CRMデータがグチャグチャ?今すぐできるデータ整備のガイド【2025年最新版】 - 勝手にマーケティング分析
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CRMデータがグチャグチャ?今すぐできるデータ整備のガイド【2025年最新版】

CRMデータがグチャグチャ?今すぐできるデータ整備のガイド マーケの応用を学ぶ
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はじめに

「CRMを導入したのに、なんだか使いにくい...」 「同じお客様の情報があちこちに散らばってて、どれが最新かわからない」 「チームメンバーごとに入力方法がバラバラで、データ分析どころじゃない」

こんな悩み、抱えていませんか?

実は、CRM導入企業の約60%が「データの質」に課題を感じているんです。(参考:Datelere)せっかく高いお金を払ってCRMを導入したのに、肝心のデータがグチャグチャだと、宝の持ち腐れになってしまいますよね。

でも安心してください。データ整備って、実は正しい手順を踏めば、誰でもできるんです。今回は、特に多い3つの課題「一意のIDがない」「重複データだらけ」「入力方法がバラバラ」を中心に、明日から使える具体的な解決方法をお伝えします。

なぜCRMのデータ整備が売上に直結するのか

データの質が営業成果を左右する理由

みなさん、こんな経験ありませんか?「あのお客様、前に誰か訪問してたっけ?」と思ってCRMを検索したら、同じ会社名が5件も出てきて、どれが正しいのかわからない...。結局、お客様に「以前お伺いした者がおりまして...」と曖昧な話しかできず、信頼を失ってしまう。

これ、データ整備ができていないCRMあるあるなんです。

データが汚い場合の影響具体的な損失改善後の効果
重複データによる混乱顧客対応に平均15分の無駄対応時間を50%削減
IDがないため追跡不可商談履歴の30%が行方不明全商談を100%可視化
入力のバラつき分析精度が40%低下正確な売上予測が可能に

データ整備をすることで、営業チームの生産性は平均で25〜30%向上すると言われています。つまり、8時間の仕事が6時間で終わるようになるんです。残りの2時間で、新規開拓や既存顧客のフォローに時間を使えたら、売上はどれだけ伸びるでしょうか?

課題1:一意のIDがない問題を解決する

なぜ一意のIDが必要なのか

「ID」って聞くと、なんだか難しそう...と思うかもしれません。でも、これ、実はめちゃくちゃシンプルな話なんです。

例えば、「田中太郎さん」という名前の人が社内に3人いたとします。メールで「田中さんにお願いしたい」と言われても、どの田中さんかわからないですよね?でも、社員番号があれば「社員番号A001の田中さん」と特定できます。これが一意のIDの役割です。

具体的なID付与の方法

それでは、実際にどうやってIDを付けていけばいいのか、ステップバイステップで説明しますね。

ステップ1:現状のデータを棚卸しする

まずは、今あるデータにどんな項目があるのか確認しましょう。エクセルやCSVでエクスポートして、全体像を把握することから始めます。

確認項目チェックポイント対応方法
既存のID項目顧客コード、管理番号などがあるかあれば活用、なければ新規作成
データの総数何件のデータがあるか桁数を決める参考にする
カテゴリー分け法人/個人、地域などIDの先頭文字で分類可能

ステップ2:ID体系を設計する

IDの付け方には、いくつかのパターンがあります。ここでは、実務で使いやすい3つの方法を紹介します。

ID体系メリットデメリット
連番型000001, 000002...シンプルで管理しやすい意味がわかりにくい
カテゴリー+連番型C-000001(法人)
P-000001(個人)
一目で分類がわかるカテゴリー変更時に困る
日付+連番型202501-001登録時期がわかる桁数が多くなる

個人的におすすめなのは、カテゴリー+連番型です。パッと見てどんな顧客かわかるので、日々の業務で使いやすいんですよね。

なお、一般的なCRMであれば、データに一意のIDが付与されますのでそれを使うものおすすめです。例)HubspotならレコードID

ステップ3:既存データにIDを付与する

さて、いよいよ実際にIDを付けていきます。ここで大事なのは、一気に全部やろうとしないこと。まずは重要な顧客から順番に進めていきましょう。

graph TD A[既存データ全体] --> B{優先順位をつける} B --> C[Aランク顧客<br>売上上位20%] B --> D[Bランク顧客<br>定期取引先] B --> E[Cランク顧客<br>その他] C --> F[1週間で完了] D --> G[2週間で完了] E --> H[1ヶ月で完了] style C fill:#ff9999 style D fill:#ffcc99 style E fill:#ffff99

エクセルを使った具体的な付与方法もお伝えしますね。CONCATENATE関数(文字列を結合する関数)を使えば、簡単にIDを生成できます。

例:=CONCATENATE("C-",TEXT(ROW()-1,"000000"))

これで「C-000001」「C-000002」と自動的にIDが生成されます。

課題2:重複データを見つけて統合する

重複が起きる原因と影響

「株式会社ABC」「ABC株式会社」「(株)ABC」「ABC」...同じ会社なのに、なんでこんなにバラバラに登録されちゃうんでしょうか?

