Instagramの3C分析とWho/What/Howの詳細整理 - 勝手にマーケティング分析
企業を勝手に分析

Instagramの3C分析とWho/What/Howの詳細整理

Instagram 企業を勝手に分析
この記事は約9分で読めます。

Instagramは、写真や短い動画を共有するソーシャルメディアプラットフォームです。本記事では、Instagramの日本市場における3C分析(顧客、競合、自社)を行い、その戦略的ポジショニングを詳細に探ります。さらに、InstagramのWho/What/How分析を通じて、日本での成功の秘訣を明らかにします。最後に、Instagramのマーケティング戦略から学べる重要な洞察を提供します。

Instagramの顧客分析:日本のビジュアルコンテンツ愛好家から企業ユーザーまで

市場規模と成長性

世界と日本のソーシャルメディア市場の規模と成長率、およびInstagramの市場シェアについて、以下にまとめました。

世界のソーシャルメディア市場規模と成長率:

  • 2023年の世界のソーシャルメディア市場規模は2,190.6億ドルで、2024年には2,514.5億ドルに成長すると予測されています。
  • 2024年から2028年にかけて、年平均成長率(CAGR)13.2%で成長し、2028年には4,131.6億ドルに達すると予想されています。

出典: https://www.thebusinessresearchcompany.com/report/social-media-global-market-report

日本のソーシャルメディア市場規模と成長率:

  • 2023年の日本のソーシャルメディアマーケティング市場規模は約1.09兆円と推定されています。
  • 2020年から2027年にかけて、年平均成長率(CAGR)8.74%で成長すると予測されています。

出典: https://www.statista.com/statistics/1245983/japan-social-media-marketing-market-size/

Instagramの市場シェア:

  • 日本では、2024年6月時点でInstagramの市場シェアは5.96%となっています。

出典(日本): https://gs.statcounter.com/social-media-stats/all/japan

これらのデータから、世界と日本のソーシャルメディア市場は着実に成長しており、Instagramは特に世界市場で強い存在感を示していることがわかります。

プロダクトライフサイクル

日本市場におけるInstagramは成長後期にありますが、新機能の追加や利用者層の拡大により成長を維持しています。

顧客セグメント

  1. 若年層(10代後半~30代前半):トレンドに敏感で、自己表現を重視
  2. インフルエンサー:フォロワーを持つコンテンツクリエイター
  3. ビジネスユーザー:ブランディングやマーケティングに活用する企業
  4. アーティスト・クリエイター:作品を発信するプラットフォームとして利用

顧客のJOB(解決したい課題)

機能的課題情緒的課題社会的課題
簡単に写真・動画を共有したい自己表現をしたいつながりを感じたい
トレンド情報を得たい承認欲求を満たしたいコミュニティに参加したい
商品・サービスを宣伝したいインスピレーションを得たい社会問題に関与したい
効果的にターゲットにリーチしたい楽しい体験をしたい影響力を持ちたい

Instagram日本市場のPLESTE分析

要因機会脅威
政治的(Political)・デジタル化推進政策・コンテンツ規制の強化
法的(Legal)・eコマース関連法整備・個人情報保護法の厳格化
経済的(Economic)・インフルエンサー経済の成長・景気後退によるマーケティング予算削減
社会的(Social)・SNS利用の日常化・SNS疲れによる離脱
技術的(Technological)・AR/VR技術の進化・新技術による競合の台頭
環境的(Environmental)・環境意識の高まりによるエコ関連コンテンツ需要・デジタルデトックスの流行

Instagramの競合分析:日本市場における差別化戦略

主要競合(日本国内)

  1. Twitter
  2. TikTok
  3. LINE

競合のSWOT分析とWho/What/How

Twitter

SWOT内容
強み・リアルタイム性
・ニュース性の高さ
弱み・ビジュアルコンテンツの扱いに劣る
機会・政治・社会問題での影響力拡大
脅威・フェイクニュースの問題

Who/What/How:

  • Who: ニュース・情報に敏感な層
  • What: リアルタイムの情報共有
  • How: 短文投稿、ハッシュタグ機能

TikTok

SWOT内容
強み・若年層に人気
・動画編集機能の充実
弱み・プライバシー懸念
機会・ショート動画市場の拡大
脅威・規制リスク

Who/What/How:

  • Who: Z世代、クリエイティブな若者
  • What: 短尺動画によるエンターテインメント
  • How: AIによるコンテンツレコメンド、音楽連携

LINE

SWOT内容
強み・日本での高い普及率
・多機能性
弱み・オープンなSNSとしての機能が弱い
機会・ビジネス利用の拡大
脅威・若年層のLINE離れ

Who/What/How:

  • Who: 幅広い年齢層の日本人ユーザー
  • What: プライベートなコミュニケーション
  • How: クローズドな友人間のメッセージング、スタンプ

Instagramの自社分析:日本市場におけるポジショニングと戦略

SWOT分析

  • 強み(Strengths)
    • ビジュアル重視のプラットフォーム
    • 直感的なユーザーインターフェース
    • 多様な広告フォーマット
    • ストーリーズ機能の人気
    • インフルエンサーマーケティングの中心的プラットフォーム
  • 弱み(Weaknesses)
    • テキストベースのコミュニケーションに弱い
    • プライバシー懸念
    • アルゴリズムの透明性不足
    • 若年層への依存
    • 偽アカウントやボットの問題
  • 機会(Opportunities)
    • eコマース機能の拡充
    • AR/VR技術の統合
    • ビジネスユーザーの増加
    • 動画コンテンツの需要拡大
    • 新興市場での成長
  • 脅威(Threats)
    • プライバシー規制の強化
    • 競合プラットフォームの台頭
    • ユーザーの飽き
    • サイバーセキュリティリスク
    • 広告市場の変動

