Google広告で獲得したリードを確実に追跡!SalesforceとHubSpotでソース識別を完璧にする実践ガイド - 勝手にマーケティング分析
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Google広告で獲得したリードを確実に追跡!SalesforceとHubSpotでソース識別を完璧にする実践ガイド

Google広告で獲得したリードを確実に追跡! SalesforceとHubSpotでソース識別を完璧にする実践ガイド マーケの応用を学ぶ
この記事は約15分で読めます。

はじめに

マーケターの皆さん、こんな悩みはありませんか?

「Google広告でリードは獲得できているけど、そのリードがCRMの中でGoogle広告経由だとわからない...」 「営業チームから『どの広告キャンペーンから来たリードなのかわからないから優先度がつけにくい』と言われている...」 「ROI計算をしたいのに、Google広告の効果が最終的な成約にどう影響したかがわからない...」

実は、これらの課題は多くの企業が抱えている共通の問題なんです。Google広告でリードを獲得することはできても、そのリードがCRM(SalesforceやHubSpot)の中でGoogle広告経由だと識別できなければ、真の投資対効果を測定することはできません

この記事では、Google広告で獲得したリードをSalesforceやHubSpot上で確実に「Google広告経由」として識別できるようにする連携方法を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。設定手順から実際の運用まで、具体的な手法をマスターして、データドリブンなマーケティングを実現しましょう!

Google広告とCRM連携の重要性を理解しよう

なぜリードソースの特定が重要なのか

Google広告とCRMの連携が重要な理由は、マーケティング活動の全体像を把握するためです。例えば、あなたが月に100万円のGoogle広告予算を使っているとします。でも、その結果として獲得したリードが最終的にどれだけの売上に繋がったかがわからなければ、その100万円が効果的だったのか判断できませんよね。

graph LR A[Google広告クリック] --> B[ランディングページ訪問] B --> C[フォーム送信] C --> D[CRMにリード登録] D --> E[営業活動] E --> F[成約] style A fill:#4285f4,color:#fff style F fill:#34a853,color:#fff

この一連の流れの中で、広告クリックから成約までを繋げて追跡できるかどうかが、マーケティングROIを正確に測定するカギとなります。

連携することで得られるメリット

Google広告とCRMを適切に連携することで、以下のようなメリットが得られます:

メリット具体的な効果ビジネスへの影響
正確なROI測定広告費用対効果を正確に計算予算配分の最適化
リード品質の可視化どのキャンペーンが質の高いリードを獲得しているか把握高品質なリード獲得戦略の立案
営業効率の向上リードソースに基づいた優先順位付け成約率の向上
キャンペーン最適化成約に繋がりやすいキーワードや広告の特定CPAの改善
アトリビューション分析顧客の購買ジャーニー全体の可視化マルチタッチ・アトリビューションの実現

このように、適切な連携設定により、単なるクリック数やコンバージョン数だけでなく、実際のビジネス成果に直結する指標を追跡できるようになります。

Salesforceとの連携:最新の方法を理解しよう

重要なお知らせ:従来の統合方法のサポート終了

まず、Salesforceとの連携を検討している方への重要な情報です。従来のSalesforce統合は2025年5月31日をもってサポートが終了します。これは既にGoogleから正式にアナウンスされており、継続してSalesforceデータをGoogle広告にインポートするには、新しい「データマネージャー」への移行が必要です。

参考:Google広告公式サイト

新しいデータマネージャーを使った連携方法

新しいデータマネージャーを使った連携は、従来の方法よりも柔軟性と精度が向上しています。以下の手順で設定を進めましょう。

ステップ1:前提条件の確認

連携を開始する前に、以下の条件が満たされているか確認してください:

項目要件チェックポイント
Google広告権限管理者権限アカウント設定を変更できる権限が必要
Salesforce権限リード・商談の読み取り権限以上オブジェクトへのアクセス権限を確認
ログイン情報Salesforce専用アカウント個人アカウントではなく、組織専用のアカウントを使用
トラッキング期間クリックからコンバージョンまで90日未満90日を超えるデータはインポートされない
Web-to-Lead機能有効化済みリード情報をSalesforceに送信する仕組みが必要

