経営者という「別の生き物」を攻略せよ!〜生態、クセ、付き合い方マニュアル〜 - 勝手にマーケティング分析
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経営者という「別の生き物」を攻略せよ!〜生態、クセ、付き合い方マニュアル〜

経営者という「別の生き物」を攻略せよ! 〜生態、クセ、付き合い方マニュアル〜 マーケの応用を学ぶ
この記事は約11分で読めます。

経営者とのコミュニケーションに困っていませんか?

「この前言ってたことと全然違うじゃん!」「さっきの会議で決まった話、もう覆るの?」「質問しても答えになってなくて、結局どうすればいいの?」
そんな風に思ったこと、ありませんか? そう、経営者は一般の会社員とは違う“別の生き物”なんです。

でも、彼らも最初から経営者だったわけじゃない。
多くのプレッシャーの中、修羅場をくぐり抜け、数えきれない決断をしてきた結果、
「一般の社員とは全く違う思考や行動になった」だけなんです。

本記事で紹介する傾向やその背景を理解することで、
「経営者ハンドリングスキル」を身につけて、職場での生存率、そして企業、顧客の成功に繋げていきましょう。

経営者の生態とクセ 〜よくある「?」な行動〜

1.「昨日と意見が違う」は日常茶飯事

まず、経営者の発言は、前回の会話と矛盾していることが多いと経験した人は多いのではないでしょうか。
これは「気分」や「適当」ではなく、情報量が多すぎる&視点が未来に飛びすぎているからです。

✅ 筆者が経験した具体例

  • 「A案で進めよう!」 → 翌日「やっぱりB案のほうがいい気がしてきた」
  • 「もう決定事項だ!」 → 1週間後「うーん、ちょっと見直すか」
  • 「今期の戦略は〇〇だ!」 → 次の会議で「方向転換するぞ!」

🟢 攻略法

「意見が変わる前提」で仕事をする!

  • 記録を残し、話が変わったら「前回はこうおっしゃってましたが…」と確認
  • 決定事項は「この方向で確定ですね?」と何度も確認
  • 「経営者は未来を見てる」ので、「なぜ変わったのか?」を探ると意図が見えてくる

2. 長い説明は「読まない」「聞かない」

経営者は基本的に長い文章や話が大嫌いです。
メールで詳細を送っても、10行目に到達する前に閉じます。
頑張って作成したプレゼンのスライドも、2枚目くらいで「それで、結論は?」って言われがち。

筆者が経験した具体例

  • A4でしっかりまとめた提案書 → 開かれずに「口頭で説明して」
  • 「要はどういうこと?」 → 説明したあとでまた聞かれる

🟢 攻略法

「タイトルだけでわかるようにする」!

  • 経営者向けの資料は 1枚のスライドに要点をまとめたエグゼクティブサマリにする
  • ドキュメントの場合は1ページで要点をまとめる(1ページメモ)
  • 話すときは「結論→理由→詳細」(PREP法)
  • 「3行で説明するとこうです!」と最初に要約
  • メールは長くても3行まで! それ以上は「詳細は添付にて」と書く

3.「感覚」でものを決めるくせに「データを出せ」と言う

経営者は、「なんかこの事業、いけそうな気がする」とか言って感覚で突き進むくせに、
こっちが新規提案をすると、「データは?」って聞いてきます。

筆者が経験した具体例

  • 「市場調査した?」 → でも自分が新しいアイデア出すときは「勘」で決める

🟢 攻略法

「データ」と「ストーリー」をセットにする

  • 「データで裏付けられた感覚」が経営者の好物
  • 先に「直感的なメリット」を語り、その後で数字や他社成功事例を見せる
  • 「データは万能ではないが、判断の補助になる」という前提で話す

4. 失敗の話には「過剰反応」する

経営者は、ネガティブな話に敏感です。
損失が出るかもしれない、という話をすると、「ヤバイ!」と一気に動揺しがちです。
一方で、ポジティブな話には「へー、いいね」くらいの薄いリアクションをされるシーンを散見してきました。

筆者が経験した具体例

  • 「この施策、うまくいかないリスクがあります」 → 「じゃあやめよう」
  • 「業績が少し落ちてる」 → 「危機感持て!」

🟢 攻略法

「リスクと対策をセットで出す」

  • 「リスクがあるのでやめる」ではなく「リスクをこうやって潰せる」と話す
  • 「悪い話だけ」だと過剰に反応するので、「でも対策済みです」まで話す
  • 結論ファーストで「問題なし」と伝える:「○○は課題ですが、対応済みなので大丈夫です」