実は、これには3つの主な原因があるんです。

重複の原因具体例
表記ゆれ株式会社の位置、カタカナ/ひらがな
入力ミスタイポ、漢字の間違い
複数経路からの登録Web問い合わせ、名刺交換、紹介

重複データがあると、同じお客様に複数の営業担当が別々にアプローチしてしまうなんてことが多発します。これ、お客様からしたら「この会社、大丈夫?」って思われちゃいますよね。

重複データの見つけ方

重複を見つけるには、いくつかのアプローチがあります。順番に試していくことで、かなりの重複を発見できます。

方法1:完全一致で検索

まずは、完全に同じデータを探します。CRMの重複チェック機能やエクセルの「重複の削除」機能を使えば、簡単に見つけられます。

参考:Hubspotの重複削除機能

方法2:部分一致で検索

次に、会社名の一部が一致するものを探します。例えば「ABC」で検索すると、「株式会社ABC」も「ABC商事」も出てきます。

検索キーワード見つかるパターン注意点
会社名の主要部分前後の株式会社を除いた部分略称も確認する
電話番号ハイフンあり/なし両方代表番号と直通番号
メールドメイン@以降の部分グループ会社に注意

方法3:あいまい検索を活用

ちょっと高度ですが、ファジーマッチング(あいまい一致)という方法もあります。「トウキョウ」と「東京」、「2」と「二」なども同じものとして検索できるんです。

エクセルのFuzzy Lookupアドインや、専門のデータクレンジングツールを使うと、こういった検索ができます。ただ、最初は手動でチェックする方が確実かもしれません。

重複データの統合手順

重複が見つかったら、次は統合です。ここで大切なのは、どのデータを残すかの基準を決めること。

統合時のチェックリスト

統合する前に、必ず以下の項目を確認しましょう。

確認項目なぜ重要?対応方法
商談履歴過去の経緯がわからなくなる全履歴を1つに集約
担当者情報複数の窓口がある場合部署ごとに整理
請求先情報経理処理に影響最新の情報を優先
関連ファイル提案書や契約書すべて移行する

統合作業は慎重に行う必要がありますが、一度きれいにすれば、その後の業務効率は格段に上がります。最初は大変でも、頑張る価値は十分にあります!

課題3:入力ルールを統一する

なぜ入力がバラバラになるのか

「東京都渋谷区」「渋谷区」「東京 渋谷」...同じ住所なのに、人によって入力方法が違う。「メルカリ(株)」、「(株)メルカリ」、「メルカリ」「mercari」...同じ会社なのに、人によって入力方法が違う。これ、あるあるですよね。

実は、入力がバラバラになる背景には、こんな理由があります。

バラつきの原因具体例影響度
ルールが明文化されていない「なんとなく」で入力★★★★★
研修不足新人が独自の方法で入力★★★★☆
過去の習慣前職のやり方を引きずる★★★☆☆
システムの制約文字数制限で省略★★☆☆☆

特に問題なのが、ルールがないこと。みんな悪気はないんです。ただ、基準がないから、それぞれが「これが正しい」と思う方法で入力しちゃうんですよね。

入力ルールの作り方

じゃあ、どうやってルールを作ればいいのか?ポイントはシンプルで覚えやすいルールにすることです。

基本の入力ルール例

まずは、よく使う項目の基本ルールを決めましょう。

項目ルール良い例悪い例
会社名正式名称、株式会社は前株式会社ABC商事ABC商事(株)
電話番号ハイフンあり、市外局番から、半角数字03-1234-56781234-5678
住所都道府県から、建物名まで東京都渋谷区1-1-1 ABCビル5F渋谷1-1-1
担当者名姓名の間に全角スペース田中 太郎田中太郎
日付YYYY/MM/DD形式2025/01/1525/1/15

プルダウンやチェックボックスの活用

自由入力を減らすことも、バラつきを防ぐ重要なポイントです。

graph TD A[入力項目] --> B{入力方法を選択} B --> C[自由入力] B --> D[プルダウン] B --> E[チェックボックス] B --> F[ラジオボタン] C --> G[バラつきやすい] D --> H[統一しやすい] E --> H F --> H style C fill:#ffcccc style G fill:#ffcccc style D fill:#ccffcc style E fill:#ccffcc style F fill:#ccffcc style H fill:#ccffcc