ステップ2:Google広告でのアカウントリンク設定

  1. Google広告管理画面にログイン
    • 管理画面の右上にあるツールアイコンをクリック
    • 「データマネージャー」を選択
  2. Salesforceとの接続設定
    • 「Google サービス」タブに移動
    • 「Salesforce」の項目で「詳細」をクリック
    • 「Salesforceをリンク」を選択
  3. 認証プロセス
    • Salesforceのログインページが表示される(ポップアップブロッカーを無効にしてください)
    • Salesforceアカウントの認証情報を入力
    • Google広告がSalesforceアカウントにアクセスすることを「許可」
Screenshot

ステップ3:GCLID(Google Click Identifier)の設定

GCLIDは、Google広告のクリックを一意に識別するためのパラメータです。これを適切に設定することで、リードの獲得元を確実に追跡できます。

GCLIDキャプチャコードの実装

// 全てのページのヘッダーに以下のコードを追加
<script>
function getURLParameter(name) {
    return decodeURIComponent((new RegExp('[?|&]' + name + '=' + '([^&;]+?)(&|#|;|$)').exec(location.search) || [, ""])[1].replace(/\+/g, '%20')) || null;
}
var gclid = getURLParameter('gclid');
if (gclid) {
    var gclid_field = document.cookie = "gclid=" + gclid + "; expires=" + new Date(Date.now() + 1000 * 60 * 60 * 24 * 90).toUTCString() + "; path=/; SameSite=Lax";
}
</script>

Web-to-Leadフォームの編集

Salesforceで新規リード作成時にGCLIDを保存するために、以下の設定を行います:

Screenshot
  1. カスタム項目の作成
    • Salesforceのセットアップから「オブジェクトマネージャー」を選択
    • 「リード」オブジェクトを選択
    • 「項目とリレーション」から新規カスタム項目を作成
    • 項目種別:テキスト、項目名:GCLID
  2. フォームの修正
<!-- Web-to-Leadフォームに以下のhidden fieldを追加 -->
<input type="hidden" name="GCLID__c" id="gclid_field" value="" />

<script>
// ページ読み込み時にGCLIDをフォームに設定
function getCookie(name) {
    var nameEQ = name + "=";
    var ca = document.cookie.split(';');
    for(var i=0;i < ca.length;i++) {
        var c = ca[i];
        while (c.charAt(0)==' ') c = c.substring(1,c.length);
        if (c.indexOf(nameEQ) == 0) return c.substring(nameEQ.length,c.length);
    }
    return null;
}
document.getElementById('gclid_field').value = getCookie('gclid');
</script>

HubSpotとの連携:自動化による効率的な設定

HubSpotの場合、Google広告との連携はより自動化されており、初心者の方でも比較的簡単に設定できます。

HubSpotとGoogle広告の直接連携

ステップ1:広告アカウントの接続

Screenshot
  1. HubSpotアカウントにログイン
    • 「マーケティング」→「広告」メニューを選択
    • 「広告アカウントを接続」をクリック
  2. Google広告アカウントの選択
    • 「Google広告」を選択
    • Googleアカウントでログイン
    • 連携するGoogle広告アカウントを選択
  3. 自動トラッキングの有効化
    • 「自動トラッキングを有効にする」オプションをチェック
    • これにより、UTMパラメータが自動的に設定されます

ステップ2:UTMパラメータの自動設定

HubSpotとGoogle広告を連携すると、以下のUTMパラメータが自動的に設定されます:

パラメータ設定内容用途
utm_sourcegoogleトラフィックの参照元を識別
utm_mediumppc広告メディアの種別を識別
utm_campaignキャンペーン名具体的なキャンペーンを識別
utm_termキーワード検索クエリを識別
utm_content広告ID具体的な広告クリエイティブを識別

手動でのUTMパラメータ設定(より詳細な追跡が必要な場合)

自動設定だけでは不十分な場合、手動でより詳細なUTMパラメータを設定することも可能です。

カスタムプロパティの作成

HubSpotでUTMパラメータの値を個別に保存したい場合は、以下の手順でカスタムプロパティを作成します:

  1. 設定メニューから「プロパティ」を選択
  2. 「プロパティを作成」をクリック
  3. 各UTMパラメータ用のプロパティを作成
プロパティ名内部名フィールドタイプ
UTM Sourceutm_source単行テキスト
UTM Mediumutm_medium単行テキスト
UTM Campaignutm_campaign単行テキスト
UTM Termutm_term単行テキスト
UTM Contentutm_content単行テキスト

