ブランディングとは?:マーケティングとの違いや事例をもとに基礎を徹底解説 - 勝手にマーケティング分析
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ブランディングとは?:マーケティングとの違いや事例をもとに基礎を徹底解説

ブランディングとは マーケの基礎を学ぶ
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はじめに:なぜあの商品は選ばれ続けるのか?

コーヒーチェーンと言えばスターバックス。電気自動車と言えばテスラ。インスタント麺と言えばカップヌードル──。

あなたは今日、何を基準に商品を選びましたか?「なんとなく」「いつものブランドだから」そう答えた方は、すでにブランディングの力を体験しています。

マーケティング担当者の多くが直面する課題があります。それは「価格競争に巻き込まれる」「競合との差別化ができない」「新規顧客獲得コストが高騰する」という3つの壁です。実はこれらすべての課題を解決する鍵が「ブランディング」にあります。

本記事では、ブランディングの基本から実践まで、確率思考(プレファレンス)やゴールデンサークル理論などの実務フレームワークを活用しながら、明日から使える知識を提供します。

ブランディングとは:顧客の脳内で「選ばれる確率」を高める戦略

ブランディング

世界の定義から見るブランディングの本質

ブランディングとは、提唱する組織や機関、人によって定義は異なりますが、単なるロゴ作成やスローガン開発ではありません。ブランディングは、「◯◯と言ったらブランドA」と顧客の記憶に刻み込む、戦略的なプロセスです。

提唱者/機関ブランディングの定義実務への示唆
アメリカ・マーケティング協会名前、デザイン、シンボルによって売り手の商品を識別させること視覚的一貫性の重要性
フィリップ・コトラー製品に意味を与え、顧客の心に特別な場所を占めるプロセス感情的価値の創造
デービッド・アーカーブランドの認知、ロイヤルティ、知覚品質、連想を創造するプロセス測定可能な資産構築
森岡毅(確率思考の戦略論)プレファレンス(好意度)を高め、選ばれる確率を最大化すること定量的アプローチ

ブランディングが解決する3つのビジネス課題

なぜブランディングが重要なのか:データが証明する価値

Interbrandの「Best Global Brands 2023」によると、トップ100ブランドの総価値は3.3兆ドル。上位10社の平均ブランド価値は約1,737億ドル(約25兆円)です。

トップ10ブランドと主な特徴:

順位ブランドブランド価値(億ドル)成功の核心戦略
1Apple5,027WHYドリブン:革新的体験の提供
2Microsoft3,167生産性向上への一貫した価値提案
3Amazon2,769顧客中心主義の徹底
4Google2,603情報アクセスの民主化
5Samsung914技術革新と幅広い展開

これらの企業に共通するのは、明確なブランドビジョンと一貫したメッセージングです。

ブランディングとマーケティングの違い:戦略的思考の転換点

多くのマーケターが混同するブランディングとマーケティング。その違いを理解することも、戦略立案の第一歩です。

包括的な比較:5つの視点から理解する

視点ブランディングマーケティング
目的長期的な企業価値とイメージの構築
顧客の心に「選ぶ理由」を創造
短期〜中期的な販売促進と顧客獲得
具体的な購買行動を促進
時間軸長期(5〜10年以上)
継続的な価値構築
短期〜中期(数週間〜数年)
キャンペーン単位での成果
対象範囲企業全体の戦略的方向性
すべてのタッチポイント
特定の製品・サービスの販売戦略
個別施策
主な活動ビジョン策定、価値観の確立
ブランドエクイティ構築
広告、プロモーション、販売活動
4P(Product/Price/Place/Promotion)実行
測定指標ブランド認知度(純粋想起/助成想起)
顧客ロイヤルティ(NPS)
ブランド好意度
プレファレンス
売上高、CVR、ROAS
市場シェア
獲得単価(CPA/CAC)
やるべきことプレファレンス最大化
ブランドエクイティ構築
認知率・配荷率の向上
短期売上施策

マーケティングとブランディングの関係性

重要な洞察: 効果的なマーケティングは、強力なブランディングの基盤の上に成り立ちます。逆に、優れたブランディングはマーケティング活動の効果を3〜5倍に増幅させます。

