カーブスの3C分析とWho/What/Howの詳細整理 - 勝手にマーケティング分析
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カーブスの3C分析とWho/What/Howの詳細整理

カーブス 企業を勝手に分析
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カーブスは、女性専用の30分フィットネスクラブチェーンです。本記事では、カーブスの3C分析(顧客、競合、自社)を行い、その戦略的ポジショニングを詳細に探ります。さらに、カーブスのWho/What/How分析を通じて、その成功の秘訣を明らかにします。最後に、カーブスのマーケティング戦略から学べる重要な洞察を提供します。

カーブスの顧客分析:女性向けフィットネス市場

市場規模と成長性

日本のフィットネス市場は、近年変動を経験しています。2021年の市場規模は約3,700億円でした。その後、2022年(令和4年)には市場規模が4,503億円まで回復しました。これは、コロナ禍からの回復傾向を示しています。

しかし、この数字は2019年のコロナ禍前の市場規模(5,195億円)と比較すると、まだ完全な回復には至っていないことがわかります。

成長率に関しては、2021年から2022年にかけて約21.7%の成長を示しています。これは、コロナ禍からの回復過程における大幅な成長と言えるでしょう。

出典:
https://business.fitnessclub.jp/articles/-/1736

カーブスの市場シェア

残念ながら、提供された情報源にはカーブスの具体的な市場シェアに関するデータが含まれていませんでした。しかし、日本のフィットネス業界における重要なプレイヤーの一つであることは確かです。

カーブスに関連する一般的な情報としては、以下のようなものがあります:

  1. カーブスは女性専用の30分フィットネスとして知られており、独自のビジネスモデルを展開しています。
  2. コロナ禍以降、大型ジムよりも小規模で特化型のジムが好まれる傾向にあり、カーブスのようなコンセプトのジムが注目を集めています。
  3. フィットネス業界全体として、パーソナルトレーニングや少人数制のトレーニングへの需要が高まっており、カーブスのビジネスモデルはこの傾向に合致しています。

具体的な市場シェアを把握するためには、より詳細な業界レポートや企業の財務情報を参照する必要があります。

出典:
https://sharez-gym.com/blog/japanese-fitness-market-feature/
https://hacogym.jp/fc/fccolumn/after_corona_fitness
https://fitness.ismcdn.jp/common/files/data/pdf/trend_2021.pdf

プロダクトライフサイクル

日本市場におけるカーブスは成熟期にありますが、高齢化社会や健康志向の高まりにより、成長の余地があります。

顧客セグメント

  1. 中高年女性(40-70代):健康維持や体力向上を目指す層
  2. ダイエット志向の女性:体型改善を目的とする層
  3. 運動初心者:フィットネスジムに抵抗がある層
  4. 時間に制約のある女性:効率的な運動を求める層

顧客のJOB(解決したい課題)

機能的課題情緒的課題社会的課題
健康維持・改善自信の獲得コミュニティへの所属
体型改善ストレス解消社会参加
効率的な運動達成感の獲得健康的なライフスタイルの実現
安全な運動環境自己肯定感の向上同世代との交流

カーブス市場のPLESTE分析

要因機会脅威
政治的(P)健康増進政策の推進感染症対策による営業制限
法的(L)健康経営優良法人認定制度個人情報保護法の厳格化
経済的(E)健康関連支出の増加景気後退による消費縮小
社会的(S)高齢化社会の進展若年層の運動離れ
技術的(T)オンラインフィットネスの普及デジタル技術への投資負担
環境的(E)持続可能な健康ソリューションへの需要気候変動による電力コスト上昇

カーブスの競合分析:女性向けフィットネス市場における差別化戦略

主要競合

  1. RIZAP(ライザップ)
  2. ホットヨガスタジオLAVA
  3. エニタイムフィットネス

競合のSWOT分析とWho/What/How

RIZAP

SWOT内容
強み(S)パーソナルトレーニングの高い専門性
弱み(W)高価格帯
機会(O)結果にこだわる顧客層の拡大
脅威(T)低価格ジムの台頭

Who/What/How:

  • Who: 短期間で劇的な変化を求める顧客
  • What: 専門的なパーソナルトレーニング
  • How: 高額・短期集中プログラム

ホットヨガスタジオLAVA

SWOT内容
強み(S)ホットヨガ専門店としてのブランド力
弱み(W)設備投資コストの高さ
機会(O)ヨガ人口の増加
脅威(T)類似サービスの増加

Who/What/How:

  • Who: 美容と健康を求める女性
  • What: ホットヨガによるデトックス効果
  • How: 高温環境でのヨガクラス

エニタイムフィットネス

SWOT内容
強み(S)24時間営業の利便性
弱み(W)個別指導の不足
機会(O)時間に制約のある顧客層の取り込み
脅威(T)セキュリティリスク

Who/What/How:

  • Who: 時間に制約のある顧客
  • What: いつでも利用可能なジム設備
  • How: 24時間営業・低価格モデル

カーブスの自社分析:女性専用フィットネスのリーディングカンパニー

SWOT分析

要素内容
強み(S)1. 女性専用の安心感
2. 30分の効率的なプログラム
3. 全国2,000店舗以上のネットワーク
4. コミュニティ形成による高い継続率
5. 独自の油圧マシンによる安全性
6. フランチャイズモデルによる急速な展開
7. 中高年女性に特化したマーケティング
弱み(W)1. 若年層への訴求力不足
2. 設備の老朽化
3. トレーナーの質のばらつき
4. デジタル化への対応遅れ
5. 男性顧客の取り込み不可
6. 高額な初期費用
7. プログラムの画一性
機会(O)1. 健康志向の高まり
2. 高齢化社会の進展
3. 女性の社会進出増加
4. オンラインフィットネスの需要
5. 企業の健康経営推進
6. 地方創生への貢献可能性
7. 海外展開の余地
脅威(T)1. 低価格ジムの台頭
2. 感染症リスクによる来店減少
3. 人口減少
4. 人件費の上昇
5. 競合他社のサービス多様化
6. 健康アプリの普及
7. 景気後退による支出抑制

戦略提案

戦略内容
SO戦略1. 高齢者向け特化プログラムの開発
2. 企業向け健康経営支援サービスの展開
3. 地域コミュニティ活性化プロジェクトの実施
WO戦略1. オンラインプログラムの強化
2. 若年層向けSNSマーケティングの展開
3. AIを活用したパーソナライズトレーニングの導入
ST戦略1. 会員制度の強化によるロイヤルティ向上
2. 感染症対策を前面に出したプロモーション
3. 独自の健康管理アプリの開発
WT戦略1. フランチャイズ店舗の選択と集中
2. 低価格プランの導入検討
3. 他業種とのコラボレーションによる新規顧客獲得

カーブスのWho/What/How分析

パターン1:中高年女性向け

項目内容
Who(誰)40-70代の健康志向の中高年女性
Who(JOB)健康維持、体力向上、社会参加
What(便益)安全で効果的な運動、コミュニティ形成
What(独自性)女性専用、30分の効率的プログラム
What(RTB)独自の油圧マシン、全国展開のネットワーク
How(プロダクト)30分サーキットトレーニング
How(コミュニケーション)テレビCM、口コミマーケティング
How(場所)全国2,000店舗以上、駅近・住宅地
How(価格)月会費制、中価格帯

一言で言うと:「中高年女性の健康的なライフスタイルを支える身近なフィットネスクラブ」

パターン2:運動初心者向け

項目内容
Who(誰)フィットネス未経験の20-50代女性
Who(JOB)運動習慣の獲得、体型改善
What(便益)初心者でも安心な環境、短時間で効果的な運動
What(独自性)女性専用、指導員によるサポート
What(RTB)独自のトレーニングメソッド、コミュニティサポート
How(プロダクト)初心者向けオリエンテーション、段階的プログラム
How(コミュニケーション)SNS広告、無料体験キャンペーン
How(場所)住宅地近くの小規模店舗
How(価格)入会金割引キャンペーン、月会費制

一言で言うと:「運動初心者女性の不安を解消し、健康的な生活への第一歩を支援するフィットネスクラブ」

ここがすごいよカーブスのマーケティング

カーブスは、競合や代替手段がある中で、以下の独自性により顧客から選ばれています:

  1. 女性専用の安心感:他の大型ジムやミックスジムと異なり、女性だけの空間を提供することで、運動に対する心理的障壁を下げています。
  2. 30分の効率性:忙しい現代女性のライフスタイルに合わせた、短時間で効果的なプログラムを提供しています。
  3. コミュニティ形成:単なる運動の場ではなく、同世代の女性との交流の場を提供し、継続的な利用を促進しています。
  4. 全国展開によるアクセシビリティ:2,000店舗以上の全国ネットワークにより、どこでも利用できる利便性を提供しています。
  5. 中高年女性に特化したマーケティング:ターゲットを明確に絞り込むことで、効果的なコミュニケーションを実現しています。

マーケターがカーブスから学べる重要な洞察:

  1. ニッチ市場の開拓:特定のターゲット(中高年女性)に絞り込むことで、独自のポジショニングを確立できます。
  2. 顧客の潜在的ニーズへの対応:「運動したいけど大型ジムは苦手」という潜在的なニーズを掘り起こし、新しい市場を創造しています。
  3. バリアフリーな参入障壁:初心者でも気軽に始められる環境を整えることで、新規顧客の獲得を容易にしています。
  4. コミュニティ形成による顧客維持:単なるサービス提供だけでなく、顧客同士のつながりを促進することで、長期的な関係性を構築しています。
  5. フランチャイズモデルの活用:急速な店舗展開と地域に根ざしたオペレーションを両立させています。
  6. 一貫したブランドメッセージ:「30分」「女性専用」というシンプルで明確なメッセージを一貫して発信しています。

これらの戦略を自社のコンテキストに適用することで、特定の顧客セグメントに強く支持されるブランドを構築し、持続可能なビジネスモデルを確立することができるでしょう。カーブスの成功は、顧客ニーズを深く理解し、それに応える独自の価値提案を行うことの重要性を示しています。

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

https://user-in.co.jp/
https://x.com/tomiheyhey

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