RESAS活用ガイド:地域データでマーケティング戦略を劇的に改善する方法 - 勝手にマーケティング分析
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RESAS活用ガイド:地域データでマーケティング戦略を劇的に改善する方法

RESAS マーケの応用を学ぶ
この記事は約14分で読めます。

はじめに

店舗の出店を考えているマーケティング担当者の皆さん、「どの地域に出店すべきか」「ターゲット顧客はどこに集中しているのか」「競合店舗の配置状況は?」といった疑問を、勘や経験だけで判断していませんか?

実は、経済産業省が無料で提供している「RESAS(地域経済分析システム)」を使えば、こうした地域マーケティングの課題を、客観的なデータで解決できます。人口動態、産業構造、観光動向、消費行動まで、ビジネスに必要なあらゆる地域データが一元的に閲覧できるこのツールは、まさにマーケターの秘密兵器です。

本記事では、RESASの基本から、マーケティング実務での具体的な活用シーンまでを徹底解説します。読み終えた後には、明日から地域戦略の精度が格段に上がるはずです。


RESASとは?:5分でわかる基本知識

RESASの定義

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RESAS(リーサス:Regional Economy Society Analyzing System)は、経済産業省と内閣府 地方創生推進室が提供する、地域経済に関するビッグデータを可視化したWebサービスです。2015年のサービス開始以来、企業の戦略立案や自治体の政策決定に広く活用されています。

RESASの3つの特徴

特徴詳細マーケティングでのメリット
完全無料アカウント登録なしで誰でも利用可能予算ゼロで本格的な地域分析が可能
信頼性の高いデータ政府統計、民間企業データなど信頼できる情報源経営層への説得材料として使える
直感的な操作地図やグラフで視覚的に理解しやすいデータ分析の専門知識がなくても使える

アクセス方法

誰でも公式サイトからアクセスできます。

公式サイト:https://resas.go.jp/

推奨環境: Google Chrome、Microsoft Edge、Safari(最新版)


RESASで分析できる7つのマップ

RESASは7つの分析カテゴリ(マップ)で構成されています。それぞれマーケティングでの活用シーンと合わせて紹介します。

全体像の把握

マップ主な機能マーケティング活用度活用例
マーケティングマップ消費動向・滞留人口・事業所分布★★★★★出店候補地の消費者行動分析
観光マップ宿泊者・観光消費の分析★★★★☆インバウンド戦略の立案
人口マップ人口構成・将来人口推計★★★★★ターゲット人口の長期トレンド把握
産業構造マップ企業数・従業者数・売上高★★★☆☆BtoB営業の市場規模把握
地域経済循環マップお金の流れ・産業連関★★☆☆☆地域経済への貢献度の可視化
農林水産業マップ経営体・生産量★★☆☆☆食品関連ビジネスの原料調達分析
医療・介護マップ医療需給・介護施設★★☆☆☆シニア向けサービスの需要予測

例えば、マーケティングマップの滞留人口メッシュ分析を行うと、特定地域の滞留人口(特定の場所に15分以上滞留している人の1時間あたりの平均人数)を下記のように把握することができます。


マーケティング実務での5大活用シーン

ここからは、実際のマーケティング業務でRESASをどう使うか、具体的なシーンを解説します。

シーン1:出店戦略の精度向上

課題: 新規出店の候補地を選定したいが、勘や競合の動きだけで判断している

RESASでの解決方法:

使用する機能:

  • 人口マップ > 将来人口推計分析
    • 2050年までの人口推移を確認
    • 年齢構成の変化をチェック(例:若年層の流出、高齢化率)
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  • マーケティングマップ > 滞留人口メッシュ分析
    • 250mメッシュ単位で人の滞留状況を把握
    • 性別・年代別の構成比を確認
    • 平日/休日、時間帯別の変化を分析
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  • マーケティングマップ > 事業所立地分析
    • 競合店舗の位置を地図上にプロット
    • 業種別の店舗密度を確認
    • 未開拓エリアの発見
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実践例:カフェチェーンの出店判断

分析項目候補地A(駅前商業地)候補地B(住宅地)判断
将来人口(2050年)現在比-15%現在比-5%B有利
20-40代人口構成45%38%A有利
平日昼間滞留人口5,200人/日1,800人/日A有利
競合カフェ数(500m圏内)8店舗2店舗B有利
総合判断--Aは短期収益、Bは長期安定

シーン2:ターゲット顧客の「住んでいる場所」の特定

課題: 商品のターゲット層は明確だが、実際にどのエリアに集中しているか分からない

RESASでの解決方法:

Step 1: 人口マップで基本分析

  • 人口構成分析で性年代別人口分布を確認
  • 通勤通学人口分析で昼間人口の流入・流出を把握
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Step 2: マーケティングマップで行動分析

  • 滞留人口メッシュ分析でターゲット属性の滞在エリアを特定
  • 生活用品消費分析で購買力を確認
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実践ワークシート:

課題: 商品のターゲット層は明確だが、実際にどのエリアに集中しているか分からない

RESASでの解決方法:

まず人口マップで基本分析を行います。人口構成分析で性年代別の分布を確認し、次にマーケティングマップの滞留人口メッシュ分析でターゲット属性の滞在エリアを特定します。このシンプルな2ステップで、優先的に攻めるべきエリアが明確になります。

STEP1: 誰を探すか決める(2分)
項目記入欄
ターゲットの年齢_____歳 〜 _____歳
ターゲットの性別□男性 □女性 □両方
主な特徴(一言で)

記入例: 30-45歳、女性、子育て中の共働き主婦

STEP2: RESASで3エリアを比べる(10分)

気になる3つのエリアをRESASで調べて、重要な数字だけをメモします。人口マップと滞留人口メッシュ分析を使って、以下の表を埋めていきましょう。

比較項目エリアA
(市区町村名:    )
エリアB
(市区町村名:    )
エリアC
(市区町村名:    )
ターゲット年齢層の人口_______人_______人_______人
将来人口(10年後)□増える □減る □変わらず□増える □減る □変わらず□増える □減る □変わらず
滞留人口のピーク時間平日 ::平日 ::平日 ::
競合店舗数(目視)約_____店約_____店約_____店
直感での◎○△評価□◎ □○ □△□◎ □○ □△□◎ □○ □△

記入のコツ: 完璧な数字にこだわらず、おおよその傾向が掴めればOKです。将来人口は人口増減分析で前年比をチェックするだけで十分です。

STEP3: どこから攻めるか決める(3分)

上記の表を見ながら、優先順位を決めます。理由は後から見返せるよう、簡単にメモしておきましょう。

優先順位エリア名選んだ理由(一言)いつから始める?
第1位__月__日から
第2位__月__日から

判断のヒント: 点数計算は不要です。「ターゲット人口が多い」「将来も人口が増える」「競合が少ない」のどれか2つ当てはまれば有望なエリアと考えて問題ありません。

今日からやること(チェックリスト)

決定したエリアで、まず何をするか具体的にチェックしておきます。

□ 第1位エリアの詳細地図を印刷する
□ 現地視察の日程を決める(__月__日)
□ このエリア向けの販促企画を考える
□ 3ヶ月後にもう一度RESASで確認する(__月__日)


シーン3:競合分析の効率化

課題: 競合の出店状況や市場シェアを把握したいが、フィールド調査には限界がある

RESASでの解決方法:

分析レベル使用機能得られる情報マーケティング活用
マクロ産業構造マップ > 産業構造分析業界全体の企業数・従業者数・売上推移市場規模の把握・成長性判断
メゾマーケティングマップ > 事業所立地分析業種別事業所の地理的分布競合密集エリアの回避
ミクロ地図上での個別プロット特定企業の店舗配置パターン競合の出店戦略の推測
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競合分析チェックリスト:

□ 自社業種の全国事業所数トレンド(過去5年)
□ 対象地域の事業所数と従業者数
□ 主要競合3社の店舗配置パターン
□ 市場集中度(上位5社のシェア推定)
□ 未開拓エリアの特定


シーン4:商圏分析とWho(ターゲット)の精緻化

課題: 既存店舗の商圏特性を理解して、よりターゲットを絞り込みたい

RESASでの解決方法:

このシーンでは、プロジェクト知識の「Who/What/How」フレームワークとRESASを組み合わせます。

統合分析フロー:

ステップWho/What/How要素RESAS活用得られる示唆
1Who:どんな人人口マップ > 人口構成分析商圏内の性年代構成
2Who:どんなJOB(欲求)マーケティングマップ > 滞留人口メッシュ時間帯別行動パターンからJOBを推測
3What:提供価値の検証生活用品消費分析実際の購買行動と自社仮説の整合性確認
4How:最適な提供方法通勤通学人口分析アクセス方法(車/公共交通)の把握

実践例:スポーツジムの商圏分析

【仮説設定】
Who: 30-40代、共働き夫婦、健康意識高い
JOB: 仕事帰りに手軽に運動習慣を作りたい

【RESAS検証】
1. 人口マップ確認
→ 商圏3km内の30-40代人口: 12,500人
→ うち共働き世帯推定: 約60%(全国平均より高い)

2. 滞留人口メッシュ分析
→ 平日18-20時の滞留が最多
→ 駅周辺での滞留時間:平均25分
→ 仮説「帰宅前に立ち寄る」と一致✓

3. 通勤通学人口分析
→ 昼間人口の70%が鉄道利用
→ 駅から徒歩圏が重要

【結論】
Whoの精緻化: 「駅利用の30-40代共働き層」
Howの最適化: 「駅徒歩3分以内」「平日18-21時の営業強化」


シーン5:新規事業のTAM/SAM/SOM算出

課題: 新規事業の市場規模を説得力のある数字で示したい

RESASでの解決方法:

市場規模の3層モデル(TAM/SAM/SOM)をRESASデータで算出します。

算出テンプレート:

指標計算式RESAS使用データ計算例(地域密着型学習塾チェーン)
TAMターゲット全人口 × 客単価人口マップ > 人口構成分析(全国)小学生人口600万人 × 年間36万円(月3万円×12ヶ月) = 2.16兆円
SAMTAM × 到達可能地域率マーケティングマップ > 事業所立地分析で出店可能都市圏を特定2.16兆円 × 35%(人口30万人以上の都市圏) = 7,560億円
SOMSAM × 獲得シェア想定産業構造マップで競合数確認 + 自社戦略7,560億円 × 3%(初年度目標シェア) = 約227億円

TAM算出時には、人口マップの人口構成分析で全国の小学生人口を都道府県別・市区町村別に把握します。これにより、ターゲット層がどの地域に多いかが一目瞭然になります。

SAM算出時には、マーケティングマップの事業所立地分析を使って、実際に出店が現実的な都市圏を絞り込みます。例えば「人口30万人以上かつ駅前に適した物件が見込める地域」といった条件で、到達可能な市場を具体的に特定できます。将来人口推計分析も併用すれば、10年後も人口が維持される地域だけに絞ることも可能です。

SOM算出時には、産業構造マップの産業構造分析で「学習塾」業種の事業所数や従業者数を地域別に確認します。競合が過密な地域と未開拓の地域を見極めることで、より現実的な獲得シェアを設定できます。


今日から始めるRESAS実践5ステップ

ここまで、RESASをどういうシーンで活用できるのかをご紹介しましたが、ここからは具体的なステップで使い方を解説してまいります。

Step 1: アカウント不要で即スタート

  1. Webブラウザで https://resas.go.jp にアクセス
  2. トップ画面の7つのマップから「マーケティングマップ」を選択
  3. 「滞留人口メッシュ分析」をクリック

所要時間: 30秒


Step 2: 自社商圏の「人の動き」を可視化

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操作手順:

1. 左メニューで分析地域を選択
└→ 都道府県・市区町村を選択

2. 表示年月を設定
└→ 直近のデータを選択

3. 滞留人口を表示する時間帯を選択
└→ 平日/休日、時間帯を指定

4. メッシュ表示オプション
└→ 「メッシュ表示」にチェック

5. 地図上で色の濃淡を確認
└→ 赤が濃いほど滞留人口が多い

発見できること:

  • ターゲット層がどこに、いつ集まっているか
  • 休日と平日の人流の違い
  • 競合店周辺の人口動態

Step 3: 「画面キャプチャ」で報告資料化

RESASの便利機能を活用して、そのまま企画書に使えます。

機能使い方用途
キャプチャボタン画面左下or右上のカメラアイコン地図・グラフを画像保存
ダウンロードボタン画面右上のダウンロードアイコンデータをCSVで取得
全画面表示地図・グラフの拡大ボタンプレゼン時の視認性向上

報告資料テンプレート構成:

【出店検討資料の構成例】

1. エグゼクティブサマリー
└→ 結論を1枚で

2. 市場環境分析(RESAS)
├ 人口推移グラフ(~2050年)
├ ターゲット人口分布マップ
└ 競合配置マップ

3. 商圏分析(RESAS)
├ 滞留人口ヒートマップ
├ 時間帯別人流グラフ
└ 消費動向データ

4. 投資判断
└→ ROI試算


Step 4: 複数候補地を「比較機能」で評価

RESASには最大5地域まで同時比較できる機能があります。

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比較分析の手順:

  1. 画面右上のメニューから合算/比較地域登録一覧をクリック
  2. 比較したい候補地をすべて追加
  3. 各グラフやデータで選択できるようになるため選択し一覧比較
  4. 以下の評価軸で点数化

評価マトリクス:

評価軸重み候補地A候補地B候補地C
ターゲット人口(5年後)30%85点70点90点
購買力指数25%75点80点65点
競合密度(低いほど高得点)20%60点85点70点
交通アクセス15%90点70点80点
将来人口維持率10%70点75点85点
合計(100点満点)-76.5点75.5点78.0点

Step 5: 定期モニタリングで戦略を進化

RESASデータは四半期〜年次で更新されます。定期的なモニタリングで戦略を進化させましょう。

モニタリング計画表:

頻度チェック項目RESAS機能アクション例
月次新規出店情報事業所立地分析競合動向の把握
四半期商圏内人口動態滞留人口メッシュ販促エリアの見直し
半年消費トレンド生活用品消費分析商品ラインナップ調整
年次長期人口推移将来人口推計中期戦略の見直し

RESAS活用で陥りがちな3つの落とし穴

RESASを使う上で3つの落とし穴もご紹介します。データを見ること自体が楽しいので、見て終わりにならないように3つの視点をご注意くださいませ。

落とし穴1: データを見るだけで満足する

問題: RESASで美しいグラフを作っても、具体的なアクションに落とし込めていない

解決策:

必ず「So What?(だから何?)」を3回繰り返す

例:
「このエリアは20代人口が多い」
↓ So What?
「若年層向けサービスの需要がある」
↓ So What?
「SNS広告で認知を取りやすい」
↓ So What?
「Instagram広告に月30万円投下する」✓


落とし穴2: 全国データをそのまま適用する

問題: 全国平均のデータを、地域特性を無視して使ってしまう

解決策: 必ず以下をセットで確認

データ確認レベルチェックポイント
全国マクロトレンド業界全体の方向性
都道府県地域特性気候・文化・経済構造の違い
市区町村商圏実態実際のターゲット分布
メッシュピンポイント店舗至近の人流

落とし穴3: 古いデータで判断する

問題: データの鮮度を確認せず、数年前の情報で意思決定してしまう

解決策:

  • 常にデータの「取得年月」を確認
  • 最新データと過去5年の推移をセットで見る
  • 急激な変化があるエリアは要注意

【チェックリスト】
□ データ取得時期は明記されているか?
□ 過去5年の推移も確認したか?
□ 新型コロナ等の特殊要因を考慮したか?
□ 最新の地域ニュースと整合しているか?


まとめ:RESASで明日からマーケティングが変わる

Key Takeaways

重要ポイント具体的アクション期待効果
1. RESASは完全無料の地域分析ツール今日から https://resas.go.jp にアクセス予算ゼロで本格的なエリアマーケティング開始
2. 7つのマップで多角的分析が可能まずは「マーケティングマップ」から試す人口・消費・競合を一元把握
3. Who/What/How思考と組み合わせる仮説→RESAS検証→精緻化のサイクルターゲット戦略の精度が3倍向上
4. データは必ずアクションに変換「So What?」を3回繰り返す習慣分析で終わらせない実行力
5. 定期モニタリングで戦略進化四半期レビューをカレンダー登録環境変化への適応速度アップ

Next Action:今日やるべき3つのこと

□ RESASにアクセスして滞留人口マップを5分眺める
└→ 自社商圏の「意外な発見」を1つメモする

□ 直近の出店/販促計画をRESASで検証
└→ 1つでいいので数字的根拠を追加する

□ 週次ミーティングでRESASデータを1枚共有
└→ チーム全体でデータドリブン文化を醸成


RESASは、使いこなせば地域マーケティングの強力な武器になります。データに基づく意思決定で、勘や経験だけに頼らない、再現性の高い戦略を構築していきましょう。

出典:RESAS(地域経済分析システム)

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この記事を書いた人
tomihey

本ブログの著者のtomiheyです。失敗から学び続けてきたマーケターです。
BtoB、BtoC問わず、デジタルマーケティング×ブランド戦略の領域で14年間約200ブランド(分析数のみなら500ブランド以上)のマーケティングに関わり、「なぜあの商品は売れて、この商品は売れないのか」の再現性を見抜くスキルが身につきました。
本ブログでは「理論は知ってるけど、実際どうやるの?」というマーケターの悩みを解決するノウハウや、実際のブランド分析事例を紹介しています。
現在はマーケティング戦略/戦術の支援も実施していますので、詳しくは下記リンクからご確認ください。一緒に「売れる理由」を解明していきましょう!

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