BtoBマーケティングで外部メディアを活用すべき理由と戦略的接点の作り方 - 勝手にマーケティング分析
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BtoBマーケティングで外部メディアを活用すべき理由と戦略的接点の作り方

BtoBマーケティングで外部メディアを活用すべき理由と戦略的接点の作り方 マーケの応用を学ぶ
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はじめに:自社メディアだけでは届かないBtoB顧客の現実

BtoBビジネスにおいて、商談化の成功はリード獲得だけではなく、信頼の構築と情報提供の最適化にかかっています。しかし、「オウンドメディアやウェビナーだけでは反応が鈍い…」と感じたことはありませんか?

実際のところ、BtoBの意思決定者は、複数の情報源を比較し、慎重に判断する傾向が強く、社内稟議を通すための材料として、自社サイト以外の第三者視点の情報を求めています。特に、導入を検討する段階では「中立的な比較記事」「実際の導入事例」「第三者レビュー」のような情報が重要視されます。

さらに、BtoBでは意思決定関与者が複数存在するため、一人の担当者だけではなく、上司や部門長などが納得する材料も求められます。オウンドメディアだけではその“社内共有”の材料として弱く、比較サイトや専門メディアの記事など、客観性のあるソースが必要不可欠です。

また、BtoBではリードナーチャリングの期間が長いため、顧客が自ら情報を探しに行ったときに見つかる場所に存在することが重要です。その点で、検索上位を獲得しやすい比較サイトや業界特化メディアは、まさに“待ちの戦略”におけるキーポイントとなるのです。

外部メディア活用の重要性

なぜ自社サイトだけでは不十分なのか?

課題内容
情報の信頼性オウンドメディアは「自社の主張」として見られやすい。第三者評価やレビューとのバランスが必要
認知の幅自社サイトだけでは認知が広がりにくく、潜在層に届かない
検討の深化比較・導入検討段階では、客観的な比較データ他社事例が求められる

外部メディアは、単なる流入経路ではありません。それぞれが異なる機能と役割を担う戦略的接点です。たとえば、比較サイトでは「同業他社との位置づけ」が明確になり、広告媒体では「ターゲット層への短期的な露出強化」、インフルエンサー活用では「信頼形成と共感の創出」など、目的別に使い分けることが効果的です。

特に検索エンジンを介した情報収集が中心となるBtoB領域では、「自社でコントロールできる範囲外にどれだけ露出できているか」が競争力に直結します。逆に、外部メディアを活用していない企業は、比較検討の“土俵”にも上がれていない可能性が高いと言えるでしょう。

このように、外部メディアは認知拡大、信頼形成、商談創出、比較優位の訴求といった全フェーズで、BtoB顧客のジャーニーに不可欠な接点を担っているのです。

カスタマージャーニーに沿った外部メディアの活用戦略

以下は、典型的なBtoBカスタマージャーニーと、それぞれのフェーズで効果的な外部メディアを詳細に整理した表です。

ジャーニーフェーズ顧客ニーズ有効な外部メディア主な目的
認知自社課題の発見、新しいソリューションの探索・SNS広告(LinkedIn広告、Facebook広告など)
・業界系ニュースサイト(ITmedia、ZUU onlineなど)
・タイアップ記事(日経クロステックなど)
・インフルエンサー投稿(LinkedIn著名マーケター)
潜在層への認知獲得、ブランドの想起誘導
検討サービス比較、導入効果の確認・BtoB比較/レビューサイト(ボクシル、ITreview、ミツモア、メディアレーダー、SaaSLOG、マーケメディア、LISKUL、ITトレンド、アスピック、イプロス、アイミツ、比較biz、発注ナビ)
・外部メディア記事でのホワイトペーパー掲載(MarkeZine、SalesZine、ferret)
客観的評価による信頼形成、競合との違いを明示
導入社内説得材料の確保、実績の明示・導入事例紹介記事(日経BP、@IT)
・有識者セミナー掲載メディア(ビジネス+IT、ITmedia主催ウェビナー)
安心感の提供、決裁者納得の後押し
活用・継続活用ノウハウの取得、効果最大化・メールマガジン(配信スタンド:ferret One、Benchmark)
・ナレッジメディア(BOXIL MAGAZINE、LISKUL)
・Tips系インフルエンサー投稿(note・LinkedIn)
顧客満足の向上、継続利用の促進、LTVの最大化

特にBtoBでは、「検討フェーズ」において第三者視点での情報が非常に重要視されるため、比較サイトや外部レビューの露出は商談獲得の転換率に直結します。

また、認知・検討・導入・活用のそれぞれに合わせた“メディア×タイミング”の設計ができるかどうかが、成果の分かれ目になります。

自社メディア以外でもこだわるべき“情報接点”の作り方

なぜ「自社サイトに呼び込むだけ」では機会損失につながるのか?

BtoBの購買者は、情報を比較検討する際に信頼性の高い第三者視点の情報を好みます。そのため、自社メディアだけに頼ったマーケティングは、以下の3つの点で大きな損失につながる恐れがあります。

  1. 見つからない:比較サイトやレビュー記事が検索結果の上位に表示され、自社サイトがそもそも見られない
  2. 信じられない:自社が発信する情報は「売り込み」に見え、信頼性が劣後する
  3. 拡がらない:共有や社内説得材料として、第三者の記事や他社事例が求められる

例えば、日経クロステックやITmediaなどの業界メディアでのタイアップ記事は、リーチ先の精度と信頼性を両立できます。また、ボクシルやITreviewに掲載されたレビューや導入事例は、検索結果上で自然に目に触れ、比較検討の場に参加するために不可欠な接点です。

さらに、インフルエンサーや有識者による言及は、エモーショナルな共感権威付けとして作用します。特にLinkedInやnoteなどで活動する信頼ある専門家が好意的に取り上げることで、SNS上でも拡散され、ブランド認知の向上に貢献します。

このように、“どこで・誰を通じて・どう見られるか”を意識した接点設計こそが、現代のBtoBマーケティングにおける競争優位の源泉となるのです。

外部メディア別の特徴と使いどころ

メディア種別特徴主な活用目的具体例
BtoB比較サイト情報比較・導入検討フェーズにおける主要チャネル。成果報酬型が主流。リード獲得、SEO対策、導入検討の後押しボクシル、ITreview、アイミツ
デジタル広告即効性と精密なターゲティングが可能。検索広告・ディスプレイ広告で使い分けが重要。潜在層〜準顕在層への認知拡大Google広告、Yahoo!広告、LinkedIn広告
コンテンツ提携メディア業界メディアにホワイトペーパーやセミナーを掲載し、リード獲得と育成を両立。リードナーチャリング、専門性訴求日経クロステック、MarkeZine、SalesZine
インフルエンサーマーケティング権威性のある発信者による投稿やレビューで信頼を獲得。共感と話題性が鍵。認知獲得、ブランド信頼性強化、ソーシャルシェアの促進note、LinkedInの専門家、X(旧Twitter)の業界インフルエンサー
オフラインメディア(DM・交通広告)決裁者層への直接的な訴求やブランド認知に効果的。イベントと組み合わせると効果増。認知向上、記憶定着、対面接点のきっかけづくり郵送DM、駅貼り広告、展示会ブース装飾

まとめ|Key Takeaways

BtoBビジネスにおいて、自社サイトだけで戦うのは「片手で勝負するようなもの」。顧客の情報収集・比較行動は、すでに外部メディアとセットで構成されていることを理解しましょう。

  • 自社発信だけでは信頼されにくい。第三者の視点を通じた接点が信頼構築のカギとなる。
  • カスタマージャーニーに応じたメディアの使い分けが、リード獲得から商談化率向上まで影響する。
  • 比較サイト・業界メディア・SNS・オフラインまで視野に入れた“全方位設計”が求められる。
  • 「どこで見つかるか」×「誰に語られるか」×「どの文脈か」が意思決定に直結する。

これからのBtoBマーケティングでは、「良いサービスを作る」だけでは不十分で、「信頼される形で語ってもらう」仕組みづくりが、勝敗を分けるポイントになるでしょう。

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記リンクからWEBサイト、Xをご確認ください。

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