ブランディングの構成要素:7つの柱で価値を創造する

強力なブランドは、複数の要素が有機的に結びついて形成されます。

構成要素定義実装例チェックポイント
ブランドアイデンティティロゴ、カラー、タイポグラフィなどの視覚的要素Apple:リンゴマーク、ミニマルデザイン
Coca-Cola:赤色、スクリプト書体
全媒体で統一されているか?
ブランドボイスコミュニケーションのトーン・スタイルスターバックス:親しみやすく洗練された口調
Nike:力強く鼓舞するメッセージ
顧客とのやり取りで一貫しているか?
ブランドストーリー企業の歴史、ミッション、ビジョンを伝える物語Patagonia:環境保護への情熱
Tesla:持続可能な未来への挑戦
従業員が語れるか?
ブランド体験顧客接点におけるすべての相互作用Disney:魔法のような一貫体験
Amazon:シームレスな購買体験
すべてのタッチポイントで価値を感じるか?
ブランド価値提案顧客に提供する独自の価値・利益Airbnb:地元のように旅する
Uber:移動を再定義
WHATが明確か?
ブランドポジショニング市場における独自の立ち位置Volvo:安全性のリーダー
BMW:駆けぬける歓び
競合と差別化できているか?
ブランドパーパス(WHY)ブランドの存在意義TOMS:一足購入で一足寄付
Dove:真の美しさの追求
社会的意義があるか?

プレファレンス(好意度)を高める3要素

ブランディングの成功は「プレファレンス(好意度)」の向上に集約されると言われています。そのためにできることは良いブランドエクイティの構築、製品パフォーマンスの向上、適切な価格設定の3つに限定されます。つまり、究極的にはこの3つを改善することがブランディングの向上につながると言っても間違いではありません。

重要洞察:

  • BtoB SaaSは機能的価値(製品パフォーマンス)が60%以上
  • ミネラルウォーターは情緒的価値(ブランドエクイティ)が70%以上
  • 価格は「高くても買いたい」と思わせる力

ブランディングのフレームワーク:実務で使える3つの思考法

1. ブランドエクイティ:階層で理解する顧客の心理

先述したブランドエクイティについて解説します。ブランドエクイティとは、消費者がブランドに対して抱く認知・価値・信頼感の総合評価です。

ブランドエクイティはブランドが市場で持つ資産価値とも言えます。

構成要素説明
ブランドの認知顧客がブランドを認識し、記憶しているか
ブランドの意味付け(アソシエーション)ブランドに連想する特徴やイメージはどんなものか
ブランドの判断ブランドを使った時の実際の機能的、感情的評価
ブランドと顧客の関係構築愛着や共感があるか

このフレームワークは、ブランディング戦略の立案と実行において有用なガイドラインを提供します。基本的に下から認知→機能的、感情的意味付け→評価→愛着の順番で構築していきます。

構築ステップ:

レベル顧客の状態企業のアクション測定指標
1. 認知「このブランド知ってる」広告・PR・配荷
純粋想起の獲得
ブランド認知率
純粋想起率
2. 意味付け「このブランドは◯◯なイメージ」機能訴求+情緒訴求
一貫したメッセージング
ブランド連想
イメージ調査
3. 判断「実際に使ってみて良かった」優れた顧客体験
期待を超える価値提供
満足度(CSAT)
推奨意向(NPS)
4. 関係「このブランドが好き」「応援したい」コミュニティ形成
共感価値の提供
ロイヤルティ率
LTV

2. ゴールデンサークル(WHYから始めよ):感動を生むブランドの秘密

サイモン・シネックが提唱したゴールデンサークル理論は、Appleやスターバックスが選ばれる理由を解き明かします。

一般企業 vs WHY型ブランドの違い:

アプローチ伝達順序メッセージ例顧客の反応
一般企業WHAT → HOW → WHY「高性能なPCを作っています」
「美しいデザインと使いやすさが特徴」
「革新的だから」
「ふーん、で?」
理性的判断のみ
WHY型ブランドWHY → HOW → WHAT「現状に挑戦する人を応援したい」(WHY)
「美しくシンプルな設計で」(HOW)
「素晴らしいPCを作っています」(WHAT)
「共感する!」
感情的つながり

Apple vs Dell の比較:

項目Apple(WHY型)Dell(WHAT型)
WHY現状に挑戦し、異なる考え方をする人を支援(不明確)
HOW美しく、シンプルで、使いやすい製品カスタマイズ可能、コスパ重視
WHATコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、周辺機器
ブランド価値5,027億ドル約70億ドル
顧客の状態ファン化・熱狂的支持機能的選択

3. Who/What/How思考フレームワーク

この思考法はブランディングとマーケティングを統合します。

具体的な実装:

要素定義スターバックスの例あなたのブランドでの問い
WHOターゲット顧客とその課題・欲求30代共働き夫婦
自己学習・朝活をしたい
あなたの顧客は誰?
どんなJOB(欲求)を持つ?
WHAT提供する便益
独自性
RTB(根拠)
便益:充実した朝活で一日を始められる
独自性:第三の場所(サードプレイス)
RTB:こだわりのコーヒー、居心地の良い空間
なぜあなたを選ぶべき?
競合にない価値は?
HOW届け方
4P実行
早朝営業、Wi-Fi完備
季節限定メニュー
洗練された店舗デザイン
どう価値を届ける?
一貫性があるか?

ブランディングの進め方:7ステップ実践ガイド

ステップ内容評価指標
1. ブランド分析自社、競合、顧客の現状分析SWOT分析結果、市場シェア
2. ブランド戦略策定ビジョン、ミッション、価値観の定義従業員の理解度、顧客の共感度
3. ブランドアイデンティティ開発ロゴ、カラー、メッセージングの作成デザイン一貫性、認知度
4. ブランド体験設計顧客接点の最適化顧客満足度、NPS
5. 内部浸透従業員へのブランド教育従業員エンゲージメント
6. 外部コミュニケーション広告、PR、ソーシャルメディア活用リーチ、エンゲージメント率
7. 測定と最適化KPI分析と改善ブランド価値、ROI

ステップ1:現状分析(1-2週間)

目的: 自社・競合・顧客の現状を正確に把握する

分析手法調査内容使用ツール成果物
3C分析自社(Company)
競合(Competitor)
顧客(Customer)
売上データ
顧客インタビュー
競合調査
3C分析シート
SWOT分析強み・弱み
機会・脅威
ワークショップ
データ分析
SWOT
クロス分析表
ブランド認知調査純粋想起率
助成想起率
ブランドイメージ
Webアンケート
(n=300-500)
認知率レポート

ステップ2:ブランド戦略策定(2-4週間)

目的: ビジョン・ミッション・バリューを明確化

策定チェックリスト:

項目チェック内容合格基準
WHYの明確性15秒以内に語れるか?
社員の理解度従業員の80%以上が説明できるか?
独自性競合3社と差別化できているか?
社会的意義顧客・社会へのポジティブ影響があるか?

ステップ3:ブランドアイデンティティ開発(4-8週間)

目的: 視覚・言語的要素の統一

要素開発項目成果物社内承認
ビジュアルロゴ、カラーパレット、タイポグラフィ
写真スタイル、イラスト
ブランドガイドライン(50-100ページ)経営会議
ボイス&トーンコピーライティングルール
キーメッセージ
トーンボイスガイドマーケ部門
タグラインブランドを象徴する一言3-5案最終決定:CEO

スターバックス vs ドトールの比較:

項目スターバックスドトール
WHY人々の心を豊かにする第三の場所気軽に楽しめるカフェ体験
ビジュアル緑のロゴ、温かみある照明、木材赤茶色のロゴ、効率的レイアウト
ボイス親しみやすく洗練カジュアルで身近
価格プレミアム(500-700円)手頃(300-400円)
結果長時間滞在、作業利用短時間利用、サクッと一杯

ステップ4:ブランド体験設計(継続的)

目的: すべてのタッチポイントで一貫した価値提供

カスタマージャーニーマップの作成:

フェーズ顧客の行動感情タッチポイントブランド体験設計
認知問題・ニーズ認識😐興味SNS、広告、口コミWHYメッセージ70%
検討情報収集・比較🤔迷いWebサイト、資料HOW証拠60%
購入意思決定😊期待EC、店舗、営業WHAT詳細70%
利用実際の使用😄満足/😞不満商品、サポート期待を超える体験
推奨口コミ・再購入🥰愛着コミュニティ、SNSWHY共鳴60%

ステップ5:内部浸透(3-6ヶ月)

目的: 従業員がブランド大使になる

インナーブランディング施策:

施策内容頻度KPI
キックオフイベント全社員参加のブランド発表会1回参加率95%以上
ブランド研修WHY/HOW/WHATの理解<br/>ロールプレイ四半期理解度テスト80点以上
社内報・ニュースレターブランド実践事例の共有月次開封率50%以上
表彰制度ブランド価値を体現した社員を表彰四半期応募数20件以上

ステップ6:外部コミュニケーション(継続的)

目的: ターゲット顧客にブランドを浸透させる

チャネル別戦略:

チャネル目的主要施策測定指標
オウンドメディアWHY共感獲得ブランドストーリー記事
顧客事例
セッション数
滞在時間
SNSエンゲージメントUGC促進
コミュニティ形成
エンゲージメント率
フォロワー数
広告認知拡大ブランド広告
(WHY訴求70%)
ブランドリフト
純粋想起率
PR第三者評価獲得プレスリリース
メディア露出
記事掲載数
リーチ数

ステップ7:測定と最適化(月次/四半期)

ブランディングKPIダッシュボード:

カテゴリ指標目標値例データソース
認知指標純粋想起率
助成想起率
30%
60%
ブランド調査(四半期)
好意度指標ブランド好意度
NPS
70%
50
顧客アンケート(月次)
行動指標リピート率
LTV
40%
100万円
CRMデータ
財務指標売上高
プレミアム率
前年比120%
+30%
財務データ
従業員指標eNPS
離職率
40
10%以下
従業員サーベイ(半期)

成功事例:日本企業に学ぶブランディングの実践

事例1:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)

Screenshot

課題: 2010年代初頭、入場者数が低迷。「映画ファン向けテーマパーク」という狭いポジショニングが限界に。

ブランディング戦略(森岡毅氏主導):

Who/What/How旧戦略新戦略(2014-)結果
WHO映画ファン
関西圏の大人
幅広いファミリー層
全国・訪日外国人
ターゲット3倍拡大
WHATハリウッド映画の世界世界最高のエンターテインメント
「LOVE HAS NO LIMIT」
ブランド再定義
HOW映画アトラクションハリーポッター投資(450億円)
季節イベント(ハロウィン等)
クールジャパン戦略
入場者数2倍

成果:

  • 2010年:750万人 → 2019年:1,490万人(過去最高)
  • ブランド価値:推定2,000億円以上
  • プレファレンス向上による値上げ成功(年パス価格2倍でも購入者増)

学べる教訓:

  1. ターゲットを狭めるな、広げよ(ダブルジョパディの法則)
  2. プレファレンスを高める重心(ハリーポッター)に巨額投資
  3. Who/What/Howの戦略的再構築

事例2:スターバックス

Screenshot

ブランディングの本質:

差別化ポイント:

項目スターバックス一般カフェ
価格設定500-700円(プレミアム)300-400円
広告費ほぼゼロ(口コミ・体験重視)売上の5-10%
滞在時間平均45分(長時間OK)平均20分
Wi-Fi無料・高速なし or 有料
店舗数(日本)1,900店舗-
ブランド価値推定1兆円以上-

事例3:無印良品

Screenshot

「これでいい」から「これがいい」へ

ブランド要素戦略顧客価値
WHY生活の基本を見つめる
「わけあって、安い」
シンプルで本質的な暮らし
デザイン哲学無駄を省いた機能美
「デザインしない」デザイン
長く使える普遍性
製品開発顧客の声を反映(IDEA PARK)
生活の基本から
課題解決型商品
海外展開「日本の文化」としてのシンプル世界31カ国・1,132店舗

失敗事例と教訓:ブランディングの落とし穴を回避する

失敗パターン1:顧客理解の欠如

事例:コカ・コーラ「New Coke」(1985)

項目詳細
背景ペプシに市場シェアを奪われる危機感
ブラインドテストでペプシに負ける
施策より甘い新配合「New Coke」開発
従来の「コカ・コーラ」を全面置き換え
結果発売後77日で旧配合復活
数千件のクレーム
約3,000万ドルの損失
失敗の本質顧客が求めていたのは「新しいコーラ」ではなく「いつものコカ・コーラ」
ブラインドテストの誤解(初回と継続飲用は別)

教訓:

  1. 定量調査だけでなく、定性調査で「なぜ?」を掘り下げる
  2. ブランドの本質(伝統・信頼)を安易に変えない
  3. オルタネイトモデルで顧客の「抑圧」(変化への抵抗)を理解

失敗パターン2:ブランド拡張の失敗

事例:Gucci「GAC」(1980年代)

フェーズ戦略結果
拡張前高級革製品
限定店舗(直営店・免税店)
ラグジュアリーポジショニング
強固なブランド価値
拡張後安価な「GAC」商品展開
販売チャネル拡大
一時的売上増
最終的影響ブランド価値毀損
「安っぽい」イメージ
従来顧客の離反
長期的ダメージ
再建策高級革製品に集中
店舗厳選(イメージ不一致は即撤退)
ラグジュアリー再構築
V字回復

教訓:

  1. ブランドポジショニングと矛盾する施策は避ける
  2. 短期売上より長期ブランド価値を優先
  3. POP(Points of Parity)とPOD(Points of Difference)を守る

失敗パターン3:ビジュアル変更の誤り

事例:Gap ロゴ変更(2010)

日程出来事顧客反応
2010/10/4新ロゴ発表
(青いグラデーション+Helvetica)
SNSで大炎上
「ダサい」「愛着がない」
10/5-9Facebookに数千件の否定的コメント
「元に戻せ」運動
ブランド毀損リスク
10/11わずか6日で旧ロゴに戻すと発表一定の評価も「迷走」と批判

教訓:

  1. ビジュアルアイデンティティ変更は慎重に(顧客の愛着を侮るな)
  2. テストマーケティング・段階的導入を検討
  3. SNS時代は顧客の声が即座に拡散されることを認識

ブランディング失敗を防ぐチェックリスト

チェック項目質問NG例
顧客理解顧客インタビュー(n=30以上)を実施したか?想像だけでペルソナ作成
一貫性すべてのタッチポイントで同じメッセージか?広告とWebサイトでトーンが違う
社内浸透従業員の80%以上がWHYを説明できるか?経営層しか理解していない
段階的実施テストマーケティングを行ったか?いきなり全面刷新
長期視点3-5年後のブランド価値を測定しているか?短期売上のみ追求
顧客フィードバック定期的な顧客調査(四半期)を実施しているか?年1回だけ
競合分析競合3社のブランド戦略を把握しているか?自社だけを見ている

失敗から学ぶ成功法則

成功の3原則:

  1. 顧客の期待を裏切らない(信頼の蓄積)
  2. ブランドの本質を変えない(一貫性の維持)
  3. データと対話で検証する(仮説検証サイクル)

まとめ:明日から始めるブランディング実践アクション

Key Takeaways

重要ポイント実務への示唆
1. ブランディング=プレファレンス向上「選ばれる確率」を高めることに資源集中
確率思考を活用
2. WHYから始めよ存在意義を明確にすることが差別化の源泉
AppleやPatagoniaに学ぶ
3. Who/What/Howの一貫性ターゲット・価値提案・提供方法を統合
USJの成功に学ぶ
4. ブランドエクイティは階層構築認知→意味付け→判断→関係の順で構築
焦らず着実に
5. 測定と改善の継続KPIダッシュボードで月次/四半期チェック
データドリブン意思決定

今日からできる3ステップ

ステップ1:現状診断(今週中)

  • [ ] 自社のWHY(存在意義)を15秒で説明できるか確認
  • [ ] 従業員10名にブランドについてインタビュー(理解度チェック)
  • [ ] 顧客30名に「なぜ当社を選んだか」ヒアリング

ステップ2:仮説構築(2週間以内)

  • [ ] Who/What/Howシートを1枚作成
  • [ ] ブランドエクイティピラミッドで現在地を可視化
  • [ ] 競合3社との差別化ポイントを表にまとめる

ステップ3:小さく実行(1ヶ月以内)

  • [ ] 1つのタッチポイント(例:Webサイトトップ)をWHY訴求に変更
  • [ ] A/Bテストで効果測定(CVR/滞在時間)
  • [ ] 結果を踏まえて次の施策を計画

ブランディングは終わりなき旅

ブランディングは「やって終わり」ではなく、顧客との継続的な対話です。AppleもStarbucksも、創業から数十年経った今でも、毎日ブランド価値の向上に取り組んでいます。

最後に覚えておくべき真実:

「ブランドは企業が作るものではなく、顧客の心の中に生まれるもの」

あなたが今日から始めるブランディングの一歩が、5年後・10年後の「選ばれ続ける企業」を創ります。森岡毅氏の言葉を借りれば、「選ばれる確率を1%でも高める努力」が、複利で積み重なり、圧倒的な差を生むのです。

この記事が、あなたのブランディングマスターへの道のりの一助となれば幸いです。


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この記事を書いた人
tomihey

■運営者について
本ブログの運営者のtomiheyです。
マーケティング領域で14年間約200ブランド以上に関わってきました。

■本ブログの内容
主に、Who/What/Howフレームもとに実際のブランドを分析し、ブランドの成長、失敗に関する悩みや解決策を解説しています。

現在、企業向けにマーケティング戦略(Who/What)/戦術(How)の支援サービスをしています。1時間無料で壁打ちも可能ですので、ご興味がありましたら下記からご連絡ください。

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