カスタマージャーニーマップとは?基本概念から作り方・活用方法までテンプレをもとに徹底解説 - 勝手にマーケティング分析
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カスタマージャーニーマップとは?基本概念から作り方・活用方法までテンプレをもとに徹底解説

カスタマージャーニーマップの作り方 マーケの基礎を学ぶ
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はじめに

「マーケティング施策がうまくいかない」「顧客のニーズがつかめない」「部門間で顧客理解がバラバラ」——こんな悩みを抱えていませんか?

現代のマーケティングでは、顧客中心のアプローチが必須です。しかし、多くの企業が顧客体験の全体像を把握できず、場当たり的な施策を繰り返しています。その結果、限られた予算やリソースが無駄になり、顧客満足度も向上しません。

カスタマージャーニーマップは、こうした課題を解決する強力なツールです。顧客が製品やサービスと出会い、検討し、購入し、使い続けるまでの全プロセスを可視化することで、改善すべきポイントが明確になります。

この記事では、カスタマージャーニーマップの基本から実践的な作り方、具体的な事例、無料テンプレート、よくある失敗パターンまで、明日から使える知識を網羅的に解説します。

カスタマージャーニーマップとは?3分で理解する基本

カスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map、CJM)とは、顧客が製品やサービスに出会ってから購入後まで、すべての接点における体験を時系列で可視化した図表です。

従来のマーケティングとの比較

視点従来のマーケティングカスタマージャーニーマップ
焦点企業側の施策やタイミング顧客の行動・感情・ニーズ
分析単位個別のチャネルや施策顧客体験全体のストーリー
部門縦割り(広告、営業、CS別)横断的な顧客視点
改善アプローチ部分最適全体最適

カスタマージャーニーマップが解決する3つの課題

課題1:顧客理解が部門ごとにバラバラ 営業は「価格が重要」、マーケは「機能が重要」、カスタマーサポートは「使いやすさが重要」と、部門ごとに顧客理解が異なっていませんか?カスタマージャーニーマップは、全社で共通の顧客理解を作り出します。

課題2:どこに投資すべきかわからない 限られた予算をどこに使えば最大の効果が得られるか?マップを作ることで、顧客体験の「穴」が見え、優先的に改善すべきポイントが明確になります。

課題3:施策が単発で終わり、継続的な改善ができない カスタマージャーニーマップをKPIと紐付けることで、PDCAサイクルが回しやすくなり、継続的な改善が可能になります。

なぜ今、カスタマージャーニーマップが重要なのか

デジタル化で複雑になった顧客接点

昨今の顧客は平均して購入前に8つ以上のタッチポイントを経由すると言われています。ウェブサイト、SNS、オンライン広告、店舗、カスタマーサポート、メール、アプリなど……これらすべてで一貫した体験を提供しなければ、顧客は離れていきます。

顧客期待値の上昇

Amazon、Netflix、Uberなどの優れた顧客体験を日常的に享受している現代の消費者は、あらゆる企業に同レベルのサービスを期待します。「自分のことを理解してくれている」「手間をかけさせない」「いつでもどこでも同じ体験」——こうした期待に応えるには、顧客体験全体の設計が不可欠です。

データ活用の必要性

マーケティングオートメーション、CRM、ウェブ解析ツールなど、顧客データを収集するツールは増えました。しかし、データがバラバラで活用できていない企業が大半です。カスタマージャーニーマップは、これらのデータを統合し、意味のある洞察に変えるフレームワークとなります。

カスタマージャーニーマップの8つの構成要素

次にカスタマージャーニーマップの構成要素を押さえておきましょう。効果的なカスタマージャーニーマップには、以下の要素が含まれます。

要素説明具体例(BtoB SaaS)
ペルソナ典型的な顧客像30代、IT企業の営業マネージャー、チーム10名管理、Excel管理に限界
ステージ顧客体験の主要段階認知→検討→比較→導入→活用→継続
タッチポイント顧客との接点オンライン広告、ウェビナー、無料トライアル、オンボーディング
行動各ステージでの具体的行動「営業管理ツール」で検索、比較サイト閲覧、デモ申込
思考顧客が考えていること「本当に使いこなせるか?」「既存ツールから移行する価値は?」
感情感情の浮き沈み期待、不安、満足、失望
ペインポイント顧客が感じる課題「導入後のサポートが不十分」「データ移行が面倒」
機会改善の余地オンボーディング動画の充実、専任サポートの配置

