1. はじめに
「マーケティングチームの評価って、どうすれば公平にできるんだろう?」
「施策は頑張っているのに、なぜか成果が見えづらい...」
「営業部門との評価基準の違いで、毎回もめてしまう」
マーケティング部門の責任者やマネージャーなら、こうした悩みを一度は抱えたことがあるのではないでしょうか。
マーケティングは成果が見えづらく、評価が難しい職種と言われます。しかし、適切な評価指標(KPI)を設定することで、チームメンバーの貢献度を可視化し、事業成長に直結する組織を作ることができます。
本記事では、BtoBとBtoCそれぞれのマーケティング組織に適した人事評価指標を詳しく解説します。さらに、実際に使えるExcelの評価シートテンプレートも提供しますので、明日からすぐに実践できる内容になっています。
2. マーケターの人事評価指標とは?
マーケターの人事評価指標とは、マーケティング活動の成果や貢献度を定量的に測るための基準です。
評価指標の3つの分類
マーケターの評価指標は、大きく3つに分類できます。
| 分類 | 説明 | 具体例 |
|---|---|---|
| アウトカム指標(成果) | 最終的なビジネス成果に直結する指標 | リード獲得数、売上貢献額、CVR、CAC |
| プロセス指標(過程) | 成果につながる活動や施策の実行状況 | コンテンツ公開数、キャンペーン実施回数、ABテスト実施数 |
| 行動・スキル指標(能力) | 個人の成長や組織貢献度を測る指標 | 新スキル習得、社内勉強会開催、他部門連携の質 |
効果的な人事評価を行うには、この3つの指標をバランス良く組み合わせることが重要です。
KGIとKPIの違い
評価指標を設定する際に理解しておくべき重要な概念が、KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)です。
| 項目 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| KGI | 組織やプロジェクトの最終目標 | 年間売上10億円達成、新規顧客1,000社獲得 |
| KPI | KGI達成のための中間指標 | MQL数300件/月、CVR 3%達成、ROAS 400% |
KGIは「山の頂上」、KPIは「何合目まで到達したか」を示すチェックポイントのようなものです。マーケティング組織の人事評価では、KGIとKPIの両方を適切に設定し、個人とチームの目標を明確にする必要があります。
3. なぜ人事評価指標が重要なのか
マーケティング組織において、明確な人事評価指標を設定することには、以下のような重要な意義があります。
3-1. 事業成長やKGIと連動させるため
マーケティング活動が「なんとなく良さそう」では、経営層からの予算承認も得られませんし、組織としての価値も認められません。
評価指標を事業のKGI(最終目標)に連動させることで、マーケティング活動が売上や利益にどう貢献しているかを明確に示すことができます。
連動の具体例:
【KGI】年間売上20億円達成
↓
【マーケティング部門のKGI】新規顧客経由の売上8億円
↓
【チームKPI】リード獲得数2,400件、商談化率30%
↓
【個人KPI】Web広告経由リード400件/四半期、CVR 2.5%以上
このように階層的に目標を設定することで、一人ひとりの活動が最終的な事業成長にどう貢献しているかが見えるようになります。
3-2. 人は測定される指標に対して行動を最適化するため
組織心理学では「測定されるものが改善される」という原則があります。
人は評価される指標に対して自然と行動を最適化します。逆に言えば、間違った指標を設定すると、間違った行動を促進してしまうリスクがあります。
悪い例:
- リード数だけを評価 → 質の低いリードばかり集めてしまう
- 短期的な売上だけを評価 → ブランド毀損につながる過度な値引き施策
良い例:
- リード数とMQL→SQL転換率を両方評価 → 質と量のバランスを取る
- 新規獲得とLTV(顧客生涯価値)を両方評価 → 持続可能な成長を実現
3-3. 評価の透明性を高め、組織の公平性を担保する
「なんとなく頑張っている人が評価される」という状態は、組織の士気を大きく下げます。
明確な評価指標があることで:
- 透明性が向上する:何をすれば評価されるかが明確
- 公平性が担保される:主観的な評価を排除できる
- 納得感が生まれる:評価理由が説明可能になる