フォームでの自動入力設定

作成したカスタムプロパティにUTMパラメータの値を自動で入力するには:

  1. フォームエディタを開く
  2. 作成したUTMプロパティをフォームに追加
  3. 各フィールドを「非表示」に設定
  4. 「クエリ文字列から自動入力」オプションを有効化

これにより、UTMパラメータ付きのURLから訪問したユーザーがフォーム送信した際、自動的にUTMパラメータの値がHubSpotのコンタクトプロパティに保存されます。

トラッキングテンプレートの高度な活用

より詳細な追跡が必要な場合は、Google広告のトラッキングテンプレートをカスタマイズできます:

{lpurl}?utm_feeditemid={feeditemid}&utm_device={device}&utm_term={keyword}&utm_source=google&utm_medium=ppc&utm_campaign={_utmcampaign}&hsa_cam={campaignid}&hsa_grp={adgroupid}&hsa_mt={matchtype}&hsa_src={network}&hsa_ad={creative}&hsa_acc={Google広告アカウントID}&hsa_net=adwords&hsa_kw={keyword}&hsa_tgt={targetid}&hsa_ver=3

このテンプレートを使用することで、以下の詳細情報も追跡できるようになります:

  • デバイス種別 (utm_device)
  • キャンペーンID (hsa_cam)
  • 広告グループID (hsa_grp)
  • マッチタイプ (hsa_mt)
  • ネットワーク (hsa_src)

実装のベストプラクティス

命名規則の統一

効果的な追跡を行うために、UTMパラメータの命名規則を統一することが重要です:

パラメータ推奨命名規則
utm_source媒体名を小文字でgoogle, yahoo, facebook
utm_medium広告種別を統一表記でppc, cpc, display, social
utm_campaign分析しやすい体系的な名前brand_kw_2025q2, product_display_retargeting
utm_term自動設定を活用{keyword}
utm_content広告のバリエーションを識別ad_text_a, banner_300x250

データ品質の確保

正確な分析を行うために、以下の点に注意しましょう:

1. 一貫性の維持

  • 大文字・小文字の統一
  • スペースの代わりにアンダースコア(_)を使用
  • 略語の統一

2. 重複の回避

  • 同じキャンペーンで複数の命名パターンを使わない
  • 定期的にパラメータの棚卸しを実施

3. トラッキングURLの検証

  • 本格運用前にテスト環境での動作確認
  • リダイレクトによるパラメータ損失の回避

アトリビューション設定の最適化

Google広告とCRMの連携において、適切なアトリビューション設定は非常に重要です:

アトリビューションモデル適用場面メリット
ラストクリック短い検討期間の商品シンプルで理解しやすい
ファーストクリック認知度向上が目的初回接触の価値を評価
線形アトリビューション複数タッチポイントでの検討全ての接触点を平等に評価
減衰アトリビューション長期検討型商品コンバージョン直前の価値を重視

HubSpotの場合、アトリビューションレポートを活用することで、顧客の購買ジャーニー全体でのGoogle広告の貢献度を詳細に分析できます。

トラブルシューティング:よくある問題と解決策

問題1:UTMパラメータが正しく取得されない

症状: フォーム送信後にUTMパラメータがCRMに保存されない

原因と解決策:

原因解決策
リダイレクトによるパラメータ損失直接的なURLを使用し、不必要なリダイレクトを避ける
JavaScriptエラーブラウザの開発者ツールでエラーをチェック
フォーム設定の不備隠しフィールドの設定とクエリ文字列の自動入力設定を確認

問題2:GCLIDが保存されない

症状: SalesforceでGCLIDの値が空のまま

確認すべき点:

  1. Google広告の自動タグ設定
    • Google広告管理画面で自動タグ設定が有効になっているか確認
    • アカウント設定 → 「トラッキング」から確認可能
  2. Web-to-Leadフォームの設定
    • GCLIDフィールドがフォームに含まれているか
    • JavaScriptでGCLIDの値が正しく取得されているか
  3. Salesforceのフィールドマッピング
    • カスタム項目が正しく作成されているか
    • フィールドAPIの名前が正確に設定されているか