5. 会社は「自分の体の一部」と思っている

経営者にとって会社は「自分そのもの」。
だから、会社のことを悪く言われると、めちゃくちゃムキになる
逆に会社が褒められると、「いやいや、まだまだ」って言うくせにめっちゃ喜びます

筆者が経験した具体例

  • 「会社のここが問題ですね」 → 「お前は何もわかっていない!」とキレられる
  • 「御社のここが素晴らしいです!」 → 「いやいや、まだまだだよ」←でも顔はめっちゃ嬉しそう
  • 「このシステム、ちょっと古くないですか?」 → 「誰のおかげでここまで来たと思ってる?」

🟢 攻略法

「会社=経営者本人」と思って接する

  • 会社を褒めるときは「あなたの判断が良かったからですね!」と言う
  • 「批判は避けて提案する」:「ここを改善すると、もっと良くなります!」

6. プレッシャーをかけるのが仕事

経営者は無意識に部下にプレッシャーをかけがち。「この案件、大丈夫?」と聞いてくるだけで、現場は焦るのです。

筆者が経験した具体例

  • 「この数値、もっと伸ばせるよね?」 → 無茶振りスタート
  • 「このプロジェクト、間に合うよね?」 → すでに間に合う前提
  • 「競合の動き、把握してる?」 → いま知りました

🟢 攻略法

「安心材料を用意しておく」

  • 具体的な数値や進捗データを持っておく
  • 事前に「問題ありません」と伝えておく

7. 決断を下すのは好き、でも細かいことは聞きたくない

経営者は「決めること」は好きだが、そのための詳細説明には興味がない。

筆者が経験した具体例

  • 「AとBどっちがいいですか?」 → 「Aで」→ 速攻決定
  • 「詳細説明しますね!」 → 「いや、大丈夫。で、どうするの?」
  • 「この施策にはこういうリスクが…」 → 「やってみなきゃ分からん」

🟢 攻略法

「選択肢を絞って提示する」

  • 「AとB、どっちが良いですか?」と二択にする
  • 「Aにするとこういうメリットがあります」と短く補足
  • 事前にある程度方向性を決めた上で確認する

8. 現場のリソースを考慮せずにタスクを渡してくる

経営者はビジョンを語るのが得意だが、現場の人員やリソースにはあまり関心がない。突然「これ、やっておいて!」とタスクを振ってくるが、それが現場にどれだけの負担をかけるかは考えていない。

筆者が経験した具体例

  • 「これ、明日までに頼む!」 → そんな時間、どこにあるんですか?
  • 「これぐらい簡単でしょ?」 → いや、工数計算しました?
  • 「やる気があればできる!」 → いや、物理的に無理です

🟢 攻略法

「リソースの現実を見せる」

  • 「AかBのどちらかを優先する必要がありますが、どちらを選びますか?」と選択肢を提示
  • 「現在の工数だとこのタスクは××日かかります」と具体的に説明
  • 「このリソースを増やせば対応可能です」と解決策も一緒に示す

9. ビジネスの重心から外れたことに時間をかけることを好まない

経営者は、売上や事業成長に直結しない業務には興味を持ちにくいです。社内の細かなオペレーション改善や、福利厚生の充実といった話題より、ビジネスの成長に直結する戦略の話をしたがります。

筆者が経験した具体例

  • 「新しい社内研修を導入したいのですが…」 → 「それ、今やる必要ある?」
  • 「社内の申請フローを改善しようと思います」 → 「売上に関係ある?」
  • 「福利厚生を充実させたほうが…」 → 「まず売上を伸ばしてからな!」

🟢 攻略法

「経営者の興味と結びつける」

  • 「この改善で○○%の業務効率化が可能です」と数値で説明
  • 「この施策で離職率が下がり、採用コストを削減できます」とビジネス視点を強調
  • 「これを実施することで、売上向上の余力を作れます」と成果に結びつける

10. 自分の感覚は大事にするが、自分と違う意見を言ってくる人も意外と好む

経営者は直感を大事にするが、同時に「自分と違う視点を持っている人」にも興味を示します。盲目的に「はい」と言う部下より、「それは違う」と論理的に指摘できる人を評価することが多いのではないでしょうか。

筆者が経験した具体例

  • 「これは直感でいけると思う」 → 「根拠は?」と聞かれると意外と考える
  • 「俺はこう思うけど…」 → 「それは違う」と言われると議論を続ける
  • 「みんな賛成?」 → 「反対意見は?」と意外と聞いてくる