特に、マーケティング部門は営業部門と比べて短期的な成果がすぐに見えにくいため、定量的な評価指標を設定することの重要性は一層高まります。
3-4. 個人の成長とキャリアパスを明確にする
評価指標は、メンバー一人ひとりの成長の指針にもなります。
成長の見える化:
| キャリアステージ | 重視する評価指標 | 求められるレベル |
|---|---|---|
| ジュニアマーケター | プロセス指標中心 | 施策実行数、基礎スキル習得 |
| マーケター | アウトカム指標の比重増加 | CVR改善、リード獲得数達成 |
| シニアマーケター | アウトカム指標+組織貢献 | CAC最適化、戦略立案、後輩育成 |
| マーケティングマネージャー | チーム全体の成果+事業貢献 | 部門KGI達成、他部門連携、ROI最大化 |
このように、キャリアステージに応じた評価指標を設定することで、「次のステップで何が求められるか」が明確になり、メンバーの自律的な成長を促すことができます。
4. よくある失敗パターンと対策
マーケティング組織の人事評価でよくある失敗パターンと、その対策方法についても最初に紹介します。
失敗パターン1:事業成長やKGIに連動していない
症状:
- 「PV数は増えたけど、売上には全く貢献していない」
- 「SNSフォロワーは増えたけど、リードは増えていない」
原因: 最終目標(KGI)から逆算せずに、測定しやすい指標だけを評価対象にしている。
対策:
| 対策 | 具体的アクション |
|---|---|
| KGIからの逆算設計 | 売上目標 → 必要商談数 → 必要リード数と逆算してKPIを設定 |
| 事業インパクトの可視化 | 各指標が最終的にいくらの売上につながるかを試算 |
| 定期的な見直し | 四半期ごとにKPIと事業成果の相関を検証 |
実践例:
【誤】PV数を月間10万にする
【正】マーケティング経由の売上5,000万円達成のために、
月間PV 10万、CVR 2%、成約率20%を実現する
失敗パターン2:難易度が適切でない(高すぎる/低すぎる)
症状:
- 「目標が高すぎて、誰も達成できない」
- 「目標が簡単すぎて、チャレンジ精神が失われる」
原因: 過去の実績や業界ベンチマークを参照せずに、感覚で目標を設定している。
対策:
| 対策 | 具体的アクション |
|---|---|
| SMART原則の適用 | Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限明確) |
| 過去実績の分析 | 過去3〜6ヶ月の実績データを基に、成長率を加味して設定 |
| ストレッチゴールの設定 | 通常目標(達成確率70%)とストレッチゴール(達成確率30%)の2段階設定 |
適切な難易度設定の例:
| 指標 | 前四半期実績 | 通常目標 | ストレッチゴール |
|---|---|---|---|
| リード獲得数 | 300件 | 360件(+20%) | 420件(+40%) |
| CVR | 2.0% | 2.3%(+15%) | 2.6%(+30%) |
| CAC | 15,000円 | 13,500円(-10%) | 12,000円(-20%) |
失敗パターン3:短期的指標のみで評価している
症状:
- 「今月の数字だけ良ければいい、という風潮になっている」
- 「ブランド価値が毀損されている」
原因: 月次や四半期の短期指標だけで評価し、中長期的な成果を無視している。
対策:
| 評価期間 | 指標の種類 | 評価ウェイト | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 短期(1ヶ月〜四半期) | 即効性のある指標 | 40% | リード獲得数、CVR、キャンペーン実施数 |
| 中期(半年〜1年) | 顧客育成・質的指標 | 35% | MQL→SQL転換率、LTV、顧客満足度 |
| 長期(1年以上) | ブランド・組織価値 | 25% | ブランド認知度、オーガニック流入増加率、組織能力向上 |
このようにバランス良く評価することで、短期的な数字を追いつつ、持続可能な成長を実現できます。
失敗パターン4:個人がコントロールできない指標を設定
症状:
- 「全社の売上が悪いから、マーケターの評価も下がる」
- 「他部門の問題なのに、マーケの責任にされる」
原因: マーケティング部門だけでは改善できない指標を評価対象にしている。
対策:
| 指標の種類 | コントロール可能性 | 評価への反映 |
