目計算式記入欄
年間売上目標(KGI)
1件あたり平均受注額
必要な年間受注件数年間売上目標÷平均受注額件/年
必要な月間受注件数年間受注件数÷12件/月

ステップ2:ファネルを遡って必要数を算出(1日)

受注件数から、商談数→リード数と遡ります。

指標現状の数値計算必要な月間数
月間受注件数ステップ1の結果
成約率%過去3ヶ月の平均
必要な月間商談数受注件数÷成約率
商談化率%過去3ヶ月の平均
必要な月間リード数商談数÷商談化率
リード獲得単価(CPL)過去3ヶ月の平均
必要なマーケ予算リード数×CPL

実例計算:

項目数値
年間売上目標1億円
平均受注額100万円
必要な年間受注100件
必要な月間受注8.3件 ≒ 9件
成約率20%
必要な月間商談9件÷20% = 45件
商談化率30%
必要な月間リード45件÷30% = 150件
CPL2万円
必要なマーケ予算150件×2万円 = 300万円/月

ステップ3:現実性の検証と調整(1-2日)

算出した数値が現実的かを検証します。

検証項目質問判定調整案
リード獲得数月間150件のリードを本当に獲得できるか?☐Yes ☐No
マーケ予算月間300万円の予算は確保できるか?その内訳は?☐Yes ☐No
営業リソース月間45件の商談を回せる営業人員がいるか?☐Yes ☐No
成約率20%の成約率は維持できるか?☐Yes ☐No

Noがある場合の調整方法:

ボトルネック調整方法調整後の計画例
リード獲得数が不足・CPLを下げる施策(SEO、コンテンツ強化)
・商談化率を上げる(リードの質向上)
・売上目標を下方修正
CPL 2万円→1.5万円に改善
必要予算 300万円→225万円
マーケ予算が不足・低コストチャネル活用(SEO、紹介)
・平均受注額を上げる(アップセル)
・売上目標を調整
紹介プログラム導入で、リードの30%を紹介経由に
CPL 2万円→1.4万円(平均)
営業リソース不足・営業採用
・成約率を上げる(提案力強化)
・営業プロセス効率化
成約率 20%→25%に改善
必要商談数 45件→36件

KPIツリーの構築

逆算したKPIを、組織全体で追えるKPIツリーにします。

KPI階層指標目標値担当測定頻度
KGI年間売上1億円経営層月次
1次KPI月間受注件数9件セールス責任者週次
1次KPI平均受注額100万円セールス責任者月次
2次KPI月間商談件数45件マーケ・セールス週次
2次KPI成約率20%セールス週次
3次KPI月間リード数150件マーケティング週次
3次KPI商談化率30%インサイドセールス週次
4次KPI広告リード70件マーケティング週次
4次KPISEOリード50件マーケティング週次
4次KPI紹介リード30件CS・セールス月次

重要な原則:

KPIは「測定のための測定」ではなく、「目標達成のための羅針盤」です。測れないものは改善できません。そして、全員が同じKPIを見て、同じゴールに向かうことが組織の力を最大化します。


根本原因5:売上構成要素のボトルネックを特定できていない

KPIが設定できたら、次は「どこを改善すれば最も効果的か」を特定します。これが売上構成要素の分解とボトルネック特定です。

売上9要素分解

下記のような粒度まで分解された方程式を使います。

売上 = 人口 × 認知率 × 配荷率 × 過去購入率 × エボークトセット率 × 年間購入率 × 購入個数 × 購入頻度 × 購入単価

要素定義改善難易度改善効果あなたのビジネスの現状値
1.人口潜在顧客総数(TAM)高(市場を変える)大(新市場開拓)
2.認知率ターゲット市場で知っている人の割合高(費用大)%
3.配荷率商品が手に入る割合%
4.過去購入率カテゴリーを買ったことがある人の割合%
5.エボークトセット率購買検討時の選択肢に入る確率中(最重要)%
6.年間購入率実際に購入する確率%
7.購入個数1回あたりの購入個数
8.購入頻度年間購入回数回/年
9.購入単価1回の平均支払額

ボトルネック特定の3ステップ

ステップ1:各要素の現状値を把握する(3-5日)

正確な数値が分からない場合は、推定値でも構いません。

数値把握の方法:

要素調査方法情報源
人口統計データ、業界レポート総務省統計、業界団体、矢野経済研究所
認知率アンケート調査、検索ボリュームGoogleトレンド、自社調査(n=100-300)
配荷率販売チャネル数÷全チャネル数自社データ
過去購入率既存顧客アンケート「以前使っていたものは?」を聞く
エボークトセット率既存顧客アンケート「検討した選択肢は?」を聞く
年間購入率CRM/SFAデータ商談化率×成約率
購入個数・頻度・単価受注データ自社データ分析