🟢 攻略法

「論理的な反論を準備しておく」

  • 「それも一理ありますが、データではこういう結果が出ています」と事実を提示
  • 「こういう視点もあります」と選択肢を示す
  • 「この方法ならよりリスクが少なく成功確率が高まります」と代案を提案

経営者の思考と行動の背景

彼らがなぜ上記のように考え、行動するのでしょうか。その背景を理解することで、より円滑にコミュニケーションを取ることができるようになるでしょう。

1. 「未来を見ている」から、意見が変わる

経営者は常に未来を見据えているため、状況が変わると意見も変わることが多いです。市場環境、競合の動向、会社の成長フェーズなどを考慮しながら決断しているため、昨日の正解が今日の正解とは限らないのです。これは「ブレている」のではなく、「適応している」と捉えるとよいでしょう。

2. 「決断のスピード」が命

経営者は日々、大量の決断を迫られます。そのため、細かい説明を聞く時間がないことが多く、端的な情報提供を好みます。意思決定を迅速に行うために、必要最小限の情報を元に判断することが求められるのです。

3. 「直感を信じる」が、他人の意見も意外と聞く

経営者は長年の経験から得た直感を重視する傾向があります。しかし、それと同時に、自分と違う意見を言ってくれる人も評価することが多いです。なぜなら、盲目的に従うイエスマンよりも、多角的な視点を提供してくれる人の方が、最終的に経営判断の精度を上げることを知っているからです。

4. 「会社=自分の一部」という感覚

経営者にとって会社は単なる職場ではなく、自分自身の延長線上にあります。そのため、会社を批判されると、まるで自分自身を否定されたかのように感じることがあります。逆に、会社を褒められると素直に喜ぶのもこのためです。

5. 「プレッシャー」をかけるのは当然

経営者は、プレッシャーをかけることで組織を成長させると考えています。従業員が「できる範囲」で仕事をするのではなく、「少し背伸びして挑戦する」ことで成長することを期待しているのです。そのため、「これできるよね?」という言葉には、「やれる範囲でやって」というよりも、「成長の機会だから挑戦しろ」という意図が含まれています。

6. 「リソース管理」より「ビジョン重視」

経営者はリソース管理よりも、「何を成し遂げるか」に焦点を当てる傾向があります。そのため、現場のリソースが足りない状況でも新しいタスクを振ってくることがあります。これは、最適なリソースを割り当てることよりも、まず「やる」と決めることが重要だと考えているからです。

7. 「売上に直結しない業務」に興味がない

経営者の頭の中は、常に「どうやって会社を成長させるか?」でいっぱいです。そのため、売上や利益に直結しない業務には関心を示さないことが多いです。社内の細かい業務改善や、新しい制度の導入などに消極的な場合は、それが**「今やるべき最優先事項ではない」と考えている**ためです。

8. 「リスク回避」よりも「チャンスの最大化」

経営者は、ビジネスにおいてリスクをゼロにすることは不可能だと理解しています。そのため、リスクを避けることよりも、「どれだけ大きなチャンスを掴めるか」に注目する傾向があります。その結果、「リスクがあるのでやめる」のではなく、「リスクを管理しながら進める」というスタンスを取ることが多いのです。

9. 「自分の時間」を最も重要視する

経営者は、時間こそが最も貴重なリソースだと考えています。そのため、無駄な会議や長い説明には強い抵抗を示します。「結論を先に」「要点を3つ以内にまとめる」といった工夫が、経営者とのコミュニケーションを円滑にするカギとなります。

10. 「結果」を最優先に考える

経営者にとって、最も重要なのは「結果」です。努力の過程も大事ですが、それ以上に「何を成し遂げたか」が評価基準となります。そのため、プロセスを重視しすぎると、「で、成果は?」と言われてしまうことが多いのです。

まとめ

経営者は一般の会社員とは「違う生き物」です。なぜなら経営者は、「変化の激しい環境の中で、最適な判断を下し続けること」を求められる存在であり、意思決定のスピード、未来志向、結果重視といった特徴が現れるからです。

現場の社員が経営者との付き合い方を間違えるとストレスが溜まるし、仕事がスムーズに進みません。彼らとうまく付き合うためには、「経営者が何を考え、どう行動するのか」を理解し、その思考プロセスに合わせてコミュニケーションを取ることが重要です。経営者の思考や傾向を理解して攻略すれば、良い意味で「経営者使い」として重宝されるかもしれません。

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

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