|---|---|---|
| 直接コントロール可能 | マーケ施策で直接改善できる | 評価の中核(60-70%) |
| 間接的に影響 | マーケも一部関与するが他部門の協力必要 | 参考指標(20-30%) |
| コントロール不可 | 市場環境や経営判断に依存 | 評価対象外(0-10%) |
具体例:
| 指標 | 分類 | 評価への反映 |
|---|---|---|
| Web広告のCTR改善 | 直接コントロール可能 | ✅ メイン評価指標 |
| MQL→SQL転換率 | 間接的に影響(営業との連携が必要) | ⚠️ 参考指標として評価 |
| 最終的な受注率 | コントロール不可(営業の提案力に依存) | ❌ マーケの直接評価には含めない |
失敗パターン5:測定していない、または測定できない指標を設定
症状:
- 「目標は立てたけど、どうやって測るか決めてない」
- 「データがバラバラで集計できない」
原因: 測定方法やツールを整備せずに、評価指標だけを設定している。
対策:
| ステップ | 具体的アクション |
|---|---|
| 1. 測定方法の明確化 | 各指標について「どのツールで」「誰が」「いつ」計測するかを決定 |
| 2. データ基盤の整備 | GA4、MAツール、CRM、BIツールなどを連携 |
| 3. ダッシュボードの構築 | リアルタイムで進捗が見えるダッシュボードを作成 |
| 4. 定期レポートの仕組み化 | 週次・月次レポートを自動化 |
測定可能性チェックリスト:
- ✅ データソースは明確か?(GA4、広告管理画面、MA、CRMなど)
- ✅ 集計方法は誰でも理解できるか?
- ✅ リアルタイム性は十分か?(できれば日次、最低でも週次)
- ✅ 担当者が変わっても測定を継続できるか?
失敗パターン6:基準が曖昧で主観的な評価になっている
症状:
- 「頑張っていると思うけど、数字では表せない」
- 「上司によって評価基準が違う」
原因: 「施策の質が良い」「積極的に取り組んでいる」など、定性的で曖昧な評価基準を使っている。
対策:
| 曖昧な基準 | 明確化した基準 |
|---|---|
| 「積極的に施策を実施」 | 「四半期内に5つ以上の新規施策を企画・実行」 |
| 「質の高いコンテンツ作成」 | 「平均滞在時間3分以上、SNSシェア数50以上の記事を月2本公開」 |
| 「他部門との連携が良好」 | 「営業部門と週次ミーティング実施、MQL→SQL転換率を前期比+10%改善」 |
| 「PDCAを回している」 | 「月次でABテストを3回以上実施し、改善策を文書化」 |
定量的に測定できない指標は、できるだけ行動指標に置き換えることがポイントです。
ご紹介した6つの失敗パターンに陥っている企業は非常に多いです。該当する場合は改善をした上で実際に最適な人事評価指標を構築していってください。
5. BtoCマーケティング組織が採用すべき人事評価指標
では、採用すべき人事評価指標についてBtoCビジネスとBtoBビジネスで分けて解説してまいります。BtoCビジネスは、BtoBと比べて以下の特徴があります:
- 購入サイクルが短い(数分〜数日)
- 意思決定者は個人(家族などの影響はあるが基本的に個人判断)
- 取引単価が比較的低い(数百円〜数万円)
- 顧客数が多い(数千〜数百万人規模)
そのため、BtoCマーケティングの評価指標は「高速PDCA」「数値の即効性」「デジタルチャネル中心」が特徴です。
5-1. チーム全体の評価指標
BtoCマーケティングチーム全体で追うべき主要指標は以下の通りです。
| 指標 | 説明 | 計算式 | 目標例 |
|---|---|---|---|
| マーケティング起因売上 | マーケ施策経由の売上総額 | 各チャネル経由の売上合計 | 月間5,000万円 |
| CAC(顧客獲得単価) | 新規顧客1人を獲得するコスト | マーケティング費用 ÷ 新規顧客数 | 3,000円以下 |
| ROAS(広告費用対効果) | 広告費1円あたりの売上 | 広告経由売上 ÷ 広告費用 × 100 | 400%以上 |
| LTV/CAC比率 | 顧客獲得コストに対する生涯価値 | LTV ÷ CAC | 3.0以上 |
| CVR(コンバージョン率) | サイト訪問者の購入率 | 購入数 ÷ セッション数 × 100 | 2.5%以上 |
| リピート購入率 | 一度購入した顧客の再購入率 | リピート顧客数 ÷ 全顧客数 × 100 | 30%以上 |