ペルソナの作り方:実在する人物のように描く

ペルソナは架空の顧客像ですが、実在する人物のように詳細に描くことが重要です。

項目記載内容
基本情報年齢、性別、職業、居住地、年収35歳、男性、IT企業営業部長、東京在住、年収800万円
仕事・役割職務内容、責任範囲、KPI営業チーム10名のマネジメント、月次売上目標達成がKPI
課題・悩み日常的に直面している問題Excelでの案件管理が限界、メンバーの進捗が見えにくい
目標達成したいことチーム全体の生産性を20%向上、売上予測精度の改善
情報収集方法どこで情報を得るかGoogle検索、業界メディア、LinkedInの投稿
価値観何を重視するかデータに基づく意思決定、チームの成長、効率化
1日の流れ典型的な行動パターン9時出社、午前中はチームMTG、午後は商談、夜はメール処理

ポイント:実際の顧客インタビューやデータ分析に基づいてペルソナを作成してください。想像だけで作ると、実態とかけ離れたマップになります。

カスタマージャーニーマップの作り方:10ステップ実践ガイド

では実際に作っていきましょう。10ステップを詳しく解説いたします。

ステップ1:目的とスコープを明確にする(30分)

まず「何のためにマップを作るのか」を明確にします。

よくある目的:

  • 新製品ローンチに向けた顧客体験の設計
  • 既存サービスの離脱率改善
  • オンボーディングプロセスの最適化
  • 複数部門での顧客理解の統一と顧客体験の向上

スコープの設定例:

  • 対象製品:BtoB向け営業管理SaaS
  • 対象ステージ:認知から初回契約まで(導入後は別マップで作成)
  • 対象ペルソナ:中小企業の営業責任者

目的とスコープが曖昧だと、マップが漠然としたものになります。「誰の、どの期間の、何を改善するためのマップか」を最初に決めてください。これをもとに最終的に作って運用した結果、目的を果たせたのか振り返っていきます。

ステップ2:ペルソナを作成する(1〜2時間)

前述のペルソナの表を参考に、ターゲット顧客の典型像を作成します。

データソース:

  • 既存顧客へのインタビュー(5〜10名)
  • アンケート調査
  • CRMデータの分析
  • 営業担当者やカスタマーサポートへのヒアリング

作成時の注意点:

  • 複数のペルソナを作りすぎない(最初は1〜2個が適切)
  • 実際の顧客の言葉を使う(想像やこういう人であってほしいという理想像で書かない)
  • 写真や名前をつけて具体化する

ステップ3:ジャーニーのステージを定義する(30分)

顧客体験を主要な段階に分割します。業種やビジネスモデルによって異なりますが、一般的な例は以下の通りです。

BtoCの場合: 認知 → 興味・関心 → 比較・検討 → 購入 → 使用 → リピート・推奨

BtoBの場合: 課題認識 → 情報収集 → 比較・検討 → 稟議・承認 → 導入 → 活用 → 継続・拡大

サブスクリプションサービスの場合: 認知 → 無料トライアル → 有料転換 → アクティブ利用 → 継続 → アップグレード

重要:ステージ数は5〜7個程度が適切です。多すぎると管理が大変、少なすぎると粗すぎます。

ステップ4:各ステージのタッチポイントを特定する(1時間)

顧客が各ステージで接触するすべてのチャネルや接点をリストアップします。

タッチポイントの例:

ステージタッチポイント
認知Google検索、SNS広告、業界イベント、口コミ
検討公式サイト、比較サイト、レビューサイト、ウェビナー
購入営業との商談、デモ、見積もり、契約書
使用製品UI、ヘルプセンター、カスタマーサポート、アプリ
継続メールマガジン、ユーザーコミュニティ、定期フォロー

調査方法:

  • ウェブ解析ツールでアクセス経路を分析
  • 顧客にどのチャネルを使ったか直接聞く
  • 営業やサポートチームにヒアリング

ステップ5:顧客の行動を記録する(1〜2時間)

各タッチポイントで顧客が実際に何をしているかを具体的に記述します。

例(検討ステージ):

  • Google で「営業管理ツール 比較」と検索
  • 上位3社のサイトを閲覧し、機能比較表をチェック
  • レビューサイトで実際のユーザー評価を確認
  • 無料トライアルに申し込む
  • 実際に自社データを入れて操作してみる

ポイント:

  • 「調べる」ではなく「〇〇を検索する」「△△のページを見る」と具体的に
  • 実際の顧客の行動ログやインタビュー結果を元にする
  • 想像だけで書かない

ステップ6:顧客の思考と感情を記録する(1〜2時間)

行動の裏にある思考と感情を明らかにします。これがマップの価値を大きく左右します。

思考の例:

  • 「うちのチームでも本当に使いこなせるだろうか?」
  • 「Excel から移行する手間は?データは引き継げる?」
  • 「上司を説得できる材料はあるか?」

感情の例:

  • 期待:「これで営業管理が楽になりそう」
  • 不安:「導入後のサポートは十分か?」
  • 失望:「思ったより使いにくい…」
  • 満足:「想像以上に使いやすい!」

調査方法:

  • 顧客インタビューで「その時何を考えていましたか?」と聞く
  • サポート問い合わせ内容を分析
  • SNSやレビューサイトの投稿を確認
  • 営業やサポート担当者からのフィードバック

ステップ7:ペインポイント(課題)を特定する(1時間)

顧客が各ステージで直面する障害や不満を洗い出します。

ペインポイントの分類:

分類説明
情報不足必要な情報が得られない「料金体系が複雑でわかりにくい」
選択肢過多選択肢が多すぎて決められない「類似ツールが多すぎて比較に時間がかかる」
プロセスの複雑さ手続きが煩雑「申込フォームの入力項目が多すぎる」
機能・性能不足製品が期待に応えない「データの読み込みが遅い」
サポート不足困った時のサポートがない「チャットサポートの返信が遅い」

重要:ペインポイントこそが改善の機会です。徹底的に洗い出してください。

ステップ8:内部プロセスとの連携を記録する(30分〜1時間)

顧客体験を支える社内の部署やプロセスを明記します。

例:

ステージ関連部署内部プロセス
認知マーケティング広告運用、コンテンツ制作、SEO対策
検討マーケティング、営業リード育成、ウェビナー開催
購入営業、法務商談、見積作成、契約書締結
使用カスタマーサクセスオンボーディング、活用支援
継続カスタマーサクセス定期フォロー、アップセル提案

これにより、顧客体験の改善に誰を巻き込むべきかが明確になります。

ステップ9:改善機会とKPIを設定する(1〜2時間)

ペインポイントに対する改善アイデアと、その効果を測定するKPIを設定します。

例:

ステージペインポイント改善施策KPI
認知ブランド認知度が低い業界メディアへの記事寄稿ブランド検索数、サイト流入数
検討料金体系が複雑料金シミュレーターの設置料金ページの滞在時間、トライアル申込率
購入申込フォームが長い必須項目を半分に削減フォーム完了率
使用初期設定がわかりにくいオンボーディング動画の制作初期設定完了率、初回利用までの日数
継続使いこなせていない定期的な活用セミナー開催アクティブユーザー率、解約率

ポイント:すべてのペインポイントを一度に改善しようとしない。優先順位をつけて、影響の大きいものから着手してください。

ステップ10:ビジュアル化して共有する(1〜2時間)

収集した情報を視覚的にわかりやすい図表にまとめます。

ビジュアル化のポイント:

  • 時系列が左から右に流れるレイアウト
  • 感情の起伏を折れ線グラフで表現
  • ペインポイントを赤、機会を緑などで色分け
  • A3サイズ1枚に収まるよう調整(詳細版は別途作成可)

おすすめツール:

  • Canva:デザインテンプレートが豊富、無料で使える
  • Miro:オンライン共同編集に最適、リモートワークにも便利
  • Excel/Google スプレッドシート:シンプルだが誰でも編集可能
  • PowerPoint/Google スライド:プレゼンにもそのまま使える
  • Lucidchart:プロフェッショナルな図表作成に

完成したマップは、関係部署と共有し、フィードバックを得ながら改善していきます。

BtoBとBtoCで異なるカスタマージャーニー

カスタマージャーニーマップは、BtoB(法人向け)とBtoC(個人向け)で大きく異なります。

BtoBとBtoCの違い

要素BtoBBtoC
意思決定者複数人(使用者・決裁者・購買部門が分離)個人または家族
購買期間数週間〜数ヶ月(稟議プロセスあり)即決〜数日
検討の深さ深い(ROI、リスク、移行コストを重視)浅い(感情や直感も重視)
タッチポイントウェビナー、ホワイトペーパー、営業商談SNS、広告、店舗、ECサイト
購入後導入支援、定期フォロー、契約更新使用、リピート購入、口コミ
感情の役割論理的判断が中心(ただし信頼感も重要)感情的判断が大きい

BtoBカスタマージャーニーの特徴

複数の関係者を考慮する BtoBでは、ツールを実際に使う「ユーザー」、予算を承認する「決裁者」、契約手続きを行う「購買担当者」など、複数の関係者が登場します。それぞれのペルソナと、その人たちが重視するポイントを把握する必要があります。

ステージ例: 課題認識 → 情報収集 → ベンダー選定 → 社内稟議 → 導入・移行 → 活用支援 → 契約更新

重要なタッチポイント:

  • 業界レポートやホワイトペーパー
  • ウェビナーやセミナー
  • デモや無料トライアル
  • 導入事例
  • カスタマーサクセスチームによる伴走支援

BtoCカスタマージャーニーの特徴

感情の起伏が激しい BtoCでは、顧客の感情が購買に大きく影響します。SNSでの口コミ、インフルエンサーの投稿、店舗での接客など、感情を動かすタッチポイントが重要です。

ステージ例: 認知 → 興味 → 比較 → 購入 → 使用 → リピート → 推奨

重要なタッチポイント:

  • SNS広告やインフルエンサーマーケティング
  • ECサイトのレビューや評価
  • 店舗での体験(試着、試食、接客)
  • アプリやメールでのリテンション施策
  • ロイヤルティプログラム

実践例:3つの業界別カスタマージャーニーマップ

事例1:BtoB SaaS(営業管理ツール)

ペルソナ:中小企業の営業部長、35歳男性、チーム10名管理、Excelでの案件管理に限界を感じている

ジャーニーマップ(簡易版):

要素課題認識情報収集比較検討稟議・承認導入・移行活用契約更新
タッチポイント業界メディア記事、同僚からの相談Google検索、比較サイト、業界セミナー各社ウェブサイト、無料トライアル、営業との商談社内会議、上司への報告、稟議書作成キックオフMTG、データ移行作業、社内説明会日次の利用、サポートへの問合せ、活用セミナー利用状況レビュー、更新検討会議、CS担当との面談
行動月次報告でメンバーの進捗が把握できず焦る「営業管理ツール 比較」で検索、上位3社をリストアップ各社のデモを視聴、無料トライアルで実際に触るROI試算資料を作成、IT部門と調整、上司にプレゼン過去の案件データをCSV出力、移行計画を策定、チームに使い方を説明日々の案件入力、週次でダッシュボード確認、困ったらサポートに連絡1年間の利用データを分析、費用対効果を算出、他ツールと比較
思考「このままでは目標達成が危うい」「もっと効率的な方法はないか」「どのツールが自社に合うのか」「価格は予算内か」「導入実績は十分か」「本当に使いこなせるか」「現場が受け入れてくれるか」「ROIは出せるか」「上司を説得できるか」「IT部門の承認は得られるか」「導入リスクは?」「スムーズに移行できるか」「チームが使えるようになるか」「業務が止まらないか」「この機能はどう使う?」「もっと効率的な使い方は?」「他チームの事例は?」「継続する価値はあるか」「もっと良いツールは出ていないか」「値上げは妥当か」
感情焦り、ストレス期待、不安興味、迷い、プレッシャー緊張、希望不安、期待満足/不満、達成感安心/疑念
ペインポイントExcel管理の限界、進捗の見える化ができない情報が多すぎて選べない、比較基準が不明確無料期間が短すぎる、自社データでの検証が難しいROI計算の根拠が弱い、IT部門の懸念事項が多いデータ移行が想定より複雑、初期設定のサポートが不足高度な機能が使いこなせない、他メンバーの活用度にばらつき利用状況の可視化が不十分、競合ツールの進化が気になる
関連部署営業部営業部、マーケティング部営業部、IT部営業部、IT部、経営層営業部、IT部、CS営業部、CS営業部、経営層、CS
改善機会課題解決の成功事例コンテンツわかりやすい比較表、選定チェックリスト30日間トライアル、導入コンサル付きデモROI計算ツール、稟議書テンプレート、セキュリティ資料専任の導入支援、データ移行代行、段階的ロールアウト役職別の活用ガイド、定期セミナー、ベストプラクティス共有利用状況レポート、継続特典、ロードマップ共有
KPIブランド認知度、SEO順位サイト訪問数、資料DL数トライアル申込率、デモ参加率商談→受注率、検討期間導入完了率、初回利用までの日数DAU/MAU、機能利用率、サポート満足度継続率、アップグレード率、NPS

成果:

  • トライアル申込率:20%向上
  • トライアルから有料転換率:15%→28%に改善
  • 初期解約率:12%→6%に減少

事例2:BtoC EC(アパレルブランド)

ペルソナ: 30代女性、都内在住、会社員、ファッション好き、週末にショッピング、SNSで情報収集

ジャーニーマップ(簡易版):

要素認知興味・関心比較検討購入受取・開封使用リピート・推奨
タッチポイントInstagram広告、インフルエンサー投稿、友人の口コミブランドInstagram、公式サイト、Google検索商品ページ、レビュー、他ブランドサイト、店舗ECサイト、カート、決済画面配送メール、商品開封実際の着用、洗濯、保管リピート購入、SNS投稿、友人への推薦
行動通勤中にInstagramをスクロール、気になる投稿を保存ブランドアカウントをフォロー、投稿を遡って閲覧、公式サイトで商品チェック商品詳細を確認、レビューを読む、ZOZOなど他サイトと比較、実店舗で試着カートに追加、クーポン検索、会員登録、決済情報入力、注文確定配送状況を確認、ポストから受取、開封して試着通勤服として着用、週末のお出かけに着用、ネットに入れて洗濯お気に入りになり再購入、着用写真をInstagramにアップ、友人に「これいいよ」と紹介
思考「このブランドおしゃれ」「私に似合いそう」「どんなアイテムがあるの?」「価格帯は?」「サイズ展開は?」「本当に似合う?」「サイズ選び失敗しないかな」「他にもっと良いものは?」「送料込みでいくら?」「今買うべき?セール待つ?」「返品できる?」「早く届かないかな」「イメージ通りかな」「サイズ大丈夫かな」「思った通り!」「色が微妙に違う…」「意外と合わせやすい」「また買いたい」「このブランド好き」「友達にも教えよう」
感情😊興味、ワクワク🙂期待、好奇心😟迷い、不安😬緊張、期待😃楽しみ、ドキドキ😄満足 / 😞失望😍愛着、誇り
ペインポイントブランドを知らない、信頼性がわからない着用イメージが湧かない、サイズ感が不明実物を見られない、色味が画面と違う可能性、返品条件が厳しい送料が高い、会員登録が面倒、決済方法が少ない配送が遅い、不在で受け取れない思っていた色と違う、生地が薄い、サイズが合わない新作情報が届かない、リピート購入の特典がない
改善機会インフルエンサーマーケティング強化、UGC活用着用動画の充実、詳細なサイズガイド、スタッフコーディネート紹介360度画像、詳細な色味説明、無料返品制度、店舗試着予約送料無料キャンペーン、ゲスト購入対応、多様な決済手段翌日配送、コンビニ受取、開封動画の推奨正確な商品説明、ケア方法の同梱、スタイリング提案LINE公式で新作情報、リピーター割引、UGC投稿キャンペーン
KPIリーチ数、ブランド検索数、SNSフォロワー増加数サイト訪問数、ページビュー、滞在時間カート追加率、商品ページ→カート遷移率CVR、平均購入額、決済完了率配送満足度、開封動画投稿数返品率、レビュー投稿数、評価平均リピート率、LTV、SNS投稿数、NPS

成果:

  • ECサイトのCVR:2.1%→3.5%に向上
  • リピート購入率:18%→28%に改善
  • Instagram経由の売上:月間200万円→450万円に増加

事例3:BtoC サブスクリプション(オンライン英語学習)

ペルソナ: 28歳男性、IT企業勤務、キャリアアップのため英語力向上が必要、通勤時間に学習したい

ジャーニーマップ(簡易版):

ステージ行動感情ペインポイント改善施策
認知「英語学習 アプリ」で検索、YouTube広告を見る興味どのアプリが自分に合うかわからないレベル診断テストの提供
無料トライアルアプリをダウンロード、7日間無料で試す期待、不安継続できるか不安ゲーミフィケーション、学習リマインド通知
有料転換月額プランに登録決意料金が高いと感じる年間プランの割引、学習継続特典
アクティブ利用毎日10分学習を継続達成感モチベーションが続かない学習ストリーク機能、目標達成バッジ
中だるみ学習頻度が減る罪悪感忙しくて学習時間が取れない3分レッスンの追加、朝・昼・夜の選択肢
再活性化新機能の通知で再開再燃進捗が見えない学習進捗の可視化、TOEIC予測スコア
継続3ヶ月以上継続利用満足飽きてきたレベル別コンテンツ追加、AI会話練習
推奨友人に勧める誇り紹介特典がない紹介者・被紹介者双方に1ヶ月無料