戦略提案

  • SO戦略
    • ビジュアル広告とeコマース機能の統合強化
    • インフルエンサーとブランドのコラボレーション促進
    • AR/VRを活用した新しい広告フォーマットの開発
  • WO戦略
    • テキストベースの機能強化(例:ニュースフィード)
    • プライバシー設定の簡素化と透明性向上
    • 高齢者向け機能の開発と普及活動
  • ST戦略
    • ユーザーデータ保護の強化とプライバシーポリシーの明確化
    • 独自のコンテンツクリエイター支援プログラムの拡充
    • AIを活用したコンテンツモデレーションの強化
  • WT戦略
    • 多様な年齢層に訴求するコンテンツ戦略の展開
    • サイバーセキュリティ投資の増強
    • ユーザー体験の継続的な改善と新機能の定期的な導入

InstagramのWho/What/How詳細分析

パターン1:若年層ユーザー向け

項目内容
Who(誰)15-25歳の若年層
Who(JOB)自己表現、トレンド把握、友人とのつながり
What(便益)視覚的な自己表現、最新トレンドの発見
What(独自性)ストーリーズ機能、フィルター/エフェクト
How(プロダクト)写真/動画共有、ストーリーズ、リール
How(コミュニケーション)ハッシュタグ、ダイレクトメッセージ
How(場所)モバイルアプリ中心
How(価格)無料(広告収入モデル)

一言で言うと:「トレンドセッターのビジュアルプレイグラウンド」

パターン2:ビジネスユーザー向け

項目内容
Who(誰)中小企業、ブランド、マーケター
Who(JOB)ブランディング、顧客獲得、商品販売
What(便益)ターゲット顧客へのリーチ、ビジュアルマーケティング
What(独自性)ビジネスプロフィール、インサイト機能
How(プロダクト)広告ツール、ショッピング機能
How(コミュニケーション)スポンサード投稿、インフルエンサーコラボ
How(場所)モバイル/デスクトップ両対応
How(価格)広告費用に応じた課金モデル

一言で言うと:「ビジュアルに特化したマーケティングプラットフォーム」

パターン3:クリエイター/インフルエンサー向け

項目内容
Who(誰)アーティスト、インフルエンサー
Who(JOB)フォロワー獲得、作品発信、収益化
What(便益)大規模なオーディエンスへのアクセス、創作活動の支援
What(独自性)クリエイターツール、収益化機能
How(プロダクト)IGTVクリエイタースタジオ、ライブ配信
How(コミュニケーション)フォロワーとの対話、ブランドとのコラボ
How(場所)モバイル/デスクトップ両対応
How(価格)無料(収益シェアモデル)

一言で言うと:「クリエイティブ表現と収益化の統合プラットフォーム」

ここがすごいよInstagramのマーケティング

Instagramは、ビジュアルコミュニケーションに特化したプラットフォームとして、競合や代替手段がある中で独自のポジションを確立しています。以下の理由から、Instagramは日本の顧客から選ばれ続けています:

  1. ビジュアル重視の文化適合:日本の「写真映え」文化に完璧にフィットし、ユーザーの自己表現欲求を満たしています。
  2. 多様な表現手段:写真、動画、ストーリーズ、リールなど、様々な形式でコンテンツを作成・共有できます。
  3. ビジネス機能の充実:広告ツールやインサイト機能など、企業のマーケティング活動を強力にサポートしています。
  4. インフルエンサーエコシステム:影響力のあるユーザーとブランドを結びつけ、新しいマーケティング手法を可能にしています。
  5. 常なる革新:新機能の定期的な追加により、ユーザーの興味を維持し続けています。

マーケターがInstagramから学べる重要な洞察:

  1. ビジュアルストーリーテリングの力:画像や動画を通じて、ブランドストーリーを効果的に伝える重要性。
  2. ユーザージェネレーテッドコンテンツの活用:顧客自身がブランドの広告塔となる仕組みづくり。
  3. マイクロターゲティングの精度:詳細なユーザーデータを活用した、精密なターゲティング広告の展開。
  4. プラットフォームの特性理解:各SNSの特性を理解し、それに合わせたコンテンツ戦略の立案。
  5. トレンドへの迅速な対応:新しい機能や利用傾向に素早く適応し、先行者利益を獲得する姿勢。
  6. コミュニティ構築の重要性:単なる情報発信ではなく、ブランドを中心としたコミュニティの形成。
  7. データドリブンな意思決定:インサイト機能を活用し、継続的な改善とA/Bテストの実施。

これらの戦略を自社のマーケティングに適用することで、視覚的に魅力的でエンゲージメントの高いキャンペーンを展開し、ターゲット顧客との強力なつながりを構築することができるでしょう。

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

https://user-in.co.jp/
https://x.com/tomiheyhey

tomiheyをフォローする
無料壁打ちの予約
シェアする
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました