HubSpotの広告連携・管理機能を最大限活用する方法:連携方法から活用例まで紹介 - 勝手にマーケティング分析
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HubSpotの広告連携・管理機能を最大限活用する方法:連携方法から活用例まで紹介

HubSpotの広告連携・管理機能 を最大限活用する方法 マーケの応用を学ぶ
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はじめに

デジタルマーケティングの世界では、様々な広告プラットフォームを活用して顧客にリーチすることが一般的ですが、それぞれのプラットフォームで別々に管理することは非効率であり、全体の効果測定も難しくなります。特に「広告を出しているのに成果が見えない」「複数の広告プラットフォームの管理が煩雑」「広告からのリード獲得後の追跡ができていない」といった課題を抱えるマーケターは少なくありません。

HubSpotのマーケティングハブに搭載されている広告連携機能を活用すれば、複数の広告プラットフォームを一元管理し、リードの獲得から商談化、受注までの一貫した分析が可能になります。本記事では、HubSpotの広告連携機能の概要から各プラットフォームとの連携方法、効果測定、そして自動化までを徹底解説します。

HubSpotの広告連携機能の概要

HubSpotの広告ツールは、複数の主要広告プラットフォームとシームレスに連携し、広告キャンペーンの作成・管理・分析を一箇所で行うことができる機能です。

主な特長:

  • 統合管理: 複数の広告プラットフォームを一元管理
  • 効果測定: 広告のインプレッションからコンバージョン、さらには商談・成約までを追跡
  • CRMとの連携: 広告データと顧客データを統合分析
  • オーディエンス管理: CRMデータを基にした精度の高い広告ターゲティング
  • 自動化: 広告とのインタラクションを基にした自動アクション設定

連携可能な広告プラットフォーム

HubSpotは以下の主要広告プラットフォームと直接連携することができます:

プラットフォーム対応範囲備考
Google広告検索・ディスプレイ・YouTube広告管理者権限が必要
Facebook広告FacebookとInstagram広告ビジネスマネージャーでの管理者権限が必要
LinkedIn広告全広告タイプアカウントマネージャー権限が必要
TikTok広告リード獲得広告管理者アクセスが必要

注意点: Bing広告やX広告は、現時点では直接連携に対応していません。

各プラットフォームとの連携方法

連携の基本手順

Screenshot

HubSpotと広告プラットフォームを連携する基本的な手順は共通しています:

  1. HubSpotの上部メニューから設定(歯車アイコン)をクリック
  2. [マーケティング > 広告] を選択
  3. 「アカウントを接続」をクリックして連携したい広告プラットフォームを選択
  4. 必要な認証情報を入力して連携を完了

Google広告との連携

  1. 設定画面で「Google広告」を選択
  2. Googleアカウントでログイン
  3. 連携したいGoogle広告アカウントを選択
  4. 「管理者」権限を持つユーザーによる接続が必須
  5. 接続完了後、アカウント内の全キャンペーンが自動的にHubSpotに同期される

Facebook/Instagram広告との連携

  1. 設定画面で「Facebook」を選択
  2. Facebookビジネスマネージャーにログイン
  3. 連携する広告アカウントを選択
  4. 自動トラッキングをオンにして接続
  5. 広告アカウントの管理者権限が必要
  6. Instagram広告はFacebook連携を通じて追跡される

LinkedIn広告との連携

  1. 設定画面で「LinkedIn」を選択
  2. LinkedInにログイン
  3. 連携する広告アカウントを選び、自動トラッキングをオン
  4. 「アカウントマネージャー」権限が必要

TikTok広告との連携

  1. TikTok Ads Managerで [Tools > Leads > CRM連携] を開く
  2. HubSpotを選択して接続
  3. TikTokのインスタントフォームからのリードがHubSpot CRMにリアルタイム同期される
  4. TikTok広告アカウントの管理者アクセスが必要

いずれの連携においても、必要な権限を持つアカウントで接続することが重要です。連携が完了すると、HubSpotの広告ツールに広告キャンペーンがインポートされ、自動追跡(UTMパラメータ付与)が適用されます。

HubSpot上での広告効果可視化機能

HubSpotでは、連携した広告データを詳細に可視化することができます。

広告ダッシュボード

広告ダッシュボードには以下のような指標が表示されます:

  • インプレッション数
  • クリック数
  • CTR(クリック率)
  • 新規コンタクト数
  • コンバージョン数(Google Adsで設定したコンバージョンイベントに基づく)
  • 最大クリック単価(CPC)

Professional以上のプランでは

  • 新規商談数
  • 新規顧客数
  • ROI
  • CPAなどのコスト指標

レポート機能

レポートライブラリから広告関連レポートを追加することで、複数キャンペーンを横断的に比較分析することが可能です。また、マーケティング目標を設定してキャンペーン目標の進捗も管理できます。

広告アトリビューションレポート

各広告キャンペーンの成果(コストやコンバージョン)に対するROIやCPAの分析には「広告アトリビューションレポート」を使用します。これにより、キャンペーン・チャネルごとの収益貢献度や広告費対効果を把握できます。

graph TD A[広告配信] --> B[クリック/インプレッション] B --> C[サイト訪問] C --> D[フォーム送信/コンバージョン] D --> E[リード] E --> F[商談] F --> G[成約] H[広告アトリビューションレポート] --> I{各ステップでの分析} I --> B I --> D I --> F I --> G

出典:HubSpotの広告アトリビューション

広告成果データとCRMデータの統合分析

HubSpotの最大の強みは、広告データとCRMデータを統合して分析できる点にあります。

統合分析の主な価値

  • リード~商談~受注の一元管理: 広告経由でフォーム送信したコンタクト数(リード数)だけでなく、その後の商談発生数・成約数もHubSpot CRM上で一元管理
  • 広告ROIの正確な測定: 広告費に対して最終的にいくらの売上をもたらしたかを測定可能
  • キャンペーン品質の比較: 「広告キャンペーン別リード→商談化率」を分析し、質の高いリードを生み出すキャンペーンを特定

活用例:
ある製造業のBtoB企業では、HubSpotの広告統合機能を活用することで、Google広告からのリードとFacebook広告からのリードの質を比較分析しました。結果、Google広告からは少数ながら商談化率の高いリードが獲得できており、一方でFacebook広告は多くのリードを低コストで獲得できるものの商談化率は低いことが判明。この知見を基に広告予算を再配分し、ROIを30%向上させることに成功しました。

分析手法と指標

分析手法説明メリット
キャンペーン別リード→商談化率各広告キャンペーンから生まれたリードが商談に至った割合キャンペーンの質を評価できる
チャネル別ROI広告チャネルごとの投資対効果予算配分の最適化に役立つ
ライフサイクル分析リードから受注までの全体プロセスを分析マーケティング施策が売上に与える影響を評価

施策の再現性構築

HubSpotの連携機能を活用して広告施策の再現性を高めたり、効果を拡大するためには、以下のポイントが重要です:

1. ターゲティングの最適化

Screenshot

HubSpotでは、CRMデータを基に広告ターゲットオーディエンスを動的に生成できます:

  • 訪問者ベースのオーディエンス: 過去にサイトを訪問したユーザー
  • コンタクトリストベース: 特定の条件に合致するコンタクトリスト
  • 企業リストベース: 特定の企業リスト

これらのオーディエンスは新規訪問者やリスト更新時に自動で反映されるため、常に最新の状態でターゲティングが可能です。

2. 成功パターンのテンプレート化

高成果を上げたキャンペーン設定をテンプレート化することで、再現性を確保できます:

  • ターゲット属性: 効果的なセグメントの特定と再利用
  • クリエイティブ要素: 高CTRを記録した広告のクリエイティブ分析
  • メッセージング: 反応の良かったコピーや訴求ポイントの整理

3. PDCAサイクルの高速化

得られたインサイトを次回の広告戦略に反映することで、継続的な改善が可能になります:

graph LR A[Plan: 広告戦略立案] --> B[Do: 広告実行] B --> C[Check: 効果測定] C --> D[Act: 改善策実施] D --> A

自動化オプション

HubSpotの広告ツールには様々な自動化機能が用意されています:

広告オートメーション

広告とインタラクション(クリックやフォーム送信)したコンタクトを自動でHubSpotのリストや広告用オーディエンスに追加できます。これにより、以下のような自動化が可能になります:

  • リターゲティングの自動化: 特定のページを訪問したユーザーに対するリターゲティング広告
  • 顧客ステージに応じた広告配信: リードスコアに基づいたオーディエンス振り分け
  • 類似ユーザーへの拡張: 既存の優良顧客に類似したユーザーへの広告配信

ワークフローとの連携

「シンプルなワークフロー」を作成し、フォーム提出をトリガーにコンタクトのプロパティ更新や広告オーディエンスへの登録などを自動化できます。

自動化の実践例
1. サイト訪問者がホワイトペーパーをダウンロードするとリードとして登録
2. リードスコアが一定以上になると自動的にFacebookカスタムオーディエンスに登録
3. そのオーディエンスに対して詳細な製品情報を訴求する広告を配信
4. 広告クリック後にサイト訪問があれば営業担当者に自動通知

ベストプラクティスと事例

トラッキング精度の徹底

広告には必ずUTMパラメータやHubSpot自動トラッキングを付与し、訪問元・キャンペーンを正確に記録します。特にFacebook広告ではURLの短縮や余計なリダイレクトを避け、直接リンクを設定することでHubSpotのトラッキングパラメータが有効になります。

権限・ポリシーの確認

各広告アカウント連携時に、必要な管理者権限(Google Adsの管理者、Facebookビジネスマネージャーの管理者、LinkedInのアカウントマネージャーなど)を持つユーザーで実行します。連携承認に伴いプラットフォーム間でデータ共有が発生するため、各媒体の広告規約に留意します。

CRMオーディエンスの活用

HubSpot内で整理したリード・顧客リストを広告オーディエンスに活用します。これにより類似オーディエンス作成やリターゲティング広告の精度が向上し、キャンペーン効果を最大化できます。

定期的なレポート分析

広告ダッシュボードやアトリビューションレポートでCTR、CPA、コンバージョン率、ROIなどをモニタリングし、成果が高かったキャンペーン要素を抽出して再利用します。成果が低い要素は改善策を検討し、次回施策に活かします。

成功事例:
あるBtoB企業ではHubSpot連携により獲得顧客リストをFacebook広告のカスタムオーディエンスに反映させ、精度の高いリターゲティング広告を実施したところ、リード獲得数と商談転換率が大幅に改善しました。さらに、CRMデータと広告データの統合分析により、購入までの平均期間を把握し、その期間に合わせた広告配信スケジュールを設計したことで、顧客獲得コストを25%削減することに成功しています。

まとめ

HubSpotの広告連携機能を活用することで、複数の広告プラットフォームを一元管理し、マーケティングと営業のデータを統合して分析することができます。これにより、広告からリード獲得、そして成約までの全体プロセスを可視化し、より効果的な広告戦略の立案が可能になります。

key takeaways

  • 広告管理の一元化: Google、Facebook/Instagram、LinkedIn、TikTokなどの主要広告プラットフォームを一箇所で管理できる
  • CRMとの統合分析: 広告データとCRMデータを統合し、リードから成約までの全体フローを分析できる
  • 精度の高いターゲティング: CRMデータを活用してより精度の高い広告オーディエンスを作成できる
  • 自動化の実現: 広告とのインタラクションをトリガーにした自動アクションを設定できる
  • ROIの可視化: 広告投資に対する実際の売上貢献を可視化できる
  • トラッキングの徹底: UTMパラメータと自動トラッキングにより正確な広告効果測定が可能
  • 再現性の構築: 成功パターンをテンプレート化し、継続的な改善サイクルを回せる

HubSpotの広告連携機能は、単なるマーケティングツールではなく、マーケティングと営業のデータを統合して分析し、より効果的な広告戦略を立案するための強力なプラットフォームです。導入を検討されている方は、無料トライアルから始めて、その価値を体験してみることをおすすめします。

出典:Hubspot 広告のナレッジベース

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記リンクからWEBサイト、Xをご確認ください。

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