5-2. 役割別の個人評価指標
BtoCマーケティングチーム内の各役割ごとに、重点的に追うべき指標が異なります。
【デジタル広告担当】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | ROAS | 400%以上 | 40% |
| CPA(獲得単価) | 2,500円以下 | 30% | |
| プロセス | 新規広告クリエイティブ作成数 | 月10本以上 | 15% |
| ABテスト実施数 | 月5回以上 | 10% | |
| スキル | 新規広告媒体の習得 | 四半期に1媒体 | 5% |
【コンテンツマーケター】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | コンテンツ経由のCV数 | 月間150件 | 35% |
| オーガニック流入数 | 月間50,000セッション | 25% | |
| プロセス | コンテンツ公開数 | 月8本以上 | 20% |
| 平均滞在時間 | 3分以上 | 10% | |
| スキル | SEOキーワード順位改善 | 上位10位以内キーワード20個以上 | 10% |
【SNSマーケター】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | SNS経由のCV数 | 月間100件 | 30% |
| エンゲージメント率 | 5%以上 | 25% | |
| プロセス | 投稿数 | 週15投稿以上 | 20% |
| フォロワー増加数 | 月間+500人 | 15% | |
| スキル | バズコンテンツ創出 | 四半期に1本(1万いいね以上) | 10% |
【CRM・メールマーケター】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | メール経由のCV数 | 月間80件 | 30% |
| リピート購入率 | 35%以上 | 25% | |
| プロセス | メール配信数 | 月12回以上 | 20% |
| 開封率 | 25%以上 | 15% | |
| スキル | セグメント別施策実施 | 月3パターン以上 | 10% |
5-3. BtoCマーケティングの評価設計のポイント
| ポイント | 具体的な実施方法 |
|---|---|
| 短期サイクルでのPDCA | 週次で数値をレビューし、月次で評価フィードバック |
| チャネル横断の最適化 | 単一チャネルだけでなく、全体のCAC・ROASを評価 |
| 顧客体験の一貫性 | 各担当が連携し、カスタマージャーニー全体の指標も追う |
| 定性評価の最小化 | 可能な限り数値で測定し、定性評価は10-15%に抑える |
6. BtoBマーケティング組織が採用すべき人事評価指標
次にBtoBビジネスの場合を理解していきましょう。BtoBビジネスは、BtoCと比べて以下の特徴があります:
- 購入サイクルが長い(数ヶ月〜数年)
- 意思決定者が複数(決裁者、利用者、調達担当など)
- 取引単価が高い(数十万円〜数億円)
- リードの質が重要(量より質)
そのため、BtoBマーケティングの評価指標は「リードの質」「営業との連携」「中長期的な成果」を重視する必要があります。
6-1. チーム全体の評価指標
BtoBマーケティングチーム全体で追うべき主要指標は以下の通りです。
| 指標 | 説明 | 計算式 | 目標例 |
|---|---|---|---|
| パイプライン貢献額 | マーケ起因の商談総額 | 商談化した案件の金額合計 | 四半期3億円 |
| MQL数(Marketing Qualified Lead) | マーケが創出した有望リード数 | 一定のスコア基準を満たしたリード数 | 月間200件 |
| SQL数(Sales Qualified Lead) | 営業が受け入れた確度の高いリード数 | 営業にパスされ商談化したリード数 | 月間60件 |
| MQL→SQL転換率 | MQLのうちSQLになった割合 | SQL数 ÷ MQL数 × 100 | 30%以上 |
| CAC(顧客獲得単価) | 新規顧客1社を獲得するコスト | マーケティング費用 ÷ 新規受注数 | 50万円以下 |
| 商談化率 | リードが商談に至る割合 | 商談数 ÷ リード数 × 100 | 15%以上 |
BtoBにおけるMQL/SQLの定義例:
| 分類 | 定義 | 判定基準 |
