ローソンの3C分析とWho/What/Howの整理 - 勝手にマーケティング分析
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ローソンの3C分析とWho/What/Howの整理

LAWSON 企業を勝手に分析
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ローソンは、日本の大手コンビニエンスストアチェーンの一つで、多様な商品とサービスを提供しています。本記事では、ローソンの3C分析(顧客、競合、自社)を行い、その戦略的ポジショニングを詳細に探ります。さらに、ローソンのWho/What/How分析を通じて、日本市場での成功の秘訣を明らかにします。最後に、ローソンのマーケティング戦略から学べる重要な洞察を提供します。

ローソンの顧客分析:多様なニーズに応える便利さの追求

市場規模と成長性

日本のコンビニエンスストア市場の規模と成長率:

2022年のコンビニエンスストア(コンビニ)の販売額は、前年比3.7%増の12兆1,996億円でした。店舗数は同0.2%減の5万6,232万店舗となっています。

出典:
https://jms-support.jp/column/2023%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%8B%95%E5%90%91%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%EF%BD%8D/

ローソンの市場シェア:

2023年のコンビニエンスストアチェーン別店舗数ランキングによると、ローソンは13,812店舗で業界3位となっています。

出典:
https://www.nipponsoft.co.jp/blog/analysis/chain-conveniencestore2023/

プロダクトライフサイクル

日本のコンビニエンスストア市場は成熟期にありますが、新サービスの導入や店舗形態の多様化により成長を維持しています。

顧客セグメント

  1. 働く世代(20-50代):忙しい日常生活の中での便利な買い物
  2. 学生(中高生、大学生):手軽な食事や勉強スペースの利用
  3. 高齢者:近隣での日常的な買い物や生活サービスの利用
  4. 訪日外国人:日本文化体験や便利なサービスの利用

顧客のJOB(解決したい課題)

機能的課題情緒的課題社会的課題
24時間いつでも買い物したい新しい商品や体験を楽しみたい地域コミュニティに貢献したい
多様な支払い方法を使いたいストレス解消や気分転換をしたい環境に配慮した消費をしたい
生活に必要なサービスを一箇所で済ませたい自分へのご褒美を手軽に得たい健康的な生活を送りたい
新鮮で品質の良い商品を購入したい季節感や旬を感じたい地域の安全・安心に貢献したい

ローソン市場のPLESTE分析

要因機会脅威
政治的(Political)・規制緩和によるサービス拡大・労働法改正による人件費増加
法的(Legal)・キャッシュレス決済推進政策・食品ロス規制の強化
経済的(Economic)・インバウンド需要の回復・原材料費の高騰
社会的(Social)・高齢化社会による近隣需要増加・少子化による市場縮小
技術的(Technological)・AI・IoT活用による効率化・サイバーセキュリティリスク
環境的(Environmental)・環境配慮型商品の需要増加・プラスチック規制の強化

ローソンの競合分析:日本のコンビニエンスストア市場

主要競合

  1. セブン-イレブン・ジャパン
  2. ファミリーマート
  3. ミニストップ

競合のWho/What/How分析

競合Who(誰)What(便益)How(戦略)
セブン-イレブン幅広い年齢層豊富な品揃え、高品質PB商品大規模出店戦略、独自の物流システム
ファミリーマート若年層~中年層中食の品質、環境配慮エンタメ連携、サステナビリティ強化
ミニストップファミリー層イートインスペース、ソフトクリーム店内調理、デザート強化

ローソンの自社分析:多様なニーズに応える戦略

ローソンのWho/What/How詳細分析

パターン1:働く世代向け

項目内容
Who(誰)20-50代の働く男女
Who(JOB)忙しい日常での時短・便利な買い物
What(便益)高品質な中食、多様な決済手段
What(独自性)健康志向商品の充実、マチのほっとステーション
How(プロダクト)ナチュラルローソン、ローソンフレッシュピック
How(コミュニケーション)Ponta会員向けパーソナライズド・マーケティング
How(場所)オフィス街、住宅地の利便性の高い立地
How(価格)中~高価格帯、品質重視の価格戦略

一言で言うと:「健康志向の働く大人」をターゲットにした戦略

パターン2:学生向け

項目内容
Who(誰)中高生、大学生
Who(JOB)手軽な食事、勉強スペースの確保
What(便益)リーズナブルな中食、無料Wi-Fi
What(独自性)エンタメ連携(チケット販売等)、学割サービス
How(プロダクト)100円ローソン、コラボ商品
How(コミュニケーション)SNSマーケティング、学生向けキャンペーン
How(場所)学校周辺、駅前立地
How(価格)低価格帯、学割の積極導入

一言で言うと:「コスパ重視の若者」をターゲットにした戦略

パターン3:高齢者向け

項目内容
Who(誰)60代以上の高齢者
Who(JOB)近隣での日常的な買い物、生活サービスの利用
What(便益)健康志向商品、生活支援サービス
What(独自性)見守りサービス、介護相談窓口
How(プロダクト)ケア・ローソン、介護食品
How(コミュニケーション)地域密着型イベント、高齢者向け広告
How(場所)住宅地、医療施設近く
How(価格)中価格帯、シニア向け割引

一言で言うと:「アクティブシニア」をターゲットにした戦略

PLESTE分析における機会と脅威

要因機会脅威
政治的地域包括ケアシステムへの参画深夜営業規制の可能性
法的健康増進法に基づく新サービス展開個人情報保護法の厳格化
経済的電子マネー・QR決済の普及最低賃金の上昇
社会的単身世帯の増加による需要拡大人口減少による市場縮小
技術的無人店舗技術の導入ECサービスとの競合激化
環境的再生可能エネルギーの活用異常気象によるサプライチェーンリスク

ここがすごいよローソンのマーケティング

ローソンは、競合や代替手段がある中で、以下の独自性により顧客から選ばれています:

  1. 健康志向の強化:ナチュラルローソンやローソンフレッシュピックなど、健康志向の商品ラインナップを充実させています。
  2. 多様な店舗形態:通常のローソンに加え、100円ローソン、ケア・ローソンなど、地域やターゲットに合わせた店舗展開を行っています。
  3. 地域密着型サービス:見守りサービスや介護相談窓口など、地域コミュニティに根ざしたサービスを提供しています。
  4. テクノロジーの積極活用:Ponta会員データを活用したパーソナライズド・マーケティングや、無人店舗の実験など、先進的な取り組みを行っています。
  5. サステナビリティへの取り組み:環境配慮型商品の開発や食品ロス削減など、社会的責任を果たす取り組みを積極的に行っています。

マーケターがローソンから学べる重要な洞察:

  1. セグメンテーションの重要性:顧客層ごとに異なるニーズを理解し、それぞれに最適化された商品・サービスを提供する戦略。
  2. イノベーションと伝統の融合:新技術の導入と地域に根ざした伝統的なサービスのバランスを取る姿勢。
  3. 社会課題への取り組み:健康増進や高齢化社会への対応など、社会課題の解決をビジネスチャンスとして捉える視点。
  4. データ活用の徹底:顧客データを活用したマーケティング戦略の立案と実行。
  5. 柔軟な店舗戦略:地域特性や顧客ニーズに合わせて、柔軟に店舗形態を変化させる戦略。

これらの戦略を自社のコンテキストに適用することで、変化する市場環境の中で持続可能な成長を実現することができるでしょう。ローソンの成功は、顧客ニーズの深い理解と、それに応える柔軟な戦略の実行が鍵となっています。

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

https://user-in.co.jp/
https://x.com/tomiheyhey

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