ステップ2:業界平均・競合と比較する(1-2日)

要素自社業界平均競合A差分改善余地
認知率15%40%60%-25pt★★★大
配荷率30%50%70%-20pt★★中
エボークトセット率10%25%40%-15pt★★★大
年間購入率15%18%20%-3pt★小
購入単価8万円10万円12万円-2万円★中

ステップ3:インパクト×実現可能性でボトルネックを特定(1日)

要素改善余地改善インパクト改善コスト実現可能性優先度
認知率15%→30%売上2倍高(広告費大)B
配荷率30%→50%売上1.7倍中(営業強化)A
エボークトセット率10%→20%売上2倍中(ブランディング)A★
購入単価8万→10万円売上1.25倍低(価格改定)A

優先度判定マトリクス:

インパクト/コスト低コスト中コスト高コスト
高インパクトA★最優先A優先B慎重判断
中インパクトA優先BC
低インパクトBCD後回し

ボトルネック改善の実例

実例:飲料メーカーの事例(森岡毅氏の著書より)

要素施策前施策施策後(6ヶ月)改善率
認知率30%TVCM、SNS広告50%+67%
配荷率60%主要小売チェーンへ営業強化80%+33%
エボークトセット率20%パッケージ刷新、便益訴求強化35%+75%
売上基準値複合施策約2倍+100%

ポイント:

  • 3つの要素を同時に改善することで、掛け算の効果で売上が2倍に
  • 特にエボークトセット率(選ばれる確率)の改善が最重要

あなたのビジネスの改善計画

ボトルネック要素現状3ヶ月目標具体的施策予算担当

重要な原則:

全ての要素を同時に改善しようとすると、リソースが分散します。ボトルネックを2-3個に絞り、集中的に改善しましょう。特に「エボークトセット率(選ばれる確率)」は、Who/Whatの明確化と直結する最重要指標です。


根本原因6:How(施策)の量・質・優先度・PDCAが不足している

ここまでで、戦略(Who/What)と数字(KPI/ボトルネック)が明確になりました。最後は実行、つまりHowの改善です。

How不足の4つのパターン

パターン具体的な症状原因改善方法
量の不足月に1-2施策しか実行していないリソース不足、完璧主義小さく始める。月最低5施策を目標
質の不足やりっぱなしで効果測定していない測定の仕組みがないKPI設定を施策実行の必須条件に
優先度の不明確効果の薄い施策に時間を使っているボトルネック特定ができていない前セクションのボトルネック分析を実施
PDCAの欠如同じ失敗を繰り返している振り返りの仕組みがない週次レビューを必須化

How改善の4ステップ

ステップ1:施策の量を増やす(即開始)

施策カテゴリ月間目標数実施例
集客施策3-5個・新しいキーワードでSEO記事
・LinkedInで事例投稿
・ウェビナー開催
育成施策2-3個・メールシーケンス改善
・ホワイトペーパー作成
・リターゲティング広告
商談化施策2-3個・初回対応スクリプト改善
・デモ資料刷新
・商談前アンケート実施
成約施策1-2個・提案書フォーマット改善
・クロージング話法見直し
・導入事例作成

重要:

  • 大掛かりな施策ではなく、1-2週間で検証できる小さな施策を量産する
  • 「完璧になってから」ではなく、「60%の完成度で実行」する

ステップ2:施策の質を高める(施策実行前に設定)

設定項目記入欄
施策名
目的(なぜやるのか)
仮説(こうすればこうなるはず)
成功指標(KPI)
目標値
測定方法
実施期間
予算
担当者

ステップ3:優先度を明確にする(週次で見直し)

優先度判断基準今週の施策例
P1(最優先)ボトルネック改善に直結、インパクト大
P2(優先)目標達成に必要、中インパクト
P3(余裕があれば)あると良いが、なくても目標は達成可能

ステップ4:PDCAを高速で回す(週次必須)

PDCA要素実施タイミング内容
Plan月曜今週やる施策を決定。KPI・測定方法を明確化
Do火-木施策実行。進捗を毎日記録
Check金曜KPI達成度を確認。成功/失敗の要因を分析
Action金曜継続/改善/中止を判断。来週の計画に反映

週次PDCAテンプレート

Plan(今週の施策)

施策名目的KPI目標値担当

Do(実行結果)

施策名実施内容実施日計画との差異

Check(評価)

施策名KPI実績目標達成成功/失敗要因
☐達成 ☐未達
☐達成 ☐未達
☐達成 ☐未達

Action(改善・次週計画)

施策名判定理由・改善案来週の対応
☐継続 ☐改善 ☐中止
☐継続 ☐改善 ☐中止
☐継続 ☐改善 ☐中止

来週の重点施策(P1)

優先度施策名期待される効果
P1-1
P1-2
P1-3

高速PDCA実践企業の事例

人材採用サービス会社の事例

Before施策After
広告レポート作成に数日かかる
月次ミーティングで振り返り
Hubspot導入
リアルタイムダッシュボード
毎日検証・調整
レポート作成時間ゼロ
施策検証を毎日実施
月次ミーティング不要に

大手通信企業の事例

Before施策After
3人で月数本のキャンペーン
手作業で実施
PDCA回せない
Marketing Cloud導入
シナリオ自動化
月4本→常時10本のシナリオ
業務負荷半減
2ヶ月に1本ずつ新シナリオ追加

ポイント:

  • ツールの活用でPDCAのサイクル時間を短縮(月次→週次→日次)
  • 大まかなプランを打ち、日々調整するスタイルに

How改善チェックリスト

項目チェック目標値
月間の新規施策数5個以上
各施策にKPI設定100%
効果測定の実施率100%
週次PDCA実施週1回必須
施策ログの記録全施策記録
成功施策の横展開即座に実施
失敗施策からの学習原因を必ず分析

重要な原則:

PDCAは「完璧にやる」よりも「早く回す」ことが重要です。月1回の完璧なPDCAより、週1回の60点PDCAの方が、4倍速く学習できます。そして、小さな改善の積み重ねが、大きな成果を生みます。


実践ロードマップ|明日から3ヶ月で何をするか

ここまでの6つの根本原因と改善方法を解説してきました。あなたの会社に該当する原因はあったでしょうか?最後に実際の行動計画に落とし込みましょう。

あなたの現在地に応じたスタート地点

診断結果に応じて、スタート地点を選んでください。

あなたの状況スタート地点優先順位
PMF未達の可能性大(Q1-3で2つ以上「はい」)フェーズ0:PMF確立1→2→3→4→5→6
PMF達成済みだがWho/What曖昧(Q4-7で2つ以上「はい」)フェーズ1:戦略明確化2→3→4→5→6
戦略はあるがKPI不明確(Q8-9で「はい」)フェーズ2:数値化4→5→6
戦略・数値はあるが実行不足(Q10-12で「はい」)フェーズ3:実行強化6のみ

3ヶ月実践ロードマップ

フェーズ別詳細計画

フェーズ0:PMF確立(該当者のみ、4-8週間)

Weekタスク成果物チェック項目
1-2既存顧客インタビュー10社インタビュー記録・なぜ使い続けるか明確
・独自性が顧客の言葉で語れる
3ICP特定、ペルソナ作成ペルソナシート・継続率90%以上の顧客の共通点
・ターゲットが具体的
4価値の再定義(Who/What)価値定義書・便益・独自性・RTBが明確
・競合との差別化ポイント3つ以上
5-8PMF検証・改善改善施策リスト・継続率90%超
・NPS+30超

フェーズ1:戦略明確化(2週間)

Weekタスク成果物チェック項目
1Who再定義・セグメント分析
・ICPペルソナ作成
・優先順位付け
ICPペルソナシート
ターゲット優先順位リスト
・ターゲットを5W1Hで説明可
・セグメントごとのLTV/CAC把握
・優先順位が明確
2What再定義
・顧客価値の言語化
・POP/POD/POF整理
・独自性の検証
価値定義書
POP/POD/POFシート
・便益が具体的
・独自性が競合と比較して明確
・RTBがある

フェーズ2:数値化(1週間)

Dayタスク成果物チェック項目
1-2KGI→KPI逆算
・売上目標分解
・ファネル逆算
・現実性検証
KPIツリー・必要なリード数・商談数が明確
・現実的な目標値
・責任者が決まっている
3-5売上要素分解
・9要素の現状値把握
・ボトルネック特定
・改善計画
ボトルネック分析シート
改善優先順位リスト
・各要素の数値把握
・ボトルネック2-3個特定
・改善施策が決まっている

フェーズ3:実行強化(8-10週間、継続)

Weekタスク成果物チェック項目
毎週月曜:施策計画
火-木:施策実行
金曜:週次PDCA
週次PDCAレポート
施策ログ
・週5施策以上実行
・全施策にKPI設定
・効果測定100%
毎月月次レビュー
KPI達成状況確認
翌月計画策定
月次レポート
翌月計画書
・KPI達成率
・ボトルネックの変化
・優先施策の見直し

組織体制とミーティング設計

ミーティング頻度時間参加者アジェンダ決定事項
週次PDCA毎週金曜30分マーケ・営業リーダー今週の施策結果レビュー
来週の施策決定
継続/改善/中止判断
来週の優先施策3つ
月次戦略会議毎月第1週90分経営層・マーケ・営業月次KPI達成状況
ボトルネック確認
翌月計画
翌月の重点施策
予算配分
KPI調整
四半期戦略レビュー四半期初半日全社Who/What/How再確認
市場環境変化
戦略修正
次四半期の戦略
目標値の見直し

成功の判定基準(3ヶ月後)

項目現状3ヶ月後目標判定
PMF指標
継続率%90%以上☐達成 ☐未達
NPS+30以上☐達成 ☐未達
戦略明確性
Who明確性ペルソナが5W1Hで説明可能☐達成 ☐未達
What独自性競合にない独自性3つ以上☐達成 ☐未達
数値管理
KPI設定全施策にKPI設定100%☐達成 ☐未達
ボトルネック改善優先ボトルネック20%改善☐達成 ☐未達
実行力
月間施策数15件以上☐達成 ☐未達
週次PDCA実施率%100%☐達成 ☐未達
事業成果
売上成長率%月次10%成長☐達成 ☐未達
目標達成率%80%以上☐達成 ☐未達

まとめ|今日から始める3つのアクション

長文をお読みいただき、ありがとうございました。最後に、この記事のエッセンスをまとめます。

6つの根本原因と解決の要点

根本原因診断方法解決の鍵改善にかかる時間
1.PMF未達継続率・NPS・オーガニック成長率まず10-50社に深く刺さる状態を作る1-3ヶ月
2.Who曖昧ターゲットを5W1Hで説明できるかICPペルソナを具体的に定義1-2週間
3.What不明確独自性を3つ挙げられるかPOP/POD/POFで整理、検証1-2週間
4.KPI逆算不足売上目標に必要な施策量を即答可かファネルを遡って逆算3-5日
5.ボトルネック不明9要素のどこが弱いか分からない森岡毅の方程式で分解3-5日
6.How不足月間施策数5個未満、PDCA未実施小さく早く、週次PDCA継続的

明日から始める3ステップ

ステップ1:診断(今週中、所要2-3時間)

やること方法成果
チェックリストで自己診断本記事の診断セクションに回答6つのうち、どれが該当するか明確に
スタート地点の決定診断結果から優先順位を決定フェーズ0/1/2/3のどこから始めるか決定

ステップ2:計画(来週中、所要1日)

やること方法成果
3ヶ月ロードマップ作成本記事のテンプレートを使用週単位のタスクリスト
週次PDCA日程設定カレンダーに毎週金曜30分を確保実行の仕組み化

ステップ3:実行(今月中、所要時間:継続的)

Weekやること期待される成果
Week1最小施策を3つ実行(KPI設定必須)施策の実行経験、データ取得
Week2Week1の結果をPDCA、改善して再実行PDCAサイクルの習慣化
Week3-4施策を5つに増やし、ボトルネック改善に集中改善の兆しが数字で見える

最後に:完璧を目指さず、今日から一歩を踏み出そう

この記事で解説した内容は、一見すると「やることが多すぎる」と感じるかもしれません。しかし、全てを完璧にやる必要はありません。

重要なのは、以下の3つだけです:

重要なこと具体的な行動
1.今の状態を正直に診断するチェックリストに正直に答える(30分)
2.最も致命的な1つに集中する6つのうち、最も当てはまるものから始める
3.小さく始めて、早く検証する完璧な計画より、60%で実行→PDCAの方が早い

もしあなたが今、目標未達で悩んでいるなら:

  • PMF未達なら:投資を止めて、まず10社に深く刺さる
  • Who曖昧なら:今週中にICPペルソナを1つ作る
  • What不明確なら:既存顧客5社に「なぜうちを選んだ?」と聞く
  • KPI不明なら:今日中に売上目標を分解して、必要リード数を計算する
  • ボトルネック不明なら:9要素を推定値でもいいので書き出す
  • How不足なら:今週中に小さな施策を3つ実行する

この中から1つだけ選んで、今日中に実行してください。

目標達成への道は、大きな一歩ではなく、小さな一歩の積み重ねです。あなたのビジネスの成功を心から応援しています。


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この記事を書いた人
tomihey

本ブログの著者のtomiheyです。失敗から学び続けてきたマーケターです。
BtoB、BtoC問わず、デジタルマーケティング×ブランド戦略の領域で14年間約200ブランド(分析数のみなら500ブランド以上)のマーケティングに関わり、「なぜあの商品は売れて、この商品は売れないのか」の再現性を見抜くスキルが身につきました。
本ブログでは「理論は知ってるけど、実際どうやるの?」というマーケターの悩みを解決するノウハウや、実際のブランド分析事例を紹介しています。
現在はマーケティング戦略/戦術の支援も実施していますので、詳しくは下記リンクからご確認ください。一緒に「売れる理由」を解明していきましょう!

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