2024年流行語から読み解く消費者心理とマーケティングのヒント - 勝手にマーケティング分析
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2024年流行語から読み解く消費者心理とマーケティングのヒント

2024年ユーキャン新語・流行語大賞のワードから読み解く消費者心理 基礎を学ぶ
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はじめに

2024年も数々の出来事やトレンドが世間を賑わせ、その流れを反映した言葉たちが「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされました。今年の30語を見ると、私たちの日常生活や価値観の変化、そして未来への期待感が反映されています。特に、社会課題への意識の高まり、新技術の普及、個人の自己表現や共感を重視する文化が顕著です。

この記事では、これらのノミネート語をマーケターの視点から分析し、そこから学べることやマーケティングの実務に活かせるポイントを整理していきます。「流行語はその時代の鏡」とも言える存在。これらの言葉が私たちに何を教えてくれるのか、どのような消費者心理が隠されているのかを紐解いていきます。

ユーキャン新語・流行語大賞」ノミネート30語

番号ノミネート語説明
1アサイーボウルアサイーのスムージーにシリアルやフルーツを盛り付けたボウル料理。再び日本で人気が高まっています。
2アザラシ幼稚園オランダのアザラシ保護施設。ライブ配信が話題となりました。
3インバウン丼訪日外国人観光客向けの高級海鮮丼を指す俗称。
4裏金問題自民党の政治資金パーティー収入の不記載問題。
5界隈「その辺り」から「共通の趣味や関心を持つ人々」を指す言葉として使用。
6カスハラカスタマーハラスメント(理不尽なクレームや嫌がらせ)を指します。
7コンビニ富士山富士山を背景にしたコンビニが人気スポットとなり、マナー違反が問題化。
8侍タイムスリッパー自主制作の時代劇映画が単館上映から全国上映へ。
9初老ジャパン平均年齢41.5歳の日本馬術チームが銅メダルを獲得。
10新紙幣2024年7月からの新紙幣切り替え。
11新NISANISA(少額投資非課税制度)の仕組み変更、投資枠拡大。
12ソフト老害年下の意見を汲み取るつもりが老害に見える行動を指す言葉。
13トクリュウ匿名・流動型犯罪グループの略称。
14南海トラフ地震臨時情報2024年8月の日向灘地震時に気象庁が発表した巨大地震注意情報。
15猫ミームネットで流行した猫の画像や動画。TikTokで人気に。
16はいよろこんでダンス動画で話題となった楽曲。
178番出口架空の地下鉄駅を舞台とする個人開発ゲーム。
18はて?NHK連続テレビ小説「虎に翼」の主人公が発する言葉。
19BeReal毎日2分以内で無加工の写真を投稿するSNSアプリ。
20被団協ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会。
2150-50大谷翔平選手が同一シーズンで50本塁打・50盗塁を達成。
22ふてほどドラマ『不適切にもほどがある!』の略称。
23Bling-Bang-Bang-BornCreepy Nutsの楽曲でアニメ『マッシュル』の主題歌。
24ブレイキンブレイクダンスのパリ五輪公式競技名。
25ホワイト案件ブラックではない仕事をアピールする言葉。
26マイナ保険証一本化健康保険証をマイナンバーカードに統合。
27名言が残せなかった北口榛花選手のインタビュー発言が話題に。
28もうええでしょうドラマ『地面師たち』でのピエール瀧さんのセリフ。
29やばい、かっこよすぎる俺SNSで流行したキャプション。
30令和の米騒動米の価格高騰とそれによる消費者の不満。

2024年の「ユーキャン新語・流行語大賞」年間大賞は、TBS系金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』の略称である「ふてほど」が受賞しました。

流行語から学べること

2024年の「ユーキャン新語・流行語大賞」ノミネート30語から、マーケターが学べることや注目すべき傾向をまとめてみました。


1. 共感や親しみがトリガーに

  • :猫ミーム、はいよろこんで、ふてほど
  • 解説:身近で親しみやすいテーマや、SNSでの拡散性のあるコンテンツが多く選ばれています。特に動画やミーム文化の影響が強く、感情に訴えるユーモラスな内容が拡散の鍵。
  • マーケティング施策
    • SNSを通じた共感を呼ぶショート動画やミームの活用。
    • 親しみやすいトーンでのブランドコミュニケーションを検討。