成果:

  • 無料トライアルから有料転換率:12%→22%に向上
  • 3ヶ月継続率:35%→58%に改善
  • 紹介経由の新規登録:月間50人→180人に増加

ぜひこれらの型を例に自社のカスタマージャーニーマップを作成してみてください。

よくある失敗パターンと対策

次に、カスタマージャーニーマップ作成でよくある失敗と、その対策を紹介します。これを押さえておくことで効率的、効果的なマップの作成につながります。

失敗1:作って満足、使われない

症状: マップを作成したものの、その後誰も見返さず、施策に活用されない。

原因:

  • 作成が目的化している
  • 関係者を巻き込んでいない
  • 具体的なアクションに落とし込んでいない

対策:

  • 作成段階から関係部署を巻き込む(ワークショップ形式で作成)
  • マップから具体的な改善施策とKPIを設定する
  • 定期的(四半期ごとなど)に見直す機会を設ける
  • 社内の共有スペースに掲示、Slack/Teamsで共有

失敗2:理想的すぎる顧客像を描いている

症状: 実際の顧客の行動や感情とかけ離れた、企業目線のマップになっている。

原因:

  • 実際のデータや顧客の声を集めていない
  • 「こうあってほしい」という願望で作成
  • マーケティング部門だけで作成

対策:

  • 必ず顧客インタビューやアンケートを実施
  • サポート問い合わせ、レビュー、SNSの声を分析
  • 営業やカスタマーサポートからのフィードバックを反映
  • 「顧客の声」を直接引用する

失敗3:情報が多すぎて複雑

症状: 細かすぎて全体像が見えない、情報過多で誰も理解できない。

原因:

  • すべての情報を1枚に詰め込もうとしている
  • ステージが細かすぎる(10個以上など)

対策:

  • サマリー版(A3×1枚)と詳細版を分ける
  • ステージは5〜7個に抑える
  • 最初はシンプルなマップから始め、徐々に詳細化
  • 重要なペインポイントに絞って記載

失敗4:一度作ったら更新しない

症状: 市場環境や顧客ニーズが変わっても、マップが古いまま。

原因:

  • 更新のタイミングやルールが決まっていない
  • マップのオーナーが不在

対策:

  • 更新頻度を決める(四半期ごと、新製品リリース時など)
  • マップのオーナーを決める(マーケティング責任者など)
  • 顧客フィードバックがあったらSlackで共有し、マップに反映するルール化

失敗5:部門ごとにバラバラのマップを作っている

症状: マーケ、営業、CSがそれぞれ異なるマップを作り、共通認識が生まれない。

原因:

  • 部門間でのコミュニケーション不足
  • 全社的なマップ作成の主導者がいない

対策:

  • 全社横断のプロジェクトとして実施
  • 経営層がコミットし、重要性を発信
  • 各部門の代表者を集めてワークショップ形式で作成

失敗する企業は非常に多く、あなたの企業がそのパターンに陥らないようにぜひ把握しておいてください。こちらの記事でも失敗する原因と対策を詳しく解説しています。

無料で使えるカスタマージャーニーマップ テンプレート

すぐに使えるテンプレートを用意しました。自社の状況に合わせてカスタマイズしてください。

テンプレート1:基本型(BtoC向け)

【ペルソナ】
名前:[名前を設定]
年齢・性別:[例:30代女性]
職業:[例:会社員]
課題:[例:通勤時間を有効活用したい]

【カスタマージャーニー】

ステージ認知興味・関心比較・検討購入使用リピート・推奨
タッチポイント
行動
思考
感情😐🙂😟😊😄😍
ペインポイント
機会
KPI

テンプレート2:詳細型(BtoB向け)

【ペルソナ】
名前:[名前を設定]
役職:[例:営業部長]
企業規模:[例:従業員100名]
課題:[例:営業の可視化と予実管理]
目標:[例:売上予測精度の向上]

