マーケティング担当者必見!カテゴリーエントリーポイントを活用してビジネスを成長させる具体的ステップ - 勝手にマーケティング分析
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マーケティング担当者必見!カテゴリーエントリーポイントを活用してビジネスを成長させる具体的ステップ

カテゴリーエントリーポイント 応用を学ぶ
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マーケティング担当者の皆さん、自社製品やサービスの認知度を上げたい、売上を伸ばしたいと日々奮闘されていることでしょう。しかし、従来の手法だけでは限界を感じていませんか?そんな中で注目を集めているのが「カテゴリーエントリーポイント(CEP)」という概念です。

本記事では、CEPの基本から現状把握の方法、そして効果的な増やし方まで、具体的なステップを交えて解説します。これらの知識を活用することで、あなたのマーケティング戦略を劇的に改善し、ビジネスの成長につなげることができるでしょう。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは

カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、消費者が特定の製品カテゴリーを想起するきっかけとなる状況や文脈のことを指します。例えば、「喉が渇いた時に思い浮かぶ飲料」や「疲れを感じた時に考える休憩方法」などが該当します。

CEPは、消費者の日常生活や行動パターンと密接に結びついており、ブランドの認知度や選択に大きな影響を与えます。

CEPの重要性

CEPが重要である理由は以下の通りです:

  1. ブランド想起の機会増加
  2. 競合との差別化
  3. 新規顧客の獲得
  4. 既存顧客の維持

これらの要因により、CEPを効果的に活用することで、マーケティング戦略全体の成功率を高めることができます。

CEPの具体例

CEPをより理解するために、いくつかの具体例を見てみましょう。

1. コカ・コーラ

  • ハンバーガーと一緒に飲む時
  • 映画館でポップコーンと一緒に楽しむ時
  • 暑い日に喉が渇いた時
  • パーティーで飲み物を用意する時
  • スポーツ観戦中に飲む時

2. カップヌードル(日清食品)

  • 夜遅くに帰宅した時の夜食として
  • 忙しい昼休みの quick lunch として
  • 受験勉強中の小腹が空いた時
  • アウトドアやキャンプでの簡単な食事として
  • 災害時の非常食として

3. ポカリスエット(大塚製薬)

  • 激しい運動の後に水分補給する時
  • 二日酔いで体調が悪い時
  • 夏バテで食欲がない時
  • 風邪で脱水症状がある時
  • オフィスでデスクワーク中の水分補給として

4. キットカット(ネスレ日本)

  • 受験生の応援グッズとして
  • コーヒーブレイク時のお供として
  • 旅行のお土産として
  • 午後のティータイムのスナックとして
  • バレンタインデーのギフトとして

5. ルナルナ(エムティーアイ)

  • 生理日の予測が必要な時
  • 基礎体温を記録する時
  • 妊活中に排卵日を知りたい時
  • PMS(月経前症候群)の症状を管理する時
  • 女性特有の健康相談をしたい時

6. ドライシャンプー(バティスト)

  • 朝の寝坊で髪を洗う時間がない時
  • ジムの後で髪をさっと整えたい時
  • 旅行中で髪を洗えない環境の時
  • オフィスで急な会議前に髪をリフレッシュしたい時
  • 病気で入浴が難しい時

7. アリナミンV(武田薬品工業)

  • 飲み会の前後で肝臓をケアしたい時
  • 疲労回復が必要な時
  • 長時間の運転前後にビタミン補給したい時
  • 徹夜明けで体力回復したい時
  • 激しい運動の後に栄養補給したい時

8. ファブリーズ(P&G)

  • 来客前に部屋の臭いを消したい時
  • 喫煙後の臭いを取りたい時
  • ペットの臭いが気になる時
  • 車内の臭いを消したい時
  • 靴箱や下駄箱の臭いを取りたい時

これらの事例から、CEPを効果的に活用することで、ブランドの認知度向上や市場シェアの拡大につながることがわかります。既存のカテゴリーに新しい視点を加えたり、季節やイベントと結びつけたり、パーソナライゼーションを活用したりと、様々なアプローチでCEPを創出・強化していることが見て取れます。

CEPの現状把握手段

自社製品やサービスのCEPを把握するためには、以下の手段があります。

  1. 顧客調査の実施
  2. 競合分析
  3. 内部データの活用
  4. ソーシャルリスニング

1. 顧客調査の実施

顧客調査は、直接消費者の声を聞くことができる貴重な機会です。以下の方法を組み合わせて実施しましょう:

  • オンラインアンケート
  • フォーカスグループインタビュー
  • 購買行動観察

2. 競合分析

競合他社のマーケティング戦略を分析することで、業界全体のCEPトレンドを把握できます。以下の点に注目しましょう:

  • 競合他社の広告キャンペーン
  • SNSでの投稿内容
  • 製品パッケージやキャッチコピー

3. 内部データの活用

自社の販売データや顧客情報を分析することで、CEPに関する重要な洞察が得られます:

  • 売上のピーク時期や時間帯
  • 顧客属性と購買パターンの関連性
  • リピート購入の傾向

4. ソーシャルリスニング

SNSや口コミサイトでの消費者の声を分析することで、潜在的なCEPを発見できます:

  • 製品カテゴリーに関する投稿のタイミングや文脈
  • 消費者が抱える課題や不満
  • 製品使用シーンの共有

オンラインアンケートでCEPを把握する具体的な方法

オンラインアンケートを使用して自社商品のカテゴリーエントリーポイント(CEP)を把握する方法を詳細にまとめました。

1. アンケートの設計

目的の明確化

  • CEPの把握
  • 使用頻度や状況の理解
  • 競合製品との比較

質問タイプの選定

  • 選択式質問
  • 自由回答式質問
  • リッカート尺度

質問内容の作成

  • 製品使用のきっかけ
  • 使用頻度と状況
  • 競合製品との比較
  • デモグラフィック情報

1. 製品使用のきっかけ

「[製品名]を使用するきっかけとなる主な状況を以下から選んでください。(複数回答可)」

  • 朝起きた時
  • 仕事や勉強の合間
  • 運動の前後
  • 食事の時
  • ストレスを感じた時
  • 友人や家族と過ごす時
  • 外出先で
  • 就寝前
  • その他(具体的に:  )

「[製品名]を初めて使用したきっかけは何でしたか?」

  • 広告を見て興味を持った
  • 友人や家族の推薦
  • 店頭で見つけて
  • SNSで話題になっていた
  • 専門家のアドバイス
  • その他(具体的に:  )

「[製品名]を使用したいと思う瞬間を具体的に教えてください。(自由回答)」

2. 使用頻度と状況

「[製品名]をどのくらいの頻度で使用していますか?」

  • 毎日複数回
  • 毎日1回
  • 週に2〜3回
  • 週に1回
  • 月に1〜2回
  • それ以下

「[製品名]を主にどこで使用しますか?(複数回答可)」

  • 自宅
  • 職場やオフィス
  • 学校
  • カフェや飲食店
  • 移動中(電車やバスの中など)
  • アウトドア(公園、ビーチなど)
  • ジムや運動施設
  • その他(具体的に:  )

「以下の状況で、[製品名]を使用する可能性はどのくらいですか?(5段階評価:1.全く使用しない 〜 5.必ず使用する)」

  • 集中力が必要な時
  • リラックスしたい時
  • 体調が優れない時
  • 気分転換したい時
  • 人と会う前
  • 特別な日やイベント時

3. 競合製品との比較

「[製品名]と同じカテゴリーの製品の中で、普段使用しているものをすべて選んでください。(複数回答可)」

  • [競合製品A]
  • [競合製品B]
  • [競合製品C]
  • その他(具体的に:  )

「[製品名]を他の競合製品ではなく選ぶ理由は何ですか?(複数回答可)」

  • 品質が良い
  • 価格が手頃
  • ブランドへの信頼
  • 使い勝手が良い
  • 効果が実感できる
  • パッケージデザインが好き
  • 習慣になっている
  • その他(具体的に:  )

「競合製品と比較して、[製品名]がより適していると感じる状況はありますか?ある場合は具体的に教えてください。(自由回答)」

4. デモグラフィック情報

「あなたの年齢を教えてください。」

  • 18歳未満
  • 18-24歳
  • 25-34歳
  • 35-44歳
  • 45-54歳
  • 55-64歳
  • 65歳以上

「あなたの性別を教えてください。」

  • 男性
  • 女性
  • その他
  • 回答しない

「あなたの職業を教えてください。」

  • 会社員(正社員)
  • 会社員(契約社員・派遣)
  • 公務員
  • 自営業
  • フリーランス
  • パート・アルバイト
  • 学生
  • 専業主婦・主夫
  • 無職
  • その他(具体的に:  )

「あなたの居住地域を教えてください。」

  • 北海道
  • 東北
  • 関東
  • 中部
  • 近畿
  • 中国
  • 四国
  • 九州・沖縄

「[製品名]に関連する以下の項目について、あなたにもっとも当てはまるものを選んでください。」

  • ヘビーユーザー(頻繁に使用する)
  • ミディアムユーザー(時々使用する)
  • ライトユーザー(たまに使用する)
  • 非ユーザー(使用したことがない)