例えば、都道府県や業種、役職などは、プルダウンにしちゃえば、入力のブレはなくなります。最初に選択肢を作る手間はありますが、長期的に見れば絶対にお得です。

チーム全体で統一するための工夫

ルールを作っても、守られなければ意味がありません。どうやってチーム全体に浸透させるか、これがどの企業も一番の課題かもしれません。

1. わかりやすいマニュアルを作る

文字だけのマニュアルって、正直読む気しないですよね。だから、ビジュアル重視で作りましょう。

マニュアルの要素作り方のコツ
スクリーンショット実際の画面を使って説明
○×例良い例と悪い例を並べる
クイックリファレンスA4一枚にまとめた簡易版
FAQよくある質問と回答

2. 定期的なチェックとフィードバック

月に1回、データの品質をチェックする日を作りましょう。「データクリーンアップDay」なんて名前をつけて、イベント化するのもおすすめです。

チェック項目はこんな感じで:

  • 先月の新規登録データの入力ルール遵守率
  • よくある間違いパターンのピックアップ
  • 改善提案の募集

3. システムで制御する

可能であれば、システム側で入力を制御するのが一番確実です。

制御方法具体例効果
入力必須設定重要項目は空欄不可データ欠損を防ぐ
文字数制限電話番号は13文字固定形式を統一
形式チェックメールアドレスの@チェック入力ミスを防ぐ
重複チェック登録時に既存データと照合重複を未然に防ぐ

実践!データ整備の進め方

フェーズ分けで無理なく進める

さて、ここまで3つの課題と解決方法を見てきました。でも、「全部一気にやるのは無理!」って思いますよね。その通りです。だから、フェーズを分けて進めていきましょう。

gantt title データ整備プロジェクトスケジュール dateFormat YYYY-MM-DD section Phase1 現状分析 :2025-02-01, 7d 優先順位決定 :7d section Phase2 重要顧客のID付与 :14d 重複チェック :7d section Phase3 入力ルール策定 :7d マニュアル作成 :7d section Phase4 全データ整備 :30d 定期メンテナンス :30d

Phase1:現状把握と計画(2週間)

まずは、今のデータがどんな状態なのか、しっかり把握することから始めます。

タスク期間成果物
データ品質の診断3日現状分析レポート
影響度の評価2日リスク評価シート
整備計画の作成3日プロジェクト計画書
体制の決定2日役割分担表
ツールの選定4日ツール比較表

この段階で大事なのは、完璧を求めすぎないこと。8割の精度でいいので、まずは全体像を掴むことに集中しましょう。

Phase2:重要データから着手(3週間)

次に、ビジネスインパクトが大きい重要データから整備を始めます。パレートの法則(80対20の法則)で考えると、上位20%の顧客が売上の80%を占めていることが多いんです。だから、この20%から始めるのが効率的。

Phase3:ルール作りと周知(2週間)

データ整備と並行して、今後のためのルール作りも進めます。ここでのポイントは、現場の声を聞くこと。机上の空論にならないよう、実際に入力する人たちの意見を必ず取り入れましょう。

Phase4:全体展開と定着(2ヶ月)

最後に、全データの整備と、新しいルールの定着を図ります。この段階では、小さな成功体験を積み重ねることが大切。「データがきれいになったら、レポート作成が30分短縮できた!」みたいな成果を共有していくと、モチベーションも上がりますよ。

ツールを使った効率化

データ整備を手作業だけでやるのは、正直しんどいです。そこで、便利なツールを活用しましょう。

ツールカテゴリー代表的なツール特徴価格帯
データクレンジングOpenRefine(無料)重複削除、表記統一無料
ETLツールTalend Open Studioデータ変換、統合無料〜
CRM標準機能Salesforce、Hubspotの重複管理リアルタイム重複チェックCRM費用に含む
エクセルアドインFuzzy Lookupあいまい一致検索無料

最初は無料ツールから始めて、効果を実感できたら有料ツールを検討する、という流れがおすすめです。いきなり高額なツールを導入しても、使いこなせなければ意味がありませんからね。

成果を測定する指標

データ整備の効果って、どうやって測ればいいんでしょうか?実は、具体的な数字で追える指標がいくつかあるんです。

測定指標計算方法目標値
データ完全性必須項目の入力率95%以上
重複率重複データ数÷全データ数3%以下
準拠率ルール通りの入力数÷全入力数90%以上
更新頻度3ヶ月以内に更新されたデータの割合80%以上