問題3:データの二重計上

症状: 同じリードが複数回カウントされる

対策:

graph TD A[リード重複の確認] --> B{同一メールアドレス?} B -->|Yes| C[重複排除ルールの設定] B -->|No| D[別リードとして処理] C --> E[マスターレコードの決定] E --> F[データマージ実行]

重複排除のために、以下の設定を行います:

  1. Salesforceの場合
    • 重複管理ルールの設定
    • マッチングルールでメールアドレスをキーに設定
  2. HubSpotの場合
    • コンタクトの重複排除設定を有効化
    • メールアドレスベースの自動マージ設定

効果測定とレポート活用

KPI設定のベストプラクティス

Google広告とCRMの連携効果を測定するために、以下のKPIを設定しましょう:

段階KPI計算方法目標設定の考え方
獲得リード獲得数Google広告経由のリード数過去実績の120%を目標
品質リード-商談転換率商談化数 ÷ リード数業界平均の1.2倍を目標
効率CPA (Cost Per Acquisition)広告費 ÷ 獲得リード数前期比10%改善を目標
収益ROI売上 ÷ 広告費3:1以上を目標

レポート作成のポイント

効果的なレポートを作成するための構成例:

1. エグゼクティブサマリー

  • Google広告全体のパフォーマンス概要
  • 前期比較での主要指標の変化
  • 重要な洞察とアクションアイテム

2. キャンペーン別分析

  • キャンペーンごとのパフォーマンス
  • 最も効果的なキャンペーンの特徴
  • 改善が必要なキャンペーンの課題

3. アトリビューション分析

  • 顧客の購買ジャーニー分析
  • 各タッチポイントの貢献度
  • クロスチャネルでの効果

データドリブンな最適化

収集したデータを基に、以下の最適化を継続的に実施しましょう:

キーワード最適化

  • 成約に繋がりやすいキーワードの拡張
  • パフォーマンスの低いキーワードの除外
  • 検索語句レポートの定期的な分析

ランディングページ最適化

  • コンバージョン率の高いページの特徴分析
  • A/Bテストによる継続的改善
  • ユーザー体験の向上

入札戦略の最適化

  • トラフィック品質を考慮した入札調整
  • コンバージョン価値に基づく自動入札の活用
  • デバイス・時間帯での入札調整

まとめ

Google広告で獲得したリードをSalesforceやHubSpotで確実に識別できるようにすることは、マーケティングROIを最大化するための重要な第一歩です。今回ご紹介した方法を実践することで、以下のようなメリットを得ることができます。

Key Takeaways

技術的な実装のポイント

  • HubSpotは自動トラッキング機能により、比較的簡単にGoogle広告との連携が可能
  • GCLIDとUTMパラメータの両方を活用することで、より正確な追跡が実現できる

運用における重要事項

  • 命名規則の統一により、長期的なデータ分析の精度が向上する
  • 定期的なデータ品質チェックにより、正確な分析結果を維持できる
  • アトリビューションモデルの適切な設定により、各チャネルの真の貢献度を測定できる

ビジネス価値の最大化

  • リードソースの可視化により、営業チームの優先順位付けが改善される
  • 正確なROI測定により、広告予算の最適配分が可能になる
  • 顧客の購買ジャーニー全体の把握により、マーケティング戦略の精度が向上する

この記事でご紹介した手法は、一度設定すれば継続的にデータを収集できる「資産」となります。最初の設定は少し複雑に感じるかもしれませんが、得られる価値を考えれば投資する価値は十分にあります。

データドリブンなマーケティングを実現するために、ぜひ今回の内容を参考に、Google広告とCRMの連携強化に取り組んでみてください。継続的な改善により、きっと大きな成果を得ることができるはずです!

この記事を書いた人
tomihey

本ブログの著者のtomiheyです。失敗から学び続けてきたマーケターです。
BtoB、BtoC問わず、デジタルマーケティング×ブランド戦略の領域で14年間約200ブランド(分析数のみなら500ブランド以上)のマーケティングに関わり、「なぜあの商品は売れて、この商品は売れないのか」の再現性を見抜くスキルが身につきました。
本ブログでは「理論は知ってるけど、実際どうやるの?」というマーケターの悩みを解決するノウハウや、実際のブランド分析事例を紹介しています。
現在はマーケティング戦略/戦術の支援も実施していますので、詳しくは下記リンクからご確認ください。一緒に「売れる理由」を解明していきましょう!

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