2. 社会課題への意識の高まり

  • :裏金問題、南海トラフ地震臨時情報、令和の米騒動
  • 解説:社会的な問題や自然災害への関心が高まっており、人々が「共感」や「注意喚起」に強く反応している。
  • マーケティング施策
    • 社会課題解決型のプロジェクトやCSR(企業の社会的責任)の透明性を高める。
    • 災害や危機管理に対応したプロダクトやサービスの提供。

3. 新技術やトレンドの受容

  • :新NISA、マイナ保険証一本化、BeReal
  • 解説:デジタルや新制度に関する理解が広がっており、新しいサービスや仕組みが注目される傾向。
  • マーケティング施策
    • 新技術やデジタルツールを用いた利便性の向上を強調。
    • 顧客が新しい仕組みを簡単に理解できるよう、わかりやすい情報提供を実施。

4. ポジティブな自己表現の重視

  • :やばい、かっこよすぎる俺、名言が残せなかった
  • 解説:自己肯定感やポジティブなアイデンティティを高める表現が人気です。個人の自尊心を引き出すようなフレーズがSNSで特に広がっています。
  • マーケティング施策
    • ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用し、顧客自身のストーリーを発信する場を提供。
    • 商品やサービスがポジティブな自己表現を促進することを訴求。

5. オフラインとオンラインの融合

  • :コンビニ富士山、侍タイムスリッパー
  • 解説:現実の場所や体験とオンライン上の拡散を結びつけた事例が成功しています。
  • マーケティング施策
    • オンライン体験をオフラインイベントと連携。
    • 現地でのフォトスポットやインスタ映えを狙った施策を展開。

6. 多様性とジェネレーションギャップへの対応

  • :初老ジャパン、ホワイト案件、ソフト老害
  • 解説:年齢や価値観の違いをテーマにした言葉が選ばれており、世代間の調和や相互理解が重要なトピックとなっています。
  • マーケティング施策
    • 多様性を尊重したメッセージや広告を展開。
    • 世代ごとのニーズや価値観に応じた商品企画。

マーケターへのまとめ

2024年の流行語からは、 「共感」「多様性」「社会性」「デジタル化」 がキーワードとして浮かび上がります。これらをマーケティング戦略に組み込み、ターゲットの感情に寄り添いつつ、先進的かつ持続可能な方向性を示すことで、顧客との信頼関係を築ける可能性が高いと考えられます。

まとめ

2024年の流行語を振り返ると、「共感」「多様性」「社会性」「デジタル化」という4つの大きなテーマが浮かび上がりました。これらは、マーケティングにおいても見逃せないトレンドであり、以下のような実務的なヒントを提供してくれます。

  1. 共感を呼ぶストーリーやコンテンツの活用:特にSNSや動画を通じて、人々の感情に寄り添う施策が重要。
  2. 社会課題に対応した透明性のある活動:企業の社会的責任(CSR)や持続可能な取り組みが消費者の信頼を得る鍵。
  3. デジタル化と新技術への対応:顧客が新技術を簡単に理解し、体験できるプロダクトやサービスの設計。
  4. 自己表現や多様性を尊重したマーケティング:消費者一人ひとりのストーリーを尊重することで、深いエンゲージメントを実現。

これらのポイントを押さえることで、単なる流行語を超え、消費者の心に響くマーケティング戦略を立案できるでしょう。今年のトレンドを活かし、次なるマーケティング活動の成功に役立ててください。

出典元:https://www.jiyu.co.jp/singo/

この記事を書いた人
tomihey

14年以上のマーケティング経験をもとにWho/What/Howの構築支援と啓蒙活動中です。詳しくは下記からWEBサイト、Xをご確認ください。

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