これらの数字を月次でトラッキングして、改善傾向をグラフ化すると、経営層への報告もしやすくなります。「データ整備なんて地味な作業...」と思われがちですが、数字で成果を示せば、その重要性を理解してもらえるはずです。

よくある失敗パターンと対策

失敗パターン1:完璧主義の罠

「せっかくやるなら、100%完璧なデータにしたい!」

この気持ち、すごくわかります。でも、これが一番危険な落とし穴なんです。完璧を求めすぎると、いつまでも作業が終わらず、結局途中で挫折してしまうことが多いんですよね。

対策は、段階的なゴール設定です。

まずは60%でいいんです。それでも、何もしないよりは格段に業務が楽になります。小さな成功を積み重ねながら、徐々に品質を上げていきましょう。

失敗パターン2:現場の巻き込み不足

「上からの指示でデータ整備することになったから、よろしく」

これでは、現場は動きません。なぜなら、メリットが見えないから。データ整備って、正直面倒な作業です。その面倒さを上回るメリットを、しっかり伝える必要があります。

現場の本音伝えるべきメリット
「今でも何とかなってる」月末の集計作業が2時間→30分に短縮
「入力が面倒になる」プルダウン化で入力時間は逆に削減
「ミスしたら怒られそう」システムでチェックするから安心
「自分には関係ない」顧客満足度向上→評価アップ

失敗パターン3:メンテナンスの仕組み不在

せっかくデータをきれいにしても、1ヶ月後にはまた汚くなっている...これもよくある失敗です。原因は、継続的にメンテナンスする仕組みがないから。

対策として、以下の仕組みを作りましょう:

タイミング実施内容担当者所要時間
毎日新規登録データのチェック当番制15分
週次重複データの確認データ管理者30分
月次データ品質レポート作成マネージャー1時間
四半期ルールの見直し全員参加2時間

大事なのは、無理のない範囲で継続すること。最初から完璧なメンテナンス体制を作ろうとすると、結局続きません。まずは週1回、30分だけでもいいので、定期的にチェックする習慣をつけることから始めましょう。

まとめ

長い記事になってしまいましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございます!最後に、今回お伝えした内容を振り返ってみましょう。

Key Takeaways

📍 データ整備は売上に直結する重要な投資

  • きれいなデータは営業効率を25-30%向上させる
  • 顧客対応の質が上がり、信頼関係が強化される
  • 正確な分析により、的確な経営判断が可能になる

📍 3つの主要課題には具体的な解決策がある

  • 一意のID:カテゴリー+連番型がおすすめ
  • 重複データ:段階的なチェックと統合ルールの明確化
  • 入力のバラつき:シンプルなルールとシステム制御の組み合わせ

📍 フェーズ分けで着実に進めることが成功の鍵

  • Phase1:現状把握(2週間)
  • Phase2:重要データから着手(3週間)
  • Phase3:ルール作りと周知(2週間)
  • Phase4:全体展開と定着(2ヶ月)

📍 完璧を求めすぎない、でも継続は必須

  • 60%の品質でもスタートする勇気を持つ
  • 現場のメリットを明確に伝えて巻き込む
  • 週1回30分でもいいから定期メンテナンスを習慣化

📍 ツールを活用して効率化を図る

  • 無料ツールから始めて効果を確認
  • CRMの標準機能を最大限活用
  • 必要に応じて専門ツールを検討

データ整備って、確かに地味で面倒な作業です。でも、これができているかどうかで、1年後の会社の成長速度が全然違ってくるんです。

今日から始められることは、まず現状のデータを1時間だけでもチェックしてみること。どんな問題があるのか、それを知ることが第一歩です。

CRMは単なるデータベースじゃありません。会社の財産であり、成長のエンジンです。その財産を磨き上げることで、きっとあなたのビジネスは次のステージに進めるはずです。

データ整備、一緒に頑張っていきましょう!何か困ったことがあれば、このブログでまた詳しく解説していきますので、ぜひチェックしてくださいね。

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この記事を書いた人
tomihey

本ブログの著者のtomiheyです。失敗から学び続けてきたマーケターです。
BtoB、BtoC問わず、デジタルマーケティング×ブランド戦略の領域で14年間約200ブランド(分析数のみなら500ブランド以上)のマーケティングに関わり、「なぜあの商品は売れて、この商品は売れないのか」の再現性を見抜くスキルが身につきました。
本ブログでは「理論は知ってるけど、実際どうやるの?」というマーケターの悩みを解決するノウハウや、実際のブランド分析事例を紹介しています。
現在はマーケティング戦略/戦術の支援も実施していますので、詳しくは下記リンクからご確認ください。一緒に「売れる理由」を解明していきましょう!

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