これらの質問を通じて、製品の使用状況やCEP、競合製品との比較、そしてユーザーの属性を詳細に把握することができます。得られたデータを分析することで、効果的なマーケティング戦略の立案や製品改善に活用できるでしょう。

2. サンプルの選定

対象者の定義

  • 年齢層
  • 性別
  • 地域
  • 製品使用経験

サンプルサイズの決定

  • 統計的有意性を確保するため、最低300〜500人程度を推奨

サンプリング方法の選択

  • ランダムサンプリング
  • 層化サンプリング
  • スクリーニング質問の活用

3. アンケートの実施

プラットフォームの選択

  • Google Forms
  • SurveyMonkey
  • フリージー

配信方法

  • Eメール
  • SNS広告
  • 自社ウェブサイト
  • 他社アンケート配信サービス

回答期間の設定

  • 通常1〜2週間程度

4. データ分析

定量分析

  • 記述統計(平均、中央値、標準偏差など)
  • クロス集計
  • 相関分析

定性分析

  • テキストマイニング
  • キーワード分析
  • センチメント分析

5. 結果の解釈とCEPの特定

主要なCEPの抽出

  • 高頻度で言及されるシーンや状況
  • 競合製品と比較して特徴的な使用状況

CEPの分類

  • 時間帯別(朝、昼、夜)
  • 場所別(自宅、職場、外出先)
  • 状況別(仕事中、休憩時、ストレス時)

ペルソナごとのCEP分析

  • 年齢層別
  • 性別別
  • ライフスタイル別

6. アクションプランの策定

マーケティング戦略への反映

  • 広告メッセージの最適化
  • 製品パッケージデザインの改良
  • 新製品開発のアイデア創出

セールスポイントの強化

  • 主要CEPに基づく商品説明の改善
  • 販売スタッフへのトレーニング

顧客体験の向上

  • CEPに基づいたカスタマージャーニーの最適化
  • ウェブサイトやアプリのUX/UI改善

7. フォローアップと継続的改善

定期的なアンケート実施

  • 半年または1年ごとに実施

結果の比較分析

  • 前回のアンケート結果との比較
  • CEPの変化トレンドの把握

改善策の効果測定

  • 実施したアクションプランの効果を検証

CEPを増やす効果的な方法

CEPを増やすことで、ブランドの露出機会を増やし、売上拡大につなげることができます。以下に具体的な方法を紹介します:

  1. 新しい使用シーンの提案
  2. クロスカテゴリー戦略の展開
  3. 季節やイベントとの連携
  4. パーソナライゼーションの活用

1. 新しい使用シーンの提案

既存の製品やサービスに新しい使用方法や場面を提案することで、CEPを拡大できます。

例:コカ・コーラ社の「朝食にコーラ」キャンペーン ※1980年代のキャンペーン

コカ・コーラ社は、従来の「リフレッシュ飲料」というイメージに加えて、「朝食時の飲み物」としてのCEPを当時は創出しました。しかしこのCEPは今も機能しているかというと難しいかと思われます。

出典:https://tastecooking.com/coke-is-a-breakfast-drink/

2. クロスカテゴリー戦略の展開

異なるカテゴリー間でのコラボレーションや、複数の製品を組み合わせた提案を行うことで、新たなCEPを生み出せます。

例:ネスレ日本の「キットカット受験生応援キャンペーン」

チョコレート菓子「キットカット」を受験生応援グッズとして位置づけ、教育カテゴリーとの連携を図りました。

出典:https://nestle.jp/kitkat/juken2024

3. 季節やイベントとの連携

季節の変化や特定のイベントに合わせて製品やサービスを提案することで、時期に応じたCEPを創出できます。

まとめ

カテゴリーエントリーポイント(CEP)の把握と増やし方について、以下のkey takeawaysを覚えておきましょう:

  • CEPは消費者の製品カテゴリー想起のきっかけとなる重要な概念
  • 顧客調査、競合分析、内部データ活用、ソーシャルリスニングでCEPを把握
  • 新しい使用シーン提案、クロスカテゴリー戦略、季節・イベント連携でCEPを増やす
  • CEPの効果的活用はブランド認知度向上と売上拡大につながる

CEPを意識したマーケティング戦略の立案と実行により、競合他社との差別化を図り、ビジネスの成長を加速させることができるでしょう。

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

https://user-in.co.jp/
https://x.com/tomiheyhey

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