|---|---|---|
| MQL | マーケティング部門が創出したホットリード | ・スコアが80点以上<br>・資料DL+ウェビナー参加<br>・価格ページ3回以上閲覧 |
| SQL | 営業が商談化すべきリード | ・予算が明確<br>・導入時期が3ヶ月以内<br>・決裁者とコンタクト可能 |
重要: MQLとSQLの定義は、マーケティング部門と営業部門で必ず合意し、定期的に見直すことが成功の鍵です。
6-2. 役割別の個人評価指標
BtoBマーケティングチーム内の各役割ごとの評価指標です。
【リード獲得担当(デジタル広告・SEO)】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | MQL数 | 月間80件 | 35% |
| CPA(リード獲得単価) | 8,000円以下 | 30% | |
| プロセス | 総リード数 | 月間300件 | 20% |
| 新規施策実行数 | 四半期3施策 | 10% | |
| スキル | リード品質改善 | 前期比MQL率+5% | 5% |
【リードナーチャリング・MA担当】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | MQL→SQL転換率 | 35%以上 | 40% |
| ナーチャリング経由のSQL数 | 月間30件 | 25% | |
| プロセス | メール開封率 | 30%以上 | 15% |
| スコアリングルール改善 | 四半期1回見直し | 10% | |
| スキル | セグメント別シナリオ構築 | 四半期2本以上 | 10% |
【インサイドセールス連携・商談創出担当】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | SQL数 | 月間50件 | 40% |
| 商談化率 | 20%以上 | 30% | |
| プロセス | リードコンタクト数 | 月間200件 | 15% |
| 営業へのパス精度 | 90%以上(営業が受入) | 10% | |
| スキル | 営業との連携改善 | 営業満足度アンケート4.0以上 | 5% |
【コンテンツマーケター(BtoB特化)】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | コンテンツ経由のMQL数 | 月間40件 | 35% |
| ホワイトペーパーDL数 | 月間150件 | 20% | |
| プロセス | 記事公開数 | 月6本 | 20% |
| オーガニック流入 | 月間20,000セッション | 15% | |
| スキル | 事例記事・導入事例作成 | 四半期3本 | 10% |
【イベント・ウェビナー担当】
| 評価項目 | 指標 | 目標例 | 評価ウェイト |
|---|---|---|---|
| アウトカム | イベント経由のMQL数 | 月間30件 | 40% |
| イベントROI | 投資額の3倍以上のパイプライン創出 | 25% | |
| プロセス | イベント実施数 | 月2回 | 20% |
| 参加者満足度 | 4.5以上(5点満点) | 10% | |
| スキル | 新規イベント企画 | 四半期1本 | 5% |
6-3. BtoBマーケティングの評価設計のポイント
| ポイント | 具体的な実施方法 |
|---|---|
| 営業部門とのKPI合意 | MQL/SQLの定義を両部門で共有し、月次で認識をすり合わせる |
| 質と量のバランス | リード数だけでなく、MQL→SQL転換率も必ず評価に含める |
| 中長期視点の導入 | 短期的な数字だけでなく、パイプライン貢献額も評価 |
| 商談後のフィードバック | 受注/失注情報をマーケに還元し、リード品質を継続改善 |
BtoC/BtoBビジネスのマーケティング組織人事評価指標を提示しましたが、あくまでも基本の構成や一般論として参考にしてみてください。実際には貴社のビジネスフェーズや市場環境に合わせてカスタマイズをするようお願いいたします。
7. マーケティング組織が使える人事評価シート(Excel)
本記事で解説した人事評価指標を実際に使える評価シートとして提供しています。誰でも活用できるようこちらから誰でもご利用いただけます。



※Googleスプレッドシートは閲覧権限のみのためコピーしてお使いください。
7-1. 評価シートの構成
Excelシートには以下のシートを含みます:
| シート名 | 内容 |
|---|---|
| ①チームKPI管理 | チーム全体の目標と実績を管理 |
| ②個人評価シート(BtoC) | BtoCマーケター向けの個人評価 |
| ③個人評価シート(BtoB) | BtoBマーケター向けの個人評価 |
| ④四半期レビューシート | 四半期ごとの振り返りと改善点記録 |
| ⑤年間評価サマリ | 年間の総合評価と昇給・賞与への反映 |
7-2. 評価シートの使い方
【ステップ1】期初に目標を設定
- チームKGI/KPIを設定
- 個人の役割に応じてKPIを割り当て
- アウトカム・プロセス・スキルのウェイトを決定
【ステップ2】月次でのトラッキング
- 各指標の実績を入力
- 達成率を自動計算
- 課題があれば早期にアクション
【ステップ3】四半期ごとのレビュー
- 上司と1on1で振り返り
- うまくいった点、改善点を記録
- 次四半期の目標を微調整
【ステップ4】年間評価
- 4つの四半期の総合評価
- 昇給・賞与への反映
- 次年度のキャリアパス設計
7-3. 評価シートの記入例(BtoB:リード獲得担当)

【個人評価シート記入例】
| 評価項目 | 指標 | 目標 | Q1実績 | Q2実績 | Q3実績 | Q4実績 | 年間達成率 | ウェイト | 加重スコア |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アウトカム | MQL数 | 月80件 | 85件 | 92件 | 88件 | 95件 | 113% | 35% | 39.6% |
| CPA | 8,000円以下 | 7,500円 | 7,200円 | 7,800円 | 7,000円 | 110% | 30% | 33.0% | |
| プロセス | 総リード数 | 月300件 | 320件 | 310件 | 295件 | 330件 | 105% | 20% | 21.0% |
| 新規施策 | 四半期3施策 | 3施策 | 4施策 | 3施策 | 3施策 | 108% | 10% | 10.8% | |
| スキル | MQL率改善 | 前期比+5% | +6% | +7% | +5% | +8% | 130% | 5% | 6.5% |
| 総合評価 | 110.9% | 100% | 110.9% |
評価ランク:
- S評価(120%以上):期待を大きく上回る
- A評価(110-119%):期待を上回る ← この例
- B評価(90-109%):期待通り
- C評価(80-89%):やや期待を下回る
- D評価(80%未満):大幅に期待を下回る
8. まとめ
本記事の重要ポイント
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 評価指標の重要性 | 事業成長との連動、行動の最適化、透明性・公平性、個人の成長を実現 |
| 失敗パターン | KGI未連動、難易度不適切、短期偏重、コントロール不可指標、測定不可、基準曖昧 |
| BtoC評価のポイント | 高速PDCA、デジタルチャネル中心、CVR・ROAS・LTVを重視 |
| BtoB評価のポイント | リードの質重視、MQL/SQL明確化、営業との連携、中長期視点 |
| 実践方法 | Excelシートで定量管理、四半期レビュー、年間評価へ反映 |
明日から実践すべき3つのアクション
| No | アクション | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1 | 自社のマーケティングKGIを明確化し、チーム・個人のKPIに分解する | 2時間 |
| 2 | 本記事のExcelシートをダウンロードし、現状の数値を入力してみる | 1時間 |
| 3 | マーケティングチームでMQL/SQLの定義を議論し、営業部門と合意する | 3時間 |
成果を出すマーケティング組織は、「評価の仕組み」がしっかりしています。
評価指標を適切に設定し、データに基づいた透明性の高いマネジメントを実践することで、メンバーのモチベーションが向上し、事業成長に直結する組織を作ることができます。
ぜひ、本記事で紹介した評価フレームワークとExcelシートを活用して、あなたの組織のマーケティング力を最大化してください。
マーケティング組織向け人事評価シートは誰でもお使いいただけます。
※Googleスプレッドシートは閲覧権限のみのためコピーしてお使いください。