【カスタマージャーニー】

要素課題認識情報収集比較検討稟議・承認導入活用継続・拡大
タッチポイント
行動
思考
感情
ペインポイント
関係者
社内部門
改善施策
KPI

テンプレート3:サブスクリプション型

【ペルソナ】
名前:[名前を設定]
年齢・性別:[例:20代男性]
利用目的:[例:スキルアップ]
利用頻度:[例:週3回]

【カスタマージャーニー】

ステージ認知無料トライアル有料転換アクティブ利用中だるみ再活性化継続・推奨
タッチポイント
行動
感情
ペインポイント
機会
KPI登録数トライアル完了率有料転換率週次利用率休眠率復帰率継続率、NPS

テンプレートのダウンロード

Canvaテンプレート: Canvaで「カスタマージャーニーマップ」と検索すると、多数の無料テンプレートが見つかります。視覚的に美しいマップを簡単に作成できます。

Screenshot

Miroテンプレート: Miroのテンプレートライブラリに豊富なカスタマージャーニーマップテンプレートがあります。オンラインでチーム共同編集できるので、リモートワークにも最適です。

Screenshot

Excel/Googleスプレッドシート: シンプルで誰でも編集しやすいため、最初はこれらのツールから始めるのもおすすめです。

カスタマージャーニーマップ

このテンプレート(googleスプレッドシート)を活用されたい方はぜひお問い合わせください。無料で差し上げます。

テンプレートを無料でもらう

カスタマージャーニーマップの活用法:作った後が重要

さて、マップを作成したらそれで終わりではありません。マップを作っただけでは工数がかかっただけで何も数字の変化を及ぼしていません。実際のビジネス改善にどう活用するかが重要です。

活用法1:顧客体験の改善

ペインポイントを優先順位付けし、具体的な改善施策を実行します。

優先順位の付け方:

  • インパクト(顧客満足度への影響)× 実現容易性(工数・コスト)のマトリクスで評価
  • 複数のステージに影響する施策を優先
  • クイックウィンできる施策から着手

例:

  • 申込フォームの項目削減(実装:小、インパクト:大)→ まず着手
  • オンボーディング動画の制作(実装:中、インパクト:大)→ 次に実施
  • AI chatbotの導入(実装:大、インパクト:中)→ 後回し

活用法2:新製品・サービスの開発

カスタマージャーニーで見つかった未解決の課題は、新たな製品開発の機会です。

例:

  • ペインポイント「データ移行が大変」→ データ移行支援サービスを有料で提供
  • ペインポイント「使いこなせない機能が多い」→ 初心者向けの簡易版プランを新設

活用法3:マーケティング戦略の最適化

各ステージに最適なマーケティング施策を設計します。

ステージ施策例
認知SEOコンテンツ、SNS広告、業界イベントへの出展
興味・検討ホワイトペーパー、ウェビナー、メールナーチャリング
購入無料トライアル、デモ、限定オファー
使用オンボーディングメール、チュートリアル動画
継続定期フォロー、ユーザーコミュニティ、新機能のアップデート
推奨紹介プログラム、ケーススタディへの協力依頼

活用法4:部門間連携の強化

カスタマージャーニーマップを共通言語として、部門間のコミュニケーションを円滑化します。

活用シーン:

  • 全社会議でマップを使って顧客体験の課題を共有
  • 新製品開発会議で、どのペインポイントを解決するかを議論
  • 営業とマーケの定例会で、リード育成のプロセスを確認

活用法5:KPIの設定と効果測定

各ステージにKPIを設定し、定期的にモニタリングします。

KPIの例:

ステージKPI
認知ブランド認知度、ウェブサイト訪問数、SNSフォロワー数
検討資料請求数、ウェビナー参加者数、サイト滞在時間
購入CVR、申込数、平均購入額
使用アクティブユーザー率、機能利用率、サポート問い合わせ数
継続継続率、アップグレード率、NPS(Net Promoter Score)

PDCAサイクル:

  1. Plan:マップから改善施策を決定
  2. Do:施策を実行
  3. Check:KPIで効果測定
  4. Action:結果をマップにフィードバック、次の施策を立案

カスタマージャーニーマップの最新トレンド

カスタマージャーニーマップの作成においても、昨今の顧客トレンドやAIを考慮して取り入れていくことでより現場で使えるカスタマージャーニーマップが作成できるでしょう。

トレンド1:オムニチャネル統合

顧客は複数のチャネルを行き来します。オンラインとオフライン、PCとスマホ、店舗とECなど、すべてのタッチポイントでシームレスな体験を提供することが求められています。

実践例:

  • ECで購入した商品を店舗で受け取れる
  • 店舗で試着した商品をアプリで後日購入
  • チャットサポートでの問い合わせ履歴が電話サポートでも共有されている

トレンド2:AIとデータ活用

AIと機械学習を活用し、リアルタイムで顧客行動を分析し、パーソナライズされた体験を提供します。

活用例:

  • ウェブサイトの行動データから離脱しそうな顧客を予測し、チャットで声かけ
  • 過去の購買履歴から次に欲しい商品をレコメンド
  • メール開封率やクリック率を分析し、最適な配信タイミングを学習

トレンド3:マイクロモーメントの重視

Googleが提唱する「マイクロモーメント」——顧客が瞬間的に行動を起こすタイミングをとらえることが重要です。

4つのマイクロモーメント:

  • 知りたい(I-want-to-know):情報を探している
  • 行きたい(I-want-to-go):近くの店舗を探している
  • したい(I-want-to-do):何かを実行したい
  • 買いたい(I-want-to-buy):購入の準備ができた

これらの瞬間に適切な情報を提供することで、顧客体験を大きく向上できます。

トレンド4:カスタマーライフタイムバリュー(CLV)の統合

単発の購入だけでなく、顧客の生涯価値を考慮したジャーニーマップが増えています。

例:

  • 購入後のアフターサービスやサポート体験を重視
  • リピート購入やアップセルのタイミングを設計
  • ロイヤルティプログラムで長期的な関係を構築

トレンド5:サステナビリティの考慮

環境や社会への配慮が顧客の購買判断に影響する時代です。カスタマージャーニーに「サステナビリティ」の視点を組み込む企業も増えています。

例:

  • 製品のリサイクル方法を購入後のステージで案内
  • 環境に配慮した配送オプションの提供
  • サステナブルな調達方法を商品ページで説明

まとめ:明日から始めるNext Action

カスタマージャーニーマップは、顧客中心のビジネスを実現するための強力なツールです。この記事の内容をまとめます。

Key Takeaways

項目要点
カスタマージャーニーマップとは顧客が製品やサービスに出会ってから購入後まで、すべての接点における体験を可視化した図表
8つの構成要素ペルソナ、ステージ、タッチポイント、行動、思考、感情、ペインポイント、機会
作り方の10ステップ目的設定→ペルソナ作成→ステージ定義→タッチポイント特定→行動・思考・感情記録→ペインポイント特定→内部プロセス連携→機会とKPI設定→ビジュアル化→共有
BtoBとBtoCの違いBtoBは意思決定者が複数、購買期間が長い、論理的判断が中心。BtoCは個人決定、感情的判断が大きい
よくある失敗作って満足、理想的すぎる、情報過多、更新しない、部門ごとにバラバラ
活用法顧客体験改善、新製品開発、マーケティング最適化、部門間連携、KPI設定と効果測定

あなたが明日から取るべき3つのアクション

アクション1:まず小さく始める(所要時間:2時間)

  • 自社の主要顧客1人をペルソナとして設定
  • 認知から購入までの5つのステージを定義
  • 簡易版のマップを1枚作成(エクセルやパワポでOK)

アクション2:関係者を巻き込む(所要時間:1時間)

  • マーケ、営業、CSの代表者各1名と30分のミーティング
  • 簡易版マップを見せて、各部署の視点でフィードバックをもらう
  • 最も改善が必要なペインポイントを3つ特定

アクション3:改善施策を1つ実行する(所要時間:1週間)

  • 特定したペインポイントの中から、最も簡単に改善できるものを選ぶ
  • 具体的な改善施策を決め、実行する
  • KPIを設定し、1週間後に効果を測定

最後に:顧客を中心に考える文化を作る

カスタマージャーニーマップは、単なるフレームワークではありません。「顧客を中心に考える」という文化を組織に根付かせるための第一歩です。

完璧なマップを作ることが目的ではありません。まず作ってみる、使ってみる、改善する——このサイクルを回すことが重要です。

あなたのビジネスの成功を心から応援しています。今日からカスタマージャーニーマップを活用し、顧客に選ばれ続ける企業を目指してください。

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この記事を書いた人
tomihey

■運営者について
本ブログの運営者のtomiheyです。
マーケティング領域で14年間約200ブランド以上に関わってきました。

■本ブログの内容
主に、Who/What/Howフレームもとに実際のブランドを分析し、ブランドの成長、失敗に関する悩みや解決策